安定した需要が見込めながらも、有形資産(施設としての不動産など)を有しており尚且つ投資先市場の経済全体との相関関係が高いことから、インフレリスクに強い或いはインフレを享受できる資産としての位置づけが強い。このような特徴から、経済成長著しいインドをはじめとした東南アジア関連のインフラストラクチャーファンドへも欧米の投資家からは注目が集まっている。
インフラストラクチャーファンド関連では以下のような投資事例が挙げられる
プライベートファンド(私募)型ファンドの投資事例:
・私募ファンドによる英・ロンドンヒースロー空港、英・ブリストル空港、ベルギー・ブリュッセル空港への出資および取得。
・私募ファンドによるヨーロッパ最大級のバラ積み船港湾事業会社Europortsへの出資。
・私募ファンドによる8,900 kmの敷設パイプラインを持つ原油パイプライン会社の米Colonial Pipelineへの出資、テキサス州ガスパイプライン会社Regency Intrastate Gas Systemへの出資。
上場型ファンドの投資先企業の投資事例:
・リライアンス・インダストリーズ(インド) は10億ドル(約800億円)を投じて航空機輸送事業を開始する。また同じく10億ドル相当を費やしサムソンから4G通信サービス基盤を取得、インド国内での唯一の4G通信サービスプロバイダーとして運営を開始する。
・長江インフラストラクチャー(香港)がイギリス・水インフラ企業Northumbrian Water Groupを買収。長江インフラストラクチャーは複数の英国のガス、電力、水インフラ企業の買収に関わっている。
※上記の内容等や具体的なファンド等の情報に関しましては弊社までお問い合わせ下さい。
今後益々の需要と成長が見込まれるエマージング・マーケット関連のInflation Sensitive Asset(インフレーション感応資産)として、恒久的な存続のための運用持続が可能なリターンを求められる欧米の年金基金や、グローバルマクロと連動したリターンを求める海外SWFからのニーズが急拡大すると見られる。注目の動きとしては、香港や中国、マレーシアなどのアジアの新興国の大手機関投資家・政府系ファンド・年金基金が欧米のインフラストラクチャーへの投資を活発化させているケースが多く見られる。
シンガポールの政府投資公社GICは、ロンドン証券取引所に上場するインドの再生可能エネルギー会社Greenkoの子会社へ1億英ポンド(約140億円)を出資。
Greenkoはインドにて風力発電や河川からの水力発電事業を手掛けている。
GICはインフラストラクチャー投資の方針として、発電所、変電所、上下水道事業、空港や道路といったインフラストラクチャー会社へ、マイノリティー株主として投資する形をとっている。
投資運用大手のブラックロックはスイスのプライベートエクイティ・ファンドのSRPEP(Swiss Re Private Equity Partners)を買収、自身のFOFユニットに加える。 SRPEPはインフラストラクチャー投資に強く、
(弊社グローバル不動産マーケットニュースレター2012年7月号より)