当白書は、BentallGreenOakによる15年間におよぶESGの観点から蓄積されたデータの提供のもと、ヨーク大学(カナダ)とゲルフ大学(カナダ)の研究者により、商業用不動産の運用において環境ビル認証がもたらす影響について共同研究を行ったものです。
当白書の内容については、国内機関投資家様にもご関心いただける先進的で学術的な内容かと存じますので、ぜひご案内させていただきたく存じます。
以下リンクより、詳細PDFをダウンロードいただけます。(ダウンロードが難しい場合は、お手数でございますがご連絡をいただけましたら、別途メールにて添付送付させていただきます。)
・日本語版のエグゼクティブサマリー(2ページ)
https://japanplacementagent.com/en/files/2020/01/2d0ae4964008e3498869b0d35a520666.pdf
・英語版の完全版(35ページ)
https://japanplacementagent.com/en/files/2020/01/191126_CDH-BGO-WhitePaperFINAL.pdf
日本語版からの抜粋
・研究課題:環境に焦点を当てた建物への介入は、水光熱消費にどのような影響を与えるのか?
最近の研究では、建物のエネルギー削減の大部分は建物の設計や設備ではなく、入居者によってコントロールされていることが示唆されています。テナントの行動は、建物全体のエネルギー消費に大きな影響を与える可能性があります。セイラーの「ナッジ理論」は、提案と正の強化によって、消費者の行動を変えることができると説明しています。この「ナッジ(ヒジで軽くつつく)」理論に基づいたテナントとプロパティーマネージャーとのエンゲージメントが、行動の変化とエネルギー消費に影響を与え、環境上のビルディング認証に役立つかどうかについて調査します。
・環境面に焦点を当てた設備投資により、カナダと米国はそれぞれ7.3%と6.2%の電力消費削減に成功しました。
・年間コスト削減と二酸化炭素削減
カナダの結果によると、ForeverGreenを実施することで、占有面積1平方フィートあたり年間0.28 0.50ドルの節約、最大2.4キログラムの二酸化炭素の相殺が可能になります(現地毎のコストによって異なります)。テナント・エンゲージメント・プログラムの実施にかかるコストはごくわずかであるため、これは多額の節約につながります。
・結論
環境を重視した建物でコスト削減を最大化するには、すべての関係者による取り組みが必要です。設計、運用効率、機器のメンテナンス、およびテナントとの関わりにおける効果的な戦略の影響はすべて相互に作用し、建物の収益に結び付きます。これらの調査結果は、ESG関連の政策イニシアチブと同様に、建物の所有者と管理者にとって重要な意味を持っています。ビルディング認証は常に重要ですが、建物の運営者は、テナントやその他の関係者と協力して活動し、節約を最適化する必要があります。
グローバル不動産レポート (カナダ)
カナダは世界的にも最も不動産投資市場が機関投資家向けに整備されており、かつG7参加国中で最も高い人口増加率、そして継続的な経済成長が期待できる市場です。
カナダの優良コア不動産の多くは、カナダ国内や世界的な年金基金に広く所有されています。また近年、分散投資先として多くの海外機関投資家が目を向け始めており、日本の機関投資家からの注目を集め始めています。
当ニュースレターでは、カナダの不動産市場の2019年の見通しについて、弊社がコンサルタントを務めるベントール・ケネディ社のレポートをご紹介いたします。
2019年のカナダ不動産市場を形成する4つの特徴 - FOUR FACTORS THAT WILL SHAPE REAL ESTATE IN 2019
経験豊富な投資家達は、集合住宅、産業用・商業用不動産市場の転換点に注目
カナダの不動産市場へは多くの機関投資家の資金が集まってきています。
2018年度第三四半期までのカナダ商業用不動産の取引高は380億ドル超に達し、2017年度に記録的となった430億ドルを上回る様相を見せています。
世界的に見た場合、2018年は機関投資家が商業用不動産分野への投資にますます踏み込み、公的年金、保険会社、その他の機関投資家達は、2兆5300億米ドルをこれらのアセットに分配しているとオルタナティブ投資市場の調査会社であるプレキン社が報告しています。また、ベントール・ケネディ社が発表した最新レポート2019年カナダ不動産市場概況(The Perspective 2019)では、GDP成長が緩かになっているものの、カナダの不動産ファンダメンタルは引き続き活況な状態が続くと予測しています。不測の事態がなければ、現在のアップサイドおよびダウンサイドリスクによる実質的な影響が、2019年のカナダ経済にとって有益になるとしています。
機関投資家にとっての商業用不動産への重要性が高まっていることを鑑み、2019年度の市場概況の4つに特徴付けて解説したいと思います。
1. 堅調な経済成長が不動産需要を下支え
ベントール・ケネディ社の2019年カナダ不動産市場概況(The Perspective 2019)では、世界的に見た経済成長性は直近2年間の各年度で概ね同等レベルの3.7%であるが、世界的な貿易リスクは依然留まる状況と予測しています。
ベントール・ケネディ(カナダ)社の社長および最高投資責任者ポール・ゼムラは「不動産への強い需要は、堅調なビジネスや消費者意欲に支えられており、当社は労働市場による全国の空室マーケットに対する直接的な影響という部分に注目しています。近年堅調な雇用成長が見られるカナダでは、雇用成長が今年のある時点で鈍化したとしても、カナダ経済は着実に優秀なフルタイム社員の雇用を創出し続けるでしょう」と述べています。
世界の経済専門家達は、好調な米国経済の光と影、他国の経済の停滞から生じる潜在的なストレスを懸念しつつも、カナダは、米国・メキシコ・カナダ協定において、同国の成長性に重大な影響を及ぼすダウンサイド・リスクを取り除くことで、隣国の繁栄から恩恵を受けてていると見ています。2019年に直面するカナダ最大の課題は、上昇する金利に対する消費者の高い負債水準に加え、記録的な低失業率も相まって、優秀な労働人材の不足が挙げられます。
2. 不動産サイクル後期において、オペレーショナル能力は差別化を創出
ベントール・ケネディ社の2019年カナダ不動産市場概況(The Perspective 2019)では、カナダアルバータ州のオフィス市場が過去タイ記録に近い高空室率に頭を悩ませていることや、いくつかの二次および三次小売店舗などが不調なことを除き、全体的にカナダの不動産ファンダメンタルズが2019年度も堅調に推移を続けるとみられます。この環境下における優れたNOIの創出は、オペレーショナル・エクセレンスの確立にかかっていると言えるでしょう。
「サイクル成熟期における不動産運用は、サイクル初期の拡張期と状況が大きく異なります。サイクル初期は金利低下がキャップレートの下落を扇動するため、失策の影響が少ない場合は、物件価値の上昇につながるものですが、そのタイミングは既に去ってしまっています。」(ゼムラ氏)
「現在、投資リターンはインカム主導の方向で推移しています。これは、建物が満室となり、その収益が確保され、さらに成長が期待できることを証明していると言えます。クオリティ付勢を維持することで、明るい成長見通しや優れた流動性を確保でき、市場とは好意的に働くと考えられます。また、付近に移動交通網や様々な施設があり、それらが持続可能な特性を備えているとなれば、今後も生活者や居住者にとって魅力的な物件となる事でしょう。」(ゼムラ氏)
3. 産業用不動産(物流施設)において「最後の1マイル」は最も困難な1マイル
「卸供給物流チェーンは変化しています。私はこれまで皆さんに、生産側と消費者間には時短が求められており、産業用不動産の将来はトラックに委ねられていると話していたのですが、生産側と消費者との間には、未だに不動産が必要とされているということに気が付きました。」
「そして、兼ねてから根強い需要のある産業用不動産(物流施設)は2019年も堅調に成長し続け、その大部分はEコマースの拡大に伴うスペース需要によるものです。これは、インバウンドの物資供給側とアウトバウンドの都市部居住者の双方にとって最適な環境すなわち『ラストマイル』と称される最終拠点からエンドユーザーへの物品搬送の中核部分と言えます。物流施設は華美である必要も巨大なコンテナを格納する必要もありません。最も重要な事は、都心部居住者に近く、また、そこで勤務する人々にとって交通の便が良いという点です。終末端間費用は配送費用の約半分を占めることから、企業各社は、物流用インフィル物件の戦略的配置に余念がありません。」とヨーク大学シューリックビジネススクール・ブルックフィールドセンターで、不動産とインフラ構築の教授兼ディレクターを務めるジェームス・マッケラー氏は述べています。
ベントール・ケネディ社の2019年カナダ不動産市場概況(The Perspective 2019)には、周辺郊外と比較したトロント中心部のダウンタウンから車で30分圏内のインフィル物流不動産物件に関する内容が含まれています。つい2年前までは、中心部に隣接する物件に対しての賃料のプレミアムは殆ど見られませんでしたが、今となっては状況が逆転していると当社は見てています。強い需要に対し供給不足の状況であることから、インフィル物流不動産の賃料へのプレミアムは今後も引き続き期待されています。物流不動産の空室率は、バンクーバーやとトロントにおいても記録的な低さで、カナダの主要大都市の多くにおいても同様の状況となっています。
4. 住宅賃料は上昇、賃貸住宅スタイルの台頭
賃貸住宅市場は、2019年に再び強いパフォーマンスを見せる勢いがありますが、多くの投資ポートフォリオにおいて、賃貸住宅物件は依然低い位置づけとなっています。賃貸物件への大きな需要は、移民や活況な労働市場に牽引された堅調な人口増加に後押しされています。住宅購入の手頃感(アフォーダビリティ)は下がっており、初めて住宅を購入する人には困難な状況と言えます。ゼムラ氏によれば、このような場合は賃貸市場を去る人は殆どおらず、住宅を購入しての自己居住ではなく、より賃貸を選ぶようになると考察しています。
カナダ不動産協会(REALPAC)の最高経営責任者マイケル・ブルックス氏はこの傾向について、「GTA(大トロント圏)やバンクーバーというカナダで最も高額な2つの市場において、賃貸用に転用される分譲住宅の新規供給が増加し大半を占めようとしているのに対し、賃貸を目的に開発された賃貸住宅物件の市場シェアが劇的に減少している」と考察しています。
このような変化があるにも関わらず、ブルックス氏は「賃貸専用物件はこれまでで最も優れた不動産商品である」と述べ、賃貸住宅物件の運用実績には好意的な見通しを持っています。2018年第三四半期の モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナルならびにカナダ不動産協会による不動産指標MSCI/REALPAC Property Indexによれば、2018年9月までの12ヶ月間の集合型賃貸住宅セクターのリターンは12%となっています。
関連資料
– カナダ不動産投資市場の見通し2019年版(Canada Perspective 2019)
ベントール・ケネディは、カナダで有数の大手不動産プレーヤーとして長年、不動産運用をおこなっております。様々な戦略の運用を行っており、海外機関投資家にとってカナダの優良不動産へのエクスポージャーをもてる稀有な機会を提供しております。また海外の機関投資家向けに定期的に不動産投資市場のレポートを発行しております。ファイルサイズの関係上、以下に直近のレポート(Canada Perspective 2019)のダウンロードリンクを添付させていただきます。
https://www.bentallkennedy.com/pdf/perspectives/BKPerspective_Real_Estate_Canada_2019.pdf
– トロント&バンクーバー 機関投資家向け不動投資市場情報(月刊プロパティマネジメント)
月刊プロパティマネジメント誌の2019年2月号(1月末発刊)ではトロントの、2019年4月号(3月末発刊)ではバンクーバー(予定)のカナダの2都市の不動産市場についてのアスタリスク(弊社)とベントール・ケネディ社の記事が掲載予定です。
ぜひご照覧ください。
トロントについての記事は以下リンクよりダウンロードいただけます。
第14回 トロント『海外不動産投資 – 注目の都市、妙味ある街 』
https://japanplacementagent.com/en/files/2019/03/Toronto-No14-PMM.pdf
株式会社ASTERISK
東京都千代田区紀尾井町3-29 グリュックハイム2003
Tel: 03-3263-9909
トロント|サンフランシスコ(2019年3月29日)
ベントール・ケネディ社はこの度、グローバルな機関投資家におけるESG不動産に重点を置いた世界規模の調査を実施いたしました。調査結果からは、不動産投資における判断要因の一つとしてのESG要件の重要性に関して、大方の総意として重要性の高まりが認識された結果となりました。
今回の調査は、ベントール・ケネディ社、カナダ不動産協会(Real Property Association of Canada)、国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)および北米、欧州、アジア太平洋地域の計1兆米ドルを超える資産を運用する投資運用会社によって行われました。
今回の調査における主なポイントは以下の通りです
世界の温室効果ガスの排出量の1/3は、建造物に起因しています。当調査は、国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)の不動産ワーキンググループ支援の下、気候変動に対応して取り組むにあたり、ESG投資への要件設定がどのようにして不動産業界にとっての取り組みを助長するかを理解すべく、ベントール・ケネディ社はUNEP FI不動産ワーキンググループの共同議長として、またカナダ不動産投資協会はアドバイザーの役割をそれぞれ担い、2018年9月から2019年2月にわたり、同調査を実施しました。
「国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)の不動産ワーキンググループを通じ、当調査報告書は、ESGへの取り組みにおいて独特の視点や進化が遂げられたという実績に加え、この分野ではさらに明るい変化が期待できることを示しています。また、テナントやオーナーが、不動産運用会社に対して、気候変動リスクへの対応へより多くを求めるようになった事も示しています。」と同グループヘッドのエリック・アッシャー氏は述べています。
国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)の不動産ワーキンググループの共同議長であり、ベントール・ケネディ社にてサステナビリティと環境・健康・安全部門のヴァイス・プレジデントを務めるアンナ・マレー氏は「当調査報告書から分かったことは、リスク低減と長期的価値の創造において、サステナビリティ投資の経済的価値に対する理解と注目は世界的に高まっており、サステナビリティ要因はテナント誘致や、気候変動の影響からの回復力(climate resilience)、において重要な役割を担い、投資判断の重要要件としてESG要因を検討することは、フィデューシャリーの観点からも欠かすことはできません。」と述べています。
カナダ不動産協会CEOのマイケル・ブルックス氏は「不動産投資家や不動産運用会社は、業界全体が関連し排出する温室効果ガスを削減することで、持続可能性への投資運用において資産運用業界における先駆者となる可能性を秘めている。また同時に、少なくとも長期不動産保有者は何らかのESG戦略を携えるべきであるというのが私たちの見解である。」と述べています。
当レポート(英語版)は以下リンクからダウンロード可能です。
Global ESG Real Estate Investment Survey (ESG不動産投資 グローバル投資家意識調査)
Bentall Kennedy(ベントール・ケネディ)について
北米(米国およびカナダ)にて約4兆円を超える不動産を運用しています。責任ある長期のコア不動産運用を信条に100年以上の歴史を持ち、現在550を超える機関投資家に対し、カナダや米国主要市場12拠点にてコア不動産を中心とした運用・開発・バリューアッドなど様々な戦略を展開しています。また不動産投資におけるESGの分野では世界的なリーダーとして認知されています。
ベントール・ケネディの特徴として、米国で進む都市化(Urbanization)トレンドが著しい主要都市のアーバン・エリア(新たな産業・テクノロジー・人材が集まるエリア)に集中した投資運用を行っており、ESGの積極的な導入を通じてアセットとしての魅力とパフォーマンスを高めています。
海外不動産への投資機会
弊社(アスタリスク)では、グロバールな機関投資家との強固な戦略的なパートナーシップを構築しており、様々な海外不動産市場での投資やJV・事業機会を日本の機関投資家や事業者様へ提供しております。
北米、欧州、オーストラリア、アジアの地域におけるインバウンドおよびアウトバウンドにおける、コア型~バリューアッド型の不動産投資やラグジュアリーホスピタリティといった分野に専門的な強みを有しております。投資機会についてのお問い合わせは、yuki@asteriskrealty.jp(伊藤)までお問い合わせください。
株式会社ASTERISK
東京都千代田区紀尾井町3-29 グリュックハイム2003
Tel: 03-3263-9909
弊社では月刊プロパティマネジメント誌にて、2017年12月号より毎月、機関投資家の海外不動産投資にための様々なグローバル都市の不動産市場について連載記事を掲載しております。このたび、現在まで取り上げました以下の北米の8都市をまとめた資料をご紹介させていただきます。
– シアトル
– ボストン
– ポートランド
– ワシントン D.C.
– サンフランシスコ
– ピッツバーグ
– シカゴ
– トロント
以下リンクよりPDFファイルをダウンロードいただけます。(ダウンロードが難しい場合は弊社までお問い合わせください)
海外不動産 北米8都市レポート – RE Global Cities – North America
https://japanplacementagent.com/wp-content/uploads/2019/04/RE-Global-Cities-North-America-8-Cities-PMM.pdf
関連レポート
ESG不動産投資 北米の事例と最前線
https://japanplacementagent.com/wp-content/uploads/2018/01/ESG-Real-Estate-Casestudy_North-America_Asterisk_2018-January.pdf
Bentall Kennedy(ベントール・ケネディ)について
北米(米国およびカナダ)にて約4兆円を超える不動産を運用しています。責任ある長期のコア不動産運用を信条に100年以上の歴史を持ち、現在550を超える機関投資家に対し、カナダや米国主要市場12拠点にてコア不動産を中心とした運用・開発・バリューアッドなど様々な戦略を展開しています。また不動産投資におけるESGの分野では世界的なリーダーとして認知されています。
ベントール・ケネディの特徴として、米国で進む都市化(Urbanization)トレンドが著しい主要都市のアーバン・エリア(新たな産業・テクノロジー・人材が集まるエリア)に集中した投資運用を行っており、ESGの積極的な導入を通じてアセットとしての魅力とパフォーマンスを高めています。
海外不動産への投資機会
弊社(アスタリスク)では、グロバールな機関投資家との強固な戦略的なパートナーシップを構築しており、様々な海外不動産市場での投資やJV・事業機会を日本の機関投資家や事業者様へ提供しております。
北米、欧州、オーストラリア、アジアの地域におけるインバウンドおよびアウトバウンドにおける、コア型~バリューアッド型の不動産投資やラグジュアリーホスピタリティといった分野に専門的な強みを有しております。投資機会についてのお問い合わせは、yuki@asteriskrealty.jp(伊藤)までお問い合わせください。
株式会社ASTERISK
東京都千代田区紀尾井町3-29 グリュックハイム2003
Tel: 03-3263-9909
カナダは世界的にも最も不動産投資市場が機関投資家向けに整備されており、かつG7参加国中で最も高い人口増加率、そして継続的な経済成長が期待できる市場です。
カナダの優良コア不動産の多くは、カナダ国内や世界的な年金基金に広く所有されています。また近年、分散投資先として多くの海外機関投資家が目を向け始めており、日本の機関投資家からの注目を集め始めています。
当ニュースレターでは、カナダの不動産市場の2019年の見通しについて、弊社がコンサルタントを務めるベントール・ケネディ社のレポートをご紹介いたします。
経験豊富な投資家達は、集合住宅、産業用・商業用不動産市場の転換点に注目
カナダの不動産市場へは多くの機関投資家の資金が集まってきています。
2018年度第三四半期までのカナダ商業用不動産の取引高は380億ドル超に達し、2017年度に記録的となった430億ドルを上回る様相を見せています。世界的に見た場合、2018年は機関投資家が商業用不動産分野への投資にますます踏み込み、公的年金、保険会社、その他の機関投資家達は、2兆5300億米ドルをこれらのアセットに分配しているとオルタナティブ投資市場の調査会社であるプレキン社が報告しています。また、ベントール・ケネディ社が発表した最新レポート2019年カナダ不動産市場概況(The Perspective 2019)では、GDP成長が緩かになっているものの、カナダの不動産ファンダメンタルは引き続き活況な状態が続くと予測しています。不測の事態がなければ、現在のアップサイドおよびダウンサイドリスクによる実質的な影響が、2019年のカナダ経済にとって有益となるしています。
機関投資家にとっての商業用不動産への重要性が高まっていることを鑑み、2019年度の市場概況の4つに特徴付けて解説したいと思います。
1. 堅調な経済成長が不動産需要を下支え
ベントール・ケネディ社の2019年カナダ不動産市場概況(The Perspective 2019)では、世界的に見た経済成長性は直近2年間の各年度で概ね同等レベルの3.7%であるが、世界的な貿易リスクは依然留まる状況と予測しています。
ベントール・ケネディ(カナダ)社の社長および最高投資責任者ポール・ゼムラは「不動産への強い需要は、堅調なビジネスや消費者意欲に支えられており、当社は労働市場による全国の空室マーケットに対する直接的な影響という部分に注目しています。近年堅調な雇用成長が見られるカナダでは、雇用成長が今年のある時点で鈍化したとしても、カナダ経済は着実に優秀なフルタイム社員の雇用を創出し続けるでしょう」と述べています。
世界の経済専門家達は、好調な米国経済の光と影、他国の経済の停滞から生じる潜在的なストレスを懸念しつつも、カナダは、米国・メキシコ・カナダ協定において、同国の成長性に重大な影響を及ぼすダウンサイド・リスクを取り除くことで、隣国の繁栄から恩恵を受けてていると見ています。2019年に直面するカナダ最大の課題は、上昇する金利に対する消費者の高い負債水準に加え、記録的な低失業率も相まって、優秀な労働人材の不足が挙げられます。
2. 不動産サイクル後期において、オペレーショナル能力は差別化を創出
ベントール・ケネディ社の2019年カナダ不動産市場概況(The Perspective 2019)では、カナダアルバータ州のオフィス市場が過去タイ記録に近い高空室率に頭を悩ませていることや、いくつかの二次および三次小売店舗などが不調なことを除き、全体的にカナダの不動産ファンダメンタルズが2019年度も堅調に推移を続けるとみられます。この環境下における優れたNOIの創出は、オペレーショナル・エクセレンスの確立にかかっていると言えるでしょう。
「サイクル成熟期における不動産運用は、サイクル初期の拡張期と状況が大きく異なります。サイクル初期は金利低下がキャップレートの下落を扇動するため、失策の影響が少ない場合は、物件価値の上昇につながるものですが、そのタイミングは既に去ってしまっています。」(ゼムラ氏)
「現在、投資リターンはインカム主導の方向で推移しています。これは、建物が満室となり、その収益が確保され、さらに成長が期待できることを証明していると言えます。クオリティ付勢を維持することで、明るい成長見通しや優れた流動性を確保でき、市場とは好意的に働くと考えられます。また、付近に移動交通網や様々な施設があり、それらが持続可能な特性を備えているとなれば、今後も生活者や居住者にとって魅力的な物件となる事でしょう。」(ゼムラ氏)
3. 産業用不動産(物流施設)において「最後の1マイル」は最も困難な1マイル
「卸供給物流チェーンは変化しています。私はこれまで皆さんに、生産側と消費者間には時短が求められており、産業用不動産の将来はトラックに委ねられていると話していたのですが、生産側と消費者との間には、未だに不動産が必要とされているということに気が付きました。」
「そして、兼ねてから根強い需要のある産業用不動産(物流施設)は2019年も堅調に成長し続け、その大部分はEコマースの拡大に伴うスペース需要によるものです。これは、インバウンドの物資供給側とアウトバウンドの都市部居住者の双方にとって最適な環境すなわち『ラストマイル』と称される最終拠点からエンドユーザーへの物品搬送の中核部分と言えます。物流施設は華美である必要も巨大なコンテナを格納する必要もありません。最も重要な事は、都心部居住者に近く、また、そこで勤務する人々にとって交通の便が良いという点です。終末端間費用は配送費用の約半分を占めることから、企業各社は、物流用インフィル物件の戦略的配置に余念がありません。」とヨーク大学シューリックビジネススクール・ブルックフィールドセンターで、不動産とインフラ構築の教授兼ディレクターを務めるジェームス・マッケラー氏は述べています。
ベントール・ケネディ社の2019年カナダ不動産市場概況(The Perspective 2019)には、周辺郊外と比較したトロント中心部のダウンタウンから車で30分圏内のインフィル物流不動産物件に関する内容が含まれています。つい2年前までは、中心部に隣接する物件に対しての賃料のプレミアムは殆ど見られませんでしたが、今となっては状況が逆転していると当社は見てています。強い需要に対し供給不足の状況であることから、インフィル物流不動産の賃料へのプレミアムは今後も引き続き期待されています。物流不動産の空室率は、バンクーバーやとトロントにおいても記録的な低さで、カナダの主要大都市の多くにおいても同様の状況となっています。
4. 住宅賃料は上昇、賃貸住宅スタイルの台頭
賃貸住宅市場は、2019年に再び強いパフォーマンスを見せる勢いがありますが、多くの投資ポートフォリオにおいて、賃貸住宅物件は依然低い位置づけとなっています。賃貸物件への大きな需要は、移民や活況な労働市場に牽引された堅調な人口増加に後押しされています。住宅購入の手頃感(アフォーダビリティ)は下がっており、初めて住宅を購入する人には困難な状況と言えます。ゼムラ氏によれば、このような場合は賃貸市場を去る人は殆どおらず、住宅を購入しての自己居住ではなく、より賃貸を選ぶようになると考察しています。
カナダ不動産協会(REALPAC)の最高経営責任者マイケル・ブルックス氏はこの傾向について、「GTA(大トロント圏)やバンクーバーというカナダで最も高額な2つの市場において、賃貸用に転用される分譲住宅の新規供給が増加し大半を占めようとしているのに対し、賃貸を目的に開発された賃貸住宅物件の市場シェアが劇的に減少している」と考察しています。
このような変化があるにも関わらず、ブルックス氏は「賃貸専用物件はこれまでで最も優れた不動産商品である」と述べ、賃貸住宅物件の運用実績には好意的な見通しを持っています。2018年第三四半期の モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナルならびにカナダ不動産協会による不動産指標MSCI/REALPAC Property Indexによれば、2018年9月までの12ヶ月間の集合型賃貸住宅セクターのリターンは12%となっています。
関連資料
– カナダ不動産投資市場の見通し2019年版(Canada Perspective 2019)
ベントール・ケネディは、カナダで有数の大手不動産プレーヤーとして長年、不動産運用をおこなっております。様々な戦略の運用を行っており、海外機関投資家にとってカナダの優良不動産へのエクスポージャーをもてる稀有な機会を提供しております。また海外の機関投資家向けに定期的に不動産投資市場のレポートを発行しております。ファイルサイズの関係上、以下に直近のレポート(Canada Perspective 2019)のダウンロードリンクを添付させていただきます。
https://www.bentallkennedy.com/pdf/perspectives/BKPerspective_Real_Estate_Canada_2019.pdf
– トロント&バンクーバー 機関投資家向け不動投資市場情報(月刊プロパティマネジメント)
月刊プロパティマネジメント誌の2019年2月号(1月末発刊)ではトロントの、2019年4月号(3月末発刊)ではバンクーバー(予定)のカナダの2都市の不動産市場についてのアスタリスク(弊社)とベントール・ケネディ社の記事が掲載予定です。ぜひご照覧ください。
トロントについての記事は以下リンクよりダウンロードいただけます。
第14回 トロント『海外不動産投資 – 注目の都市、妙味ある街 』
https://japanplacementagent.com/en/files/2019/03/Toronto-No14-PMM.pdf
■ アスタリスクについて
弊社(アスタリスク)はグローバルな機関投資家向けにグローバル市場での不動産、インフラストラクチャー、関連PE投資の市場情報の提供・ご案内をしております。弊社ウェブサイトでは、不動産、インフラストラクチャー、PEを中心とした海外のオルタナティブ投資情報に関して情報発信を行っております。
ウェブサイト: https://japanplacementagent.com/
株式会社アスタリスク
Asterisk Realty & Placement Agency
東京都千代田区紀尾井町3-29 グリュックハイム2003
Tel: 03-3263-9909
Fax: 03-3263-9908
※当記事及び上記のセミナーは情報提供を目的としたものであり、法的拘束力はありません。アスタリスクは、当記事及び上記のセミナーの内容に関する正確性および完全性を保証せず、その内容を随時変更することがあります。当記事及び上記のセミナーは金融商品の勧誘を意図したものでなく、市場に関しての情報提供を目的としたものです。
当イベントではグローバルな不動産投資やオルタナティブ投資における、新たなトレンドやサイクル、新テーマに焦点を当て、各分野の専門家が解説します。
北米、英国、欧州、アジア地域でのコア、コア・プラス、バリューアッドといった各戦略における長期投資を念頭に置いたテーマとして、都市化、市場サイクル、不動産デット、ESG、観光、レジャー、ウェルネスといったトピックを予定しています。
北米屈指の大手不動産運用会社であるベントール・ケネディより、グローバルに加速する都市化をテーマとした不動産市場について、また都市化と紐づくESG、不動産エクイティとデッド市場などについての解説を予定しています。
近年注目を集める欧州・英国の不動産市場については、欧州最大級の不動産運用会社のスイス・ライフ・アセット・マネージャーズおよびメイフェア・キャピタルIMより、新たな市場テーマや動向、長期の不動産投資の側面からの展望についての解説を予定しています。
またグローバルな観光、レジャー、ウェルネスといった近年大きな成長をみせる産業分野において、関連不動産や企業へ投資する世界最大級のプライベート・エクイティ会社であるKSL Capital Partners(KSL)の講演が予定されています。
開催日: 2019年2月19日(火)
時間: 午後14:00 – 午後17:00 (開場:13:30)
場所: 紀尾井カンファレンス セミナールーム D
東京都千代田区紀尾井町1番4号 東京ガーデンテラス紀尾井町紀尾井タワー4階
http://conference.tgt-kioicho.jp/access/
対象: 年金基金、金融法人自己運用部門、不動産運用会社、不動産デベロッパー、その他
定員: 50名(事前登録制)
言語: 英語/日本語(逐次通訳付)
予定プログラム
グローバル不動産市場の新たなテーマ
14:00 – 14:50 (50分) |
「北米 : 都市化を捉えたコア・コアプラス戦略と、紐づくESG戦略」
リーガン・プラット Bentall Kennedy |
休憩
14:50 – 15:00 (10分) |
|
オルタナティブ投資における新たなテーマとトレンド
15:00 – 15:50 (50分) |
「観光、レジャー、ウェルネス、グローバル市場の成長を牽引する要素とその動向」
ティナ・ユー KSL Capital Partners |
休憩
15:50 – 16:00 (10分) |
|
グローバル不動産市場の新たなテーマ
16:00- 16:50 (50分) |
「欧州・英国の不動産市場における新たなテーマを捉えた長期投資の戦略」
マット・ダイモン Swiss Life AM / Mayfair Capital IM |
お申込方法:セミナーにご参加いただけます人数には限りがございます。ご参加またはセミナーの詳細を希望される場合は『セミナー参加希望』とご記入下さい。
お申込メール送信先 : event@asteriskrealty.jp
※座席数に限りがございますので、上記対象者を優先させていただきます。またお申込多数の場合は抽選とさせていただきます。
※定員に達しましたら 、予告なくお申込みの受付を終了させていただきます。
※当セミナーでは、できるだけ多くの企業にご参加いただけますよう、一社からのご出席人数を限らせて頂く場合がございます。何卒ご理解いただけますようお願いいたします。
【個人情報のお取扱いについて】
ご登録いただきました個人情報(氏名、会社名、ご連絡先)は、当セミナーの運営管理の目的にのみ利用させていただき、必要なセキュリティ対策を講じ厳重に管理致します。
株式会社アスタリスク Asterisk Realty
東京都千代田区紀尾井町3-29 グリュックハイム2003
Tel: 03-3263-9909
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Mail: info@asteriskrealty.jp
※当記事及び上記のセミナーは情報提供を目的としたものであり、法的拘束力はありません。アスタリスクは、当記事及び上記のセミナーの内容に関する正確性および完全性を保証せず、その内容を随時変更することがあります。当記事及び上記のセミナーは金融商品の勧誘を意図したものでなく、市場に関しての情報提供を目的としたものです。
株式会社アスタリスクは、2018年10月24日(水)に開催した「ESG不動産不動産投資シンポジウム:東京2018」において、事前に寄せられた質問内容を中心に質疑応答を行いました。現在、世界の有力投資家達が次々とESG不動産投資を始めており、日本に対する期待も一層高まりを見せています。当シンポジウムの開催が、当投資セクターへの理解促進の一助となり、ESG不動産投資の発展に益々貢献したいと考え、内容をリリースさせていただきます。
登壇者:
アンナ・マレー氏
ベントール・ケネディ社 サステナビリティ部門ヴァイスプレジデント
国際環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)
プロパティ作業部会 共同議長
堀江 隆一氏
CSRデザイン環境投資顧問 代表取締役社長
国際環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)
プロパティ作業部会 顧問
ヘザー・マクリッシュ氏
EY新日本有限責任監査法人
シニアマネージャー 気候変動・サステナビリティサービス ESG/SDG担当 CCaSS部門
司会:
伊藤 幸彦
株式会社アスタリスク 代表取締役
堀江氏
GRESB開示評価は、GRESBリアルエステイト評価と異なり、開示情報のみに基づいて評価が行われている。その開示評価スコアにおいて日本は大きく進歩し、5段階評価で去年はD判定、今年はA判定へと躍進。これは年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2017年の夏にインデックス投資を開始し、それが全て開示情報に基づいて行われていたことが好判定へと影響した。
開示項目に関しては、JREITを中心とした日本の運用機関が追い付き、追い抜いていはいるものの、内容的にはまだ足りない感触がある。グローバルの先進事例を見ると、持続可能な開発目標(SDGs)を意識した開示や、GRI(Global Reporting Initiative: 民間企業、政府機関、その他の組織におけるサステナビリティ報告書への理解促進とその作成をサポートするNGO)のサステナビリティに関する報告枠に基づいたKPIの設定、さらに個別目標を設定し実績を開示している。2030年までのCo2排出量削減に対し、2017年はここまで達成しているといった、長期的な目標に対してどこまで実現しているかなど、戦略面において日本は努力が必要。今後の動きとしては、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に対応する気候変動の問題との戦略ガバナンスリスク管理において、指標と目標を立て、それらのリスクと機会がどこにあるのかといった突っ込んだ開示が今後の課題となる。日本ではResilience(リジリエンス)というとBCP(事業継続計画)に近い概念として捉えられているが、海外運用者の先進事例は、リスクと機会に対して戦略を立案し、ガバナンス態勢はどのような状況で、それらに対しどのようにリスク管理を行い、どのような指標と目標を立てているかについて開示している。
マレー氏
省エネ以外のサステナビリティには、省エネも含まれてはいるものの、水・廃棄物管理・カーボンフットプリント・ウェルネスがあり、具体的には室内における空気の質、アクセスのよい運動施設や、徒歩圏内の遊具センター、交通ハブに近いアセットが注目されている。
パフォーマンス向上のためには、そのプロセスに注力することが重要で、ポートフォリオ全体としてサステナブルなパフォーマンスをしているかどうかを調べるには、データの頑健性(データを取るプロセス)が肝要。ベントール・ケネディ社では、第三者認証を受けた専用のデータ管理システムを有し、これによって何が足りないかといった差異を特定し、どの部分に注力すればパフォーマンスが向上できるかという点も示されるようになっている。
気候変動対応のサステナブル商業物件においては、これまで洪水リスクにしか目が向けられておらず、今後はその範囲を広げたいと考えている。当社でもこれに対する実証試験を行っており、結果が出次第公開する予定。運用パフォーマンスとしてインパクトが出る部分に加え、潜在的なインパクトはどこにあるかに焦点を広げて検証する必要がある。運用パフォーマンスレベルで理解し、保有するポートフォリオが被る想定最大損失額を特定した上で、個別のアセットレベルまで掘り下げ、個別のアセットレベルでの適応がどこまで進んでいるかを検証する。今後は洪水に加え、気温上昇や台風・嵐・海面上昇といった事象とも勘案してゆく。
マクリッシュ氏
私たちがESGを考える時、ストーリーテリングの重要性を勘案してもらいたい。各社が置かれている事業独特のストーリーテリングは何かを調べ、より幅広い層を対象にすることができれば、そのこと自体が強力なメッセージとなる。
堀江氏
従来のグリーンビルディングの概念と健康と快適性が合体したものが将来のグリーンビルディングの姿と言える。
従来のグリーンビルディングの要素は、エネルギー・水・産業廃棄物・材料・室内環境となっており、中でもエネルギーは、最も重要な要素として今以上の省エネが必要で、2050年に向け最終的にはネットゼロを求められてる。SBT(Science Based Target)「2℃目標」(地球の気温上昇を産業革命前の気温と比べて2℃未満に維持する企業の温室効果ガス削減目標)に沿った場合、各社が何パーセントのCo2排出削減を求められるかは業界によって異なる。ある不動産会社の発表を見ると、2030年までに30%削減、2050年までには高いところで80%削減を目標としている。ビル単体での省エネには限度があり、エリア単位でのエネルギーマネジメントや、複数棟のビルのエリアマネジメントを一括で行ったり、都心のビルの屋上に太陽光パネルを設置したり、グリーン電力証書等も重要となる。
これまでのグリーンビルディングの概念は、省エネ・低炭素といった地球環境負荷の低減であったが、それらに加え「健康と快適性」という観点から、入居所の健康快適性を高め、オフィスの生産性も同時に高める動きへと移行している。
人間工学的なデザインや「集中とリラックス」といったアクティビティーを基軸にした労働という観点から見た場合、日本のオフィスは概ね島型に配置され、コミュニケーションを図る上では利便性があるものの、集中面においては難がある。少し離れた場所でインフォーマルなコミュニケーションが可能なスペースや、昼寝スペースがあるオフィスが求められる。
また、栄養や水の観点からは、従来「水」と言えば「節水」とされていたものが、現在では働く人々が良質な飲料水をいつでも摂取出来たり、有機野菜や果物を取りやすい環境でるあることなども、評価の対象に入っている。
既存の概念において、エネルギーや炭素は今後目標程度が厳しくなり、健康と快適性を兼ね備えたビルが、「将来求められる不動産の姿」となる。
マクリッシュ氏
ESG投資が好ましい思う理由として、現在成長中であり、ESGに関心が集まっていることや、ESGといえば、グリーンなものはサステナブルな物だという啓蒙効果が見られるようになってきている事が挙げられる。暫くはこの啓蒙教育が続き、その過程において良質なアセットを提供することができれば、さらに関心が関心を呼ぶという結果をもたらし、 この分野においては不動産に限らず、色々なアセットがその対象となる。
重要なポイントはパフォーマンス実績であり、低リスク高パフォーマンスとなれば、おのずと多くが注目するようになる。香港では大気の質が重要で、屋内の空気がきれいであることが売投資物件としてのアピールポイントとなる。香港はグリーンな建物であればあるほど、短い期間で収益化を実現し、全うな価格が付くとされている。日本では2019年のラグビーワールドカップ大会、2020年の東京オリ・パラリンピック開催を控え、グリーンなアセットがあるとなれば投資家が動き出すことは容易に想像に難くないので、日本にはそのニーズに対応してもらいたいと考えている。
マレー氏
私はUNEPの不動産ワーキンググループと責任ある不動産投資原則を支持しており、それぞれ持続可能な開発目標(SDGs)の目的を掘り下げ、自身にとって何が有用なのかをアセットレベルの運用やポートフォリオ全体の改善に取り組むことで、良い実績が出ていると評価している。
サステナブルな不動産投資の継続へのマーケット戦略を策定する際、良い参考となるのはGRESBEの指標。競合他社が何に注目しているかという点も、この指標から読み取ることができるため、その結果、実績も向上する。オフィス用や商業用と比べ、レジデンスは難しい側面があるが、この点においてテナント関与プログラムは重要となっている。これは入居者を関与させるプログラムとして、この部分のモジュールがGRESBの指標として組込まれている。
入居者関与プログラムにおける3つの側面の一つ目は、当社がポートフォリオで事例研究を行ったものが発表されている。アプローチを改善して入居者を関与させたワシントンのアセット実例では、廃棄物が10.4%削減、エネルギー11%の節約を実現している。
入居者を関与させるという点において、コミュニケーションは重要な要素。エネルギーや水、ゴミの削減といった有用なテーマを選び、それらを一緒に体験する。二番目はオペレーションの側面で、指示が出たらそれを運用できるようオペレーション体制がアセット内に準備されている事。三番目は技術的支援。資本投下してのスマートテクノロジーを導入し、サステナブル関連の実績を向上させる。
マクリッシュ氏
日本に対する世界の期待は非常に高く、グローバルな投資家は、日本は既に何らかの有用な試みを行っているのではないか?という提でアプローチをしてみたものの、実際はそうではないことを知り残念に感じており、今後は、真の意味で優れた明確な開示をしてもらいたいと期待している。最も重要な点は、戦略として100%サステナブルになっていなくても、サステナビリティを目指す経路を辿っている、ということが伝わるだけでも、相当理解を深めることができる。持続可能性は目的地ではなく「旅の行程」であり、その「旅」を今もなお継続していることを投資家に理解してもらうことで、投資家の関心を維持することができる。
堀江氏
不動産にとってのサステナビリティには会社レベル・ファンドレベル・アセットレベルがある。会社レベルのコミットメントは責任投資原則(PRI)あるいは責任ある不動産投資(RPI)、ファンドレベルの取組はGRESBEのような評価が行われ、アセットレベルの取組はグリーンビルディング認証となっている。全てを完璧にやるということではなく、これはまさに「旅」であり、現在進行形で継続することが肝要。
マクリッシュ氏
先ずは主要リスクは何か?を特定し、それらを潰して行くことが重要。その後余裕があれば、もう少し野心的な目標にも対応する。会社にとって一番の痛みは何か?ということから判別し、その解消に着手するのはどうか。
堀江氏
CSRやサステナビリティの重要課題は、ステークホルダー(利害関係者)にとって、あるいは会社や会社経営陣にとって重要なポイントは何かによって選別される。ステークホルダー(利害関係者)の重要ポイントは、GRESBEやMSCI(MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数)で問われる項目が、投資家を含むステークホルダーが重要視する項目となっているので、その中から選んでゆくのが近道。不動産の場合はエネルギーは必ず組込まれる項目であり、ヘルス&ウェルビーイングをどの程度組込むかは、各社のカラーに委ねられる。
マレー氏
バリューの提案とリスクを見て判断するのはどうか。機会があればそれを糧として付加価値を高める。ベントール・ケネディ社は2008年以来、運用するポートフォリオのエネルギーコスト削減努力を行い約2,000万米ドルの効果を上げ、それだけでも効果は大きいと言える。常に入居者の満足度を高めるべく、入居者と対決しないよう心掛け、アセットのケアを念頭に運用を行い、コストを下げ効率を上げテナントの満足度を高める。
尚、当イベントの概要はこちらからご覧いただけます
https://japanplacementagent.com/blog/event/esg-real-estate-investment-symposium-tokyo-2018/
Bentall Kennedy(ベントール・ケネディ)
企業HP : https://www.bentallkennedy.com/news-and-media.php
CSRデザイン環境投資顧問
企業HP : http://www.csr-design-gia.com/index.html
EY新日本有限責任監査法人
公式HP : https://www.shinnihon.or.jp/
その他、ESG不動産投資に関するニュースは弊社ウェブページでもご覧いただけます。
アスタリスク
海外ESG不動産投資事例レポート – 都市化(Urbanization)との補完
https://japanplacementagent.com/blog/esg/esg-real-estate-casestudy_north-america_asterisk_2018-januaryf/
ESG 不動産投資におけるアセットマネジメント事例 – テナント参加型ESG
https://japanplacementagent.com/blog/esg/asset-management-tenant-engagement/
ESG不動産はどのように投資家に価値をもたらすのか? 環境配慮型ビルによる健康や生産性の促進
https://japanplacementagent.com/blog/esg/green-buildings-boost-health-productivity-and-value-for-investors/
不動産投資におけるESGの導入については、国内機関投資家より大きな関心が寄せられております。国内市場での不動産におけるESG要素は、建物運営のエネルギー効率改善による費用削減といったイメージが主であるのが現状です。
しかしながら、実際には賃料上昇、テナント定着率の向上、リーシング費用の削減といった運用パフォーマンスの向上へつながる要素があり、グローバルリーダー達は積極的に活用しています。
運用パフォーマンスへのこれらの影響を裏付けるものは、蓄積されたデータによる数値的な解析であり、 実績と経験に基づく実施です。こういったデータとノウハウが資産運用レベルで蓄積している企業や運用会社は非常に限られていますが、ベントール・ケネディ社では数十年に及ぶ取り組みとともに、外部の研究機関のリサーチなどによるデータ実証も行っております。
より詳細なESGの不動産投資におけるリサーチなどについては、弊社までお問い合わせください。
株式会社アスタリスク
Asterisk Realty
東京都千代田区紀尾井町3-29 グリュックハイム2003
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※当記事及び上記のセミナーは情報提供を目的としたものであり、法的拘束力はありません。アスタリスクは、当記事及び上記のセミナーの内容に関する正確性および完全性を保証せず、その内容を随時変更することがあります。当記事及び上記のセミナーは金融商品の勧誘を意図したものでなく、市場に関しての情報提供を目的としたものです。
By アンナ・マレー
ベントール・ケネディ社(米国・カナダ)
国連環境計画・金融イニシアティブ (UNEP FI) プロパティ作業部会 共同議長
国連によると、世界の温室効果ガスの1/3はビル(建物)からによるものです。持続可能な手法によるパフォーマンスの改善の機会が確実に存在することに加え、このような取り組みが、健全かつ生産性のある労働環境を生み出す根幹にも対応することが可能です。
米国環境保護庁(EPA)による調査によれば、アメリカ人は90%以上の時間を室内で過ごすことが分かっています。このことから、私たちが居住し、労働し、遊ぶためのビル(建物)は、私たちの健康やウェルビーイングに多大なる影響を与えており、高性能かつ持続可能なビル(建物)が課題に立ち向かい、 解決の糸口となる環境を創造しています。
カナダ・オタワにあるザ・サン・ライフ・ファイナンシャルセンターは、カナダの首都に建設された初のLEDD-EBプラチナム・BOMAベストプラチナム認定ビル建物で、運営費用の低減化とビル効率の向上を実現。現在、多くの一流企業や事業所をテナントとして惹きつけている。
持続可能なビルや建物は、エネルギー効率といった要素を越え、健康的かつウェルネス的要素をもたらす存在であり、生産性、革新、従業員満足度の向上を目的としたフィットネスルームや屋上庭園を備えています。
ベントール・ケネディ社では、運用するビル(建物)のウェルネス向上を目指す場合、健康的かつ魅力的で、生産性の高いスペース空間を備えたコミュニティによるウォーカビリティ(徒歩性)やトランジット(交通利便性)スコアの高い社会的施設を提供する事により、テナントへの長期的な訴求を行うことを目指しています。
このような取組みは、ビル(建物)におけるカーボンフットプリントの削減に全力を投じながら、同時に私たちの健康や生活の質の改善へも影響を与えています。テナントやその従業員が快適さを感じ、健康やウェルネスに特化した施設へのアクセスが便利であるほど、彼らはより生産的でクリエイティブである傾向が見られます。
企業において従業員は自身の健康やウェルビーイングにおける目標を支援できる施設を備えた職場環境を求め始め、とりわけミレニアル世代は、都会における『住む、働く、遊ぶ』を備えた環境に強く惹きつけられています。その結果、持続可能性を備えたビル(建物)を優先的に選択し始める先進的な企業が徐々に増え、優秀な人材を繋ぎ止めることができる持続可能なコミュニティに拠点を構えるようになりつつあると世界グリーンビルディング協会(the World Green Building Council)は報告しています。
テクノロジー・ヘルスケア・教育などの革新的分野における優秀な人材は、彼らの価値を共有したり反映している企業文化で働きたいとする傾向があります。このような人材は 都会的なライフスタイル環境や、グリーンスペース・自転車専用道路・公共交通機関への便利なアクセス・電動自転車の充電拠点といった施設が整い、歩行者にやさしい都市計画を備えた労働環境やコミュニティを求めています。
米国ニューヨーク・ルーズベルト島の緑豊なウォーターフロントのレジデンス「ザ・オクタゴン」は、2006年竣工、14階建の現代的な建物で、八角錐ドーム型の円形建物が目印の高級賃貸レジデンス
米国環境性能評価システム(LEED)・ビル所有者管理者協会(BOMA)BEST・エナジースター(省エネルギー型電気製品のための環境ラベリング制度)といったグリーンビルディング認証は、基準を定量化でき、ビル(建物)が持続可能な設計であることを証明するものです。グリーンビルディング認証は重要であると同時に、持続可能性の基線測定でもあります。評価されるに値するビル(建物)に求められる要素とは、人々や私たちの地球の双方にとってのウェルビーイングをしっかりと可視化できる様々な施設です。
ルーフトップ庭園といった自然光や外部スペースを効果的に活用したビル建物や、地元主導型の健康的なレストランを数多く備えた汎用性の高い室内外スペースは、アーバン・ライフスタイル環境を求める従業員に高く評価されています。
このような施設は、テナントを長い間惹きつけ定着させるのに有効であり、グリーンビル設計に基づいた建物は、居住者をより健康的かつ生産的へ導くというレポートが多く見られます。世界グリーンビルディング協会によれば、自然光のある職場、熱的快適性、清掃の際の洗浄剤による汚染物質を最低限に抑えることで、常習的欠勤者を減らし、従業員満足度の向上を促進するとしています。最近発表されたハーバード大学の研究はこの考え方を強固に裏付けており、従来型の環境と比較して、グリーンビルディングのテナントの従業員の認知効率はスコアが61%も高いことが測定されています。
ビル(建物)が健全かつウェルネスに基づいて設計されているかを証明する、世界的に認められ高い影響力のあるFitwell(フィットウェル)といったビル建物のウェルネス認証やWELL認証は、労働環境においての健康やウェルネス戦略を助長させるツールを提供します。フィットウェル認証システムは個人やコミュニティの健康を支えるためのビル(建物)の設計やオペレーションを改善する枠踏みに特化し、一方WELL認証システムは、人々の健康やウェルビーイングを支えるための設計や建設における最良事例(ベストプラクティス)を提供しています。ベントール・ケネディ社は、2017年公式フィットウェル・チャンピオンとなり、ビル(建物)のウェルネス戦略に正式に取組んでいます。
米国ニューヨーク・ルーズベルト島にあるオクタゴンは500戸を擁する住宅ビルで、太陽熱や燃料電池技術で温室効果ガス排出量を低減し、暖房には廃棄物の副産物を利用しています。このようなシステムに加え、環境保護公園、プレイグラウンド、自転車専用道路、地下鉄やトラム乗り場までの特急バスといった健康やウェルビーイングに特化した施設も備えています。
カリフォルニア州オークランドにあるレーサム・スクエアはブティック型オフィスです。このビルは2017年にLEED EB : O&Mプラティナム認証を受け、現行で最も高い評価の持続可能オペレーションを備える唯一のマルチ・テナントビルとなりました。人々が気軽に集まるスペースやコーヒーバー、会議室、テナントが健康やウェルビーイングを体感できるラウンジを備えたロビー階の改修も2017年に完了しました。
ビル・建物デザインやオペレーションにおいての健康やウェルネスといった要素への注目が高まることで、企業における人材の採用、定着性、生産性に関する課題克服への機会が生まれます。これらの課題を解決することにより、テナントの職場環境に対する忠誠心・愛着心を高め、建物の陳腐化を削減することができます。
環境構築における健康やウェルネスへの真摯な取り組みは、シンプルながらも影響力のある困難な課題の解決を支援します。環境にとって良い行いをすることに加え、テナントやその従業員にとって健全で生産的な環境を創造することは、投資家にとっても健全で持続可能な価値を提供します。
Anna Murray / アンナ・マレー
Bentall Kennedy サステナビリティ部門 ヴァイスプレジデント
国連環境計画・金融イニシアティブ (UNEP FI) プロパティ作業部会共同議長
ベントール・ケネディ社は、グローバル不動産投資アドヴァイザリー最大手の一つであり、持続可能な不動産運用における世界的リーダーです。
当レポートはアスタリスクが翻訳・編集したものです。
当レポートの英語版(オリジナル)は、 ベントール・ケネディ社のコーポレートサイトに掲載されています
https://www.greenbiz.com/article/green-buildings-boost-health-productivity-and-value-investors
株式会社アスタリスク
Asterisk Realty
東京都千代田区紀尾井町3-29 グリュックハイム2003
Tel: 03-3263-9909
Fax: 03-3263-9908
宅地建物取引業 東京都知事(3)第89094号
※当記事及び上記のセミナーは情報提供を目的としたものであり、法的拘束力はありません。アスタリスクは、当記事及び上記のセミナーの内容に関する正確性および完全性を保証せず、その内容を随時変更することがあります。当記事及び上記のセミナーは金融商品の勧誘を意図したものでなく、市場に関しての情報提供を目的としたものです。
不動産運用における投資家や企業の社会的責任やESGといったアプローチへの期待と要求は大きく高まり始めています。
特に年金基金や生命保険会社をはじめとる機関投資家にとって、長期運用の対象としての不動産投資においてはことさら持続可能性やESGは必要不可欠な要素となっており、ESGの意義だけでなく、いかに資産運用において活用するかが大きなテーマとなっています。
当シンポジウムでは、国連環境計画・金融イニシアティブ (UNEP FI) プロパティ作業部会 共同議長を務めるアンナ・マレー(ベントール・ケネディ社)を招き、ESG不動産運用におけるグローバルリーダー達の取り組みについて解説します。
また、ESG・気候変動及びサスティナビリティ分野にてアドバイザリーサービスを提供するEY新日本有限責任監査法人のヘザー・マクリッシュが、ESGやCSRを従来の慈善活動から共通価値の創造として浸透させ、日本における持続可能性と競争力向上に必要なソリューションを提案します。
今回のシンポジウムでは、事前に国内の機関投資家や運用会社などからのESG不動産運用における実践や取り組みについてなどの質問を募集しております。また、当シンポジウムにて講演予定者より、ご質問いただいたトピックについての回答や解説を予定しております。
開催日: 2018年10月24日(水)
時間: 午後14:30 ~ 午後17:00 (開場:14:00)
場所: EY Japanセミナールーム(東京ミッドタウン日比谷15階)※受付10階
東京都千代田区有楽町一丁目1番2号 東京ミッドタウン日比谷 https://www.eyjapan.jp/about-us/map.html
対象: 年金基金、金融法人自己運用部門、不動産運用会社、その他
定員: 50名(事前登録制)
言語: 英語/日本語(英語プログラムは逐次通訳付)
講演プログラム
ESG不動産 グローバルな取り組み
14:30 – 15:10 (40分) |
「ローカルからグローバルへ:持続可能性へのアプローチ」
アンナ・マレー ベントール・ケネディ社 サステナビリティ部門ヴァイスプレジデント 国連環境計画・金融イニシアティブ (UNEP FI) |
ESG不動産 グローバルな取り組み
15:10 – 15:40 (30分) |
「機関投資家にとってESG不動産投資はなぜ重要か」
堀江 隆一 CSRデザイン環境投資顧問 代表取締役社長 |
休憩
15:40 – 15:50 (10分) |
|
ESG 国内市場
15:50 – 16:30 (40分) |
「日本における持続可能性とESGの不動産投資への導入」
ヘザー・マクリッシュ EY新日本有限責任監査法人 シニアマネージャー 気候変動・サステナビリティサービス ESG/SDG 担当 CCaSS部門 |
質疑応答
16:30 – 17:00 (30分) |
「ESG不動産についてのQ&A」
インタビュイー アンナ・マレー 堀江 隆一 ヘザー・マクリッシュ
インタビュワー 伊藤 幸彦 |
アンナ・マレー
米国 ベントール・ケネディ社
サステナビリティ部門ヴァイスプレジデント
国連環境計画・金融イニシアティブ (UNEP FI) プロパティ作業部会 共同議長
ヘザー・マクリッシュ
EY新日本有限責任監査法人
シニアマネージャー 気候変動・サステナビリティサービス
ESG(環境・社会・ガバナンス)/SDG(持続可能な開発目標)担当 CCaSS部門
堀江 隆一
CSRデザイン環境投資顧問
代表取締役社長
国連環境計画・金融イニシアティブ (UNEP FI) プロパティ作業部会 顧問
お申込方法:セミナーにご参加いただけます人数には限りがございます。ご参加またはセミナーの詳細を希望される場合は『セミナー参加希望』とご記入下さい。
お申込メール送信先: event@asteriskrealty.jp
※座席数に限りがございますので、上記対象者を優先させていただきます。またお申込多数の場合は抽選とさせていただきます。
※定員に達しましたら 、予告なくお申込みの受付を終了させていただきます。
※当セミナーでは、できるだけ多くの企業にご参加いただけますよう、一社からのご出席人数を限らせて頂く場合がございます。何卒ご理解いただけますようお願いいたします。
株式会社アスタリスク
Asterisk Realty
東京都千代田区紀尾井町3-29 グリュックハイム2003
Tel: 03-3263-9909
Fax: 03-3263-9908
宅地建物取引業 東京都知事(3)第89094号
※当記事及び上記のセミナーは情報提供を目的としたものであり、法的拘束力はありません。アスタリスクは、当記事及び上記のセミナーの内容に関する正確性および完全性を保証せず、その内容を随時変更することがあります。当記事及び上記のセミナーは金融商品の勧誘を意図したものでなく、市場に関しての情報提供を目的としたものです。
クスペディア社C.E.O.のマーク・オカーズトーム氏は、ワシントンのベルビューからシアトルのフォーターフロントへの本社移転について、”それはまさに、優秀な人材獲得のためのグローバル戦争” を見据えた差し迫った決断だったと語る。
過去の景気循環において、スキルを備えた人材は、さらなるビジネスチャンスの追及を目指し、自身の生活拠点を積極的に変えてきたわけだが、米国の人口移動が記録的に低迷する昨今、その状況は変化している。優秀な人材が住みたいと思うような、すなわち、将来への投資が行われる活気溢れる街、そして不動産需要の連鎖反応を創成するような地域へと、企業は移転を始めている。
大型の都市中心部は テック系人材や関連企業を今も惹きつけ、ボストンなどの都市で見られるように街の中における都市コミュニティを再活性し、ニューヨークやサンフランシスコは長期にわたり投資家にとって有望な都市となっている。一方、シアトル、オークランド、デンバー、ローリー、ダラム、オースティンといった将来有望な成長都市においても、スキルの高い人材を生み出し、そのような人材を雇用するための理想的な条件や文化を付与する投資を行っており、企業や不動産投資家はこの点に注目をしている。
需要のある人材を求め、企業は移転する – Companies Migrating to Meet the Needs of In-Demand Talent
人口動態や過去の労働傾向の変化は、明らかにこのようなトレンドに影響を受けてきた。大学から台頭してきたミレニアル世代は、理想的なライフスタイル環境や専門性の高い労働機会に恵まれた最適なコミュニティーを追及しており、その多くは、大学の門のすぐ外のロケーションに存在する。
ベントール・ケネディ社のリサーチ「米国不動産市場 2018年の展望」によれば、より多くの企業は アクセス環境の良い都市部へと移転する傾向が以前よりも増えており、これは、より優秀な人材を求める企業がその人材がいる場所へ移動しなければならないということを示唆している。郊外から大都市圏の生活・仕事・遊びが揃ったロケーションへと企業が移転するのは、その顕著なトレンドの1つであり、この動向は明らかに他の市場へと拡大している。
ベントール・ケネディ社(米国)チーフ・インベストメント・オフィサーのエイミー・プライス氏によれば、これは単なるライフスタイルや特定の都市といった範囲に限らず、20代から30代の労働者は、仕事上における成功機会が多いロケーションを望んでおり、革新的な企業や産業はこの傾向に追従し、そのような人材を惹きつける環境構築のために、相当な資源を費やしている。
”現在、若い優秀な人材の雇用選択は、給与明細以上のものが基準となり、彼らが働き、生活し、遊ぶ建物が、どれほど世界的な多様性に富み、テクノロジー面でも充足したスタイルかどうかに重きを置いた”キャリアと経験”を望んでている”とプライス氏は述べている。
より高い利回りを求める不動産投資家は早速この傾向に対応し、地域社会の再編に活発で、優秀な人材獲得を争う環境を構築できる市場を特定し絞り込みを行っている。
新たなアイデンティティが台頭する大小の市場 – Big and Small Markets Emerging With New Identities
ベントール・ケネディ社のレポートでは、ボストン、ニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコ、ロスアンゼルス、ワシントンD.C.への投資は、全体的な動きとしては落ち着きを見せているものの、これらの市場における2017年の1月~10月までの取引量は未だ米国全体の40%以上となっている。米国の大型市場が世界の投資家を惹きつけようとする一方、優秀な人材、企業、住宅、文化的複合施設を擁する小都市の小規模ロケーションでの不動産投資と不動産開発は、投資家の好奇心をかき立て、潜在的な機会を示唆している。
先見の明があるアメリカの都市がこのような変化に気づかない訳はない。重工業への依存度の高い都市から、ロボット工学や人工知能(AI)の先駆者へと変貌を遂げるピッツバーグは、世界中からその注目を集めており、ここ数年で新テクノロジーで強化された経済を推進しようという態勢になりつつある。
プライス氏はさらに、”過去10年間に渡るピッツバーグの新規雇用の80%は教育、熟練職、科学技術サービス分野で、比較的手頃で、活性化が可能なインフラがある。ピッツバーグは次のニューヨークに成り得るでしょうか?それは無理でしょう。しかし、今後5年間で別の都市へと変貌するということは間違いありません”と述べている。
ローワー・マンハッタンで再開発され最新オフィスビルへと変貌した101 グリニッチは、急速に周辺開発が行われた中心部に位置し、テクノロジー系スタートアップ企業や人材を惹きつけている(出所:ベントール・ケネディ社)
空間と場所の重要性 – The Importance of Space and Place
漸進的ともいえる米国における都市の進化は、都市部周辺の再開発や歴史的建造物の再利用化を振興している。投資家や企業は、従業員の性格やそのブランド力で共感を集めることのできる、仕事と生活の地域や近隣の空間を見出そうとしている。オフィステナントにとって新しくコストが低い代替えロケーション、例えばボストンで成長が著しいシーポート地区といったロケーションは、企業の移転や、従業員と顧客双方の視点から見たブランドイメージの再確認を行う機会を提供する。革新的な地域として周知されたロケーションへの移転することが、いかに最善の選択であることを明示する。
NAIOP (National Association of Industrial and Office Properties)の権威あるフェロー、マーク・スタップは、空間と場所は今まで以上に重要なものとなっていると言う。これは、理想的なロケーションにおけるインテリアデザイン、審美性、快適さの全てを包括し、公共輸送サービス、自転車専用道路、レストラン、カフェ、ジム、その他の施設にも隣接する、全てが一つの環境において、ステレオタイプではなく個性を持ち併せているものだ。
ビルオーナーが、賃貸交渉の場でテナント企業の人事部の担当者と面談するようになったのは、今から3-4年前ほど前から始まった傾向と言える。そしてこれは今では至極一般的となった。これは、企業が従業員確保のために競うようになるきっかけとなった。そして、楽しい場所や、理想的な雇用機会の創出をもたらす錬金術ともなっているとスタップ氏は述べている。
優秀な人材獲得合戦は激しさを増すにつれ、アメリカの革新的な都市の未来像は 明日への労働活力を刺激する文化的中心地になる必要性に迫られるだろう。これらの期待がかかる米国の都市にとって、不動産投資は重要な触媒となる。
原文記事:https://partners.wsj.com/bentall-kennedy/shifting-skylines-building-americas-next-great-talent-centres/
文章:ヴァ―ワン・ヒンメル・シュバック
写真:ポール・モルガン
翻訳:アスタリスク
当記事の原文(英語)はウォール・ストリート・ジャーナル・カスタム・スタジオによって作成されたものです。ウォール・ストリート・ジャーナル・カスタム・スタジオはウォール・ストリート・ジャーナルの広告部門です。
当レポートおよび、ベントール・ケネディ社について、米国での不動産投資・開発・市場情報については弊社(アスタリスク)までお問い合わせください。
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日本の機関投資家からも今後、不動産運用における運用会社や企業の社会的責任やESGといったアプローチへの期待と要求は大きく高まり始めています。
以下に、ESG不動産運用のグローバルリーダーであり北米を代表する不動産運用会社Bentall Kennedy社のこの度発表しました、不動産投資における企業責任・持続可能性の追求についてのレポートをご案内させていただきます。日本およびグローバル不動産投資におけるESGおよび責任ある投資の導入モデルの一例としてご参考になりますと幸甚です。
Bentall Kennedy Corporate Responsibility Summary
(当レポートは以下のリンクよりダウンロードいただけます。)
https://www.bentallkennedy.com/pdf/cr/2018-bentall-kennedy-corporate-responsibility-summary.pdf
ベントール・ケネディは、顧客の皆さまや株主と供に熟慮を重ね、価値の創成、そして私たちが投資するコミュニティでの持続可能性の強化を目指しています。これらの取り組みに間して当社が発表した最新レポート「2018年 企業責任に関する概要」をご案内いたします。
このレポートでは、顧客(投資家)の皆さまに代わってベントール・ケネディが成し遂げる持続可能性における重要な達成事項についてスポットを当て、どのようにすれば持続可能な投資が長期的な価値の創造をもたらすようになるかという点について論証しています。2017年度末において、ベントール・ケネディ社の運用するポートフォリオの78%(資産価値基準)がグリーンビル認証を受けています。ベントール・ケネディは、一貫して不動産投資運用における持続可能性を追求するグローバルリーダーとして、グローバル不動産サステナビリティのベンチマーク(GRESB)や、省エネルギー型電気製品のための環境ラベリング制度(ENERGY STAR)といった団体を通じ、持続可能性に長年貢献してまいりました。
当レポートを通して、経済的価値の創成とベントール・ケネディが投資するコミュニティの持続可能性のさらなる強化を行うため、ベントール・ケネディがいかに「健全な投資+持続可能性」を行っているかについて、より多くを知っていただけるよう願っております。
当レポートおよび米国での不動産投資・開発・市場情報については弊社(アスタリスク)までお問い合わせください。
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ESG不動産投資 北米の事例と最前線 (当レポートは以下のリンクよりダウンロードいただけます。)
https://japanplacementagent.com/wp-content/uploads/2018/01/ESG-Real-Estate-Casestudy_North-America_Asterisk_2018-January.pdf
*月刊プロパティマネジメント誌の2017年12月号にてベントール・ケネディ社の「ESG不動産投資」について、2018年3月号にて「都市化 = Urbanization」をテーマとした不動産投資についての取り組みに関する記事が掲載されております。
株式会社ASTERISK
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【GOYOHとは】
GOYOHは、ラグジュアリーホテルやレジデンス、高級旅館への宿泊者を対象に、滞在場所などに配備された専用端末・専用アカウントを利用し、当インターフェースを通じて、グローバルなウルトラ富裕層に、日本全国の最高級のサービス、通常では入手困難な品々、特別な経験等を提供します。サービスは多言語で提供され、特別な設置工事や運用のための人材登用が不要であることから、遠隔リゾート地や交通の便が不自由な地域にも導入が可能です。
GOYOHは、ラグジュアリーホテルやコンドミニアム、レジデンスなどに宿泊滞在するウルトラ富裕層向けの統合型ユーティリティで、iPadや専用端末などのデバイス上で動くサードパーティー型のコンシェルジュサービスです。利用者は、専用デバイスなどを使ってショッピングや食事、移動、旅行、エンターテインメントなどのカテゴリーから欲しいサービス項目を選び楽しめる仕組みとなっています。
システム導入イメージ : ホテル客室・レジデンス内
【GOYOHが求められる市場】
世界のラグジュアリー消費の多くは、ホスピタリティと深く関わっており、その市場規模は年間160兆円を超え、世界のウルトラ富裕層が保有するラグジュアリー資産や不動産の資産規模は、約280兆円に達するとも言われています。一方、日本では、それらに対する巨大な潜在的価値を持ちながらも、海外富裕層の需要に応える商品とサービスの不足から、海外市場に大きく遅れを取ってきました。しかしながら昨今、インバウンド需要の成長と統合型リゾート(IR)導入に対する動きが加速し、これらの分野のサービスや産業ではさらなる成長が見込まれます。
【開発の背景】
アスタリスクはこれまで、ウルトラ富裕層に特化した不動産関連事業サービスを通じ、グローバルなウルトラ富裕層から数多く寄せられたグローバル水準のラグジュアリーレジデンスや宿泊施設やライフスタイルサービスに対する、極めて専門的な要望に応えてきた実績を背景に、これらのニーズを「日本における真のラグジュアリーサービス」として商品化すべく、ITベースの体験型コンシエルジュサービス「GOYOH」の開発に至りました。自身のライフスタイルを踏襲した「心に残る特別な経験」を求める声は、さらに加速すると予想されます。
さらに日本では、地域ごとの食や文化などの観光資源が非常に豊富で、サービス品質も高いことから、魅力を再定義しカスタマイズすることで、グローバル基準をも超えるその地域ならではのラグジュアリーホスピタリティを十二分に提供する事を目指します。
【GOYOHの特徴と利便性】
GOYOHは不動産デベロッパー、高級小売店、プライベートジェットサービス、アートギャラリー、高級レストラン、体験型サービスプロバイダー、ウェルネス関連プロバイダーといった企業、また日本各地の農家や伝統工芸家などとの提携により、利用者の滞在場所や地域性に関わらず、利用者・宿泊客が求める商品・サービス・体験を日本全国から享受できます。
厳選されたグローバル富裕層向けの特別な商品とサービスを揃え、質・量ともに従来のコンシェルジュサービスを超える高いレベルを実現します。ホテルなどの併設施設やサービスのシームレスな利用に加え、ミシュランの星付きレストランの特別予約、ヘリスキーや美術館の貸切などのアクティヴィティやエンターテインメント、美術品やプライベートジェットから個人潜水艇など、ウルトラ富裕層向けの特殊な買い物のアレンジも行います。
システム導入イメージ : プライベートジェット機内
宿泊施設運営業者にとっても、効率的かつ多彩なサービスの提供と収益機会の創出拡大が期待できます。ITプラットフォームのため、新規開発施設はもちろん、既存施設への導入もスムーズに行うことができます。また、地域の特性や伝統産業、現地ならではの体験をメニューとして商品化することにより、地方再生の一環にも貢献できると考えています。またグローバルな利用者は、言語ストレスを感じることなく、宿泊滞在中はもちろん、滞在前後も当サービスを利用できるなど、滞在価値や満足度の向上にもつながります。
不動産デべロッパーは、ラグジュアリーホテルやコンドミニアム施設や物件そのものの収益、価値、販売坪単価向上に寄与することも期待できます。さらに各々の都市やリゾートを相互に接続させ、海外富裕層の日本での旅行・ライフスタイル消費の枠を超え、ラグジュアリーレジデンスや投資用不動産への需要にも応えます。
地方やリゾートの高級な旅館や宿泊施設にとっては、インバウンド市場の成長とともに近年大きな課題となっている優れたホスピタリティスキルと多言語対応できる人材の不足を補うことができ、さらに宿泊機能以外の様々な付加価値サービスをGOYOHを通じて備えられます。
さらに、地方やリゾートなどの導入施設における季節変動ともリンクした実際の雇用や人材確保をサポートする機能も備え、今度ますます深刻化する、宿泊施設でのインバウンド対応ができる高等技能を持った人材難を解消するソリューションとなることも期待されます。
【今後の展開】
2018年春、北海道ニセコに拠点を構えるラグジュアリーヴィラに、GOYOHインターフェイスが試験導入されました。同ヴィラは各国の王室や各界の著名人などが数多く訪れるニセコエリア屈指の高級リゾート施設となっています。
今後さらに、不動産デベロッパーや高級宿泊施設運営者と連携して国内各地の主要都市やリゾートのラグジュアリー宿泊施設やレジデンスへ導入展開するとともに、より多くの地域や分野での国内企業や伝統産業との連携と専門サービスを強化します。
また、将来のIR(統合型リゾート)開発においても革新的な価値の提供を目指すとともに、海外市場に向けて日本が誇るサービス・文化・商品・ホスピタリティの輸出を目指した海外展開も予定しています。
今後より多くの地域や分野での国内企業や伝統産業との連携、専門サービスの強化を目指してGOYOHはアスタリスクのスピン・オフ・ベンチャーとしての展開を予定しております。
【文化的な持続可能性の追求 – Sustainability】
GOYOHの取り組みは、日本が数百年、数千年、数万年の月日をかけて受け継いで来た文化・伝統・モノ・思想・価値観・資源・自然を、次世代へ持続可能な形で受け渡す事を事業使命としています。
グローバル化により、これらの日本の伝統分野や資源に対する持続性は大きく環境が変化しており、根本的な変革が求められています。この重要な過渡期において、GOYOHは新たな社会的ソリューションとしての機能を担います。
GOYOHでは、GOYOHアンバサダーなどの各地域・産業・文化の第一人者と連携し、その活動による収益の一部を各地域・産業・文化に還元するとともに、GOYOHアンバサダーの活動も経済的に支援することにより、伝統文化・産業・社会における独自のサステナビリティ・プログラムとして取り組みます。
GOYOHのサステナビリティにおけるゴールは、日本の伝統文化・産業を、グローバルに、持続可能な、次世代のモデルとしてサポート・促進することにあります。
■GOYOH概要 : https://www.goyoh.jp/
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宅地建物取引業 東京都知事(3)第89094号
※当記事及び上記のセミナーは情報提供を目的としたものであり、法的拘束力はありません。アスタリスクは、当記事及び上記のセミナーの内容に関する正確性および完全性を保証せず、その内容を随時変更することがあります。当記事及び上記のセミナーは金融商品の勧誘を意図したものでなく、市場に関しての情報提供を目的としたものです。
日本の機関投資家からのグローバルな不動産投資への需要が大きく成長するなか、世界経済の牽引役である米国市場への注目と投資資金が集まるとともに、他の先進国に先駆けて好況を享受した経済・不動産市場の動向については注目が集まっています。
弊社がコンサルタントを務めます不動産運用会社のベントール・ケネディ社は、北米を代表するESG不動産投資分野のリーダーとして、様々な市場に関するレポートやESGに対する取り組みを公表しております。本メールにて、 2018年米国不動産市場の見通しについてのレポート日本語版をご案内させていただきます。
2018年 米国不動産市場の見通し / Bentall Kennedy – Perspective 2018 US (当レポートは以下のリンクよりダウンロードいただけます。)
https://japanplacementagent.com/wp-content/uploads/2018/03/BentallKennedy_Perspective2018-US.pdf
【抜粋・要約】
米国経済:進む拡大化
米国では、ほとんどの指標が経済拡大の継続を示唆しています。雇用創出は、失業率が約4.0%にまで下がったことで若干減速しているものの、健全な状態です。売り手市場の労働市場や、記録的水準にある株価および住宅評価額がもたらす資産効果により、米国の消費者たちが今後とも消費を続け経済活動を牽引してゆく環境が維持されるものと思われます。好況により人々の移動が促進されるだろうと思われますが、興味深いことに、米国では移動人口の割合は年々低下しています。この傾向を促進する要因は、数多くあります。しかし当社では、雇用主は仕事がある場所に人材を移動させるのではなく、優れた人々が住む場所として選んだ、住居、仕事、遊びが一体化された活気のあるノードとなるロケーションで人材を探す必要があり、この逆ではないという考え方をしており、この傾向は、その考え方をさらに裏付けるものであるとも捉えています。米国には、成長を維持するうえでの好条件が揃っています。しかし同時に、新しい税務政策(短期的には良いが、長期的には悪い結果をもたらす可能性がある)、ヘルスケア関連の法律、貿易協定の再交渉などがもたらす結果をうまく舵取りしてゆかねばなりません。向こう一年、米国は驚きに事欠かないでしょう。
資本市場:リターンは高くないものの、投資家の関心は高水準を維持
四半期の売上高の傾向に関する短期的展望は近年の高水準を下回るものの、過去1年間の活動は、過去の動向と比較して堅調に推移しました。最近そして予測されるトータルリターンは、明らかに低下しています。しかし、海外および国内の投資家たちはいずれも、他のアセットクラスに比べて利回りが良いということで米国の商業不動産を投資対象としています。産業用施設セクターは群を抜いて最高のパフォーマンスを示しているため、当然ながら、このセクターに対する投資家たちの期待感は引き続き高いものとなっています。貸し手は融資基準を若干厳格化しながらも、引き続き高質の貸付機会を狙っています。現サイクルおける商業不動産のピークは過ぎたかもしれませんが、リスク調整がなされた魅力的なリターンを実現できる機会は残っています。特に金利がゆっくり上昇しキャップレートが横這いとなる環境の中でパフォーマンスを上げるには、アセットの選定と管理に鋭意注力してゆくことが非常に重要になります。
賃貸住宅:新たな供給による動向
多くの新規建設が完了したことで賃貸住宅の空室率が若干上昇し、有効賃料の上昇ペースは鈍化しています。しかし、より深刻な供給過多が明らかになっているロケーションも見られます。仕事があるだけでなく、若干とは言え賃金が上昇し、今後さらに上昇する可能性があるという状況のアメリカ人が増加している中で、賃貸住宅需要は引き続き高水準を維持しています。この状況は、2018年も続くものと見られます。融資基準が厳しくなると共に建設コストが上昇している中でデベロッパーの意欲が低下していることから、現サイクルにおける供給は、ほぼピークに達したのではないかと思われます。都市中心部における買収価格が高くなっているため、より魅力的なリターンを実現する機会は、むしろ都市中心部と同じようなアメニティを提供する周辺の近郊にある可能性があります。
オフィス:ファンダメンタルズは安定しているが、供給過多のロケーションもある
多くのロケーションでは、労働面での制約やスペース使用に見られるトレンドにより需要の伸びが抑制されているものの、オフィスのファンダメンタルズは安定しています。昨年の空室状況には、ほどんど変化が見られませんでした。シアトルやオースティンなど一部の二次テクノロジー市場や、シャーロットやタンパなど回復が遅れたサンベルトの主要都市に牽引され、賃料はインフレ率をやや先行する形で上昇しています。今後の四半期では、建設が全米の賃料上昇を圧迫することになるでしょう。高価格と、場所によっては大量の新規供給が、都市中心部における不動産投資のアップサイドを制限しています。
メディカル・オフィス:健全なバイタルサインと良好な見通し
メディカル・オフィスのファンダメンタルズは、人口動態および業界特有の様々なトレンドが需要の上昇を促進する中、堅調でさらに改善されつつあります。これらの建物は需要の増加に対応できない状態であるため、施設構外への不動産投資が新たな機会となっています。しかし、将来的に新しい税法が保険加入者数に影響を与える可能性があるため、政策関連リスクを考慮する必要があります。
小売り店舗・施設:構造的シフトがセクター全体に及ぼす「揺れ」が続く
過去のサイクルにおける同じ時点と比較すると、小売り店舗・施設セクターの空室レベルは高く、近い将来さらに上昇することが見込まれます。しかし、最高のロケーションでは需要が徐々に高まっています。開発は限られており、多くの市場におけるプロジェクトは従来型のフォーマットやテナントの顔ぶれに基づくものではなく、むしろ独特の体験志向型オファーへとシフトしています。このセクターにおける賃料は上昇していますが、成功している小売センターと苦戦しているセンターの間に見られる差は歴然としています。オンライン小売業者が実店舗の需要を大きく牽引するまでには至っていませんが、近年、これら小売業者が物理的スペースへと進出していることは、長期的に小売り施設が必要であることを裏付けるものと言えるでしょう。
産業用施設:近隣にやって来る?
産業用施設セクターの空室レベルは30四半期連続で横這いまたは低下傾向にあり、他の主要不動産セクターを上回るパフォーマンスを示しています。従来型の需要牽引力と電子商取引サプライチェーンへの投資を強化することで、実実質賃貸契約増加面積は引き続き堅調に推移しています。供給はスペースに対するテナントの欲求を圧倒するようなものではなく、むしろそれを加速させており、現サイクルのどの時点よりも需要とよく一致したものとなっています。賃料の上昇ペースは現サイクルですでに最も強力な水準に達しており、この時点から先は低下する可能性があります。テナントは明らかに顧客により近いロケーションに関心を示していますが、空室率が限られているため、いわゆる「最後の1マイル」の傾向を阻む問題を生んでいます。
上記の各セクターについての詳細な見通しやデータは、日本語レポート本文をご照覧ください。
当レポートは以下のリンクよりダウンロードいただけます。
2018年 米国不動産市場の見通し / Bentall Kennedy – Perspective 2018 US (以下のリンクよりダウンロードいただけます。)
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当レポートおよび米国での不動産投資・開発・市場情報については弊社(アスタリスク)までお問い合わせください。
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関連レポート
ESG不動産投資 北米の事例と最前線 (当レポートは以下のリンクよりダウンロードいただけます。)
https://japanplacementagent.com/wp-content/uploads/2018/01/ESG-Real-Estate-Casestudy_North-America_Asterisk_2018-January.pdf
*月刊プロパティマネジメント誌の2017年12月号にてベントール・ケネディ社の「ESG不動産投資」について、2018年3月号にて「都市化 = Urbanization」をテーマとした不動産投資についての取り組みに関する記事が掲載されております。
ESG不動産投資においてアセットマネジメントや物件運営レベルでのESG導入においては、事例が不足しているのが現状です。
弊社がコンサルタントを努めます北米の大手不動産運用会社ベントール・ケネディはESG不動産分野でのグローバル・リーダーとして様々な取り組みを行なっております。その中からESG不動産運用におけるテナント参加型の取り組みの事例をご紹介します。
ESGはテナントの参加が不可欠
不動産投資における従来のESGでは、その大部分はビルオーナーの管理上の省エネ設計といった分野が主なものとなっており、ビルオーナー主導のE(Enviroment = 環境)中心と言えます。
しかしながらESGにおいて、Eだけでなく、特にS(Social = 社会)やG(Governance = ガバナンス)といった要素はビルオーナー単独での効果や目標の達成は難しく限られたものとなってしまい、テナントや周辺コミュニティとの一致した意識と取り組みが必要となります。
このような取り組みを不動産アセットマネジメントに導入することにより、長期的なオーナー・テナント・コミュニティの共通した不動産や経済的な側面においての付加・根本価値となります。
テナント参加型ESGプログラム
ベントール・ケネディ社ではテナントや周辺コミュニティとの一致した意識とESG およびサステナビイリティに対する取り組みとして、運用する全商業不動産物件のテナントに対して、テナント参加型のESGプログラム「ForeverGreen」を提供しています。
「ForeverGreen」は以下の4つの目標項目に基づいて構成されています。
上記の4項目での目標に対してテナント(企業とその従業員)が参加し改善・向上させることを促しサポートします。
例えば、上記4の健康な職場環境には、テナント企業の従業員に向けた自転車通勤の推奨なども含まれます。
テナントのESG意識を促す3段階のアプローチ
「ForeverGreen」は、テナントの目標や意識、取り組みの度合いによって以下の3段階に分けたサステナビリティの実現に対するプログラム構成になっています。
Level 1(初心者向け)- サステナブルな取り組みに対する啓蒙や情報提供(ニュースレターなど)
Level 2(中級者向け)- ビルのサステナブル・パフォーマンス実績の提供、チームパックの提供、詳細チェック・リストの実施、ビル毎のグリーン委員会への参加、ForeverGreen活動への参加、およびLevel 1の内容
Level 3(上級者向け)- 長期目標の設定、データのレビュー、週毎のアクション策定、およびLevel 1とLevel 2の内容
テナントからの逆提案も
欧米のESG意識の高いグローバル企業や従業員を雇用する企業では、一定のテナント参加型のESGプログラムを想定し、それらを備えたビルに入居する指針を定める企業も多く、入居するビルの選定にも影響を及ぼします。ゆえにテナント参加型のESGプログラムは、不動産に長期の安定性と収益をもたらすグローバル企業を惹きつける要素ともなります。先進的な取り組みを行う企業(テナント)は、ビルオーナーに対してのESGやサステナビリティの改善提案を行うケースもあります。
アセットマネジメントの側面からの価値
テナント参加型のESGプログラムを実施する事により、テナントや周辺コミュニティとの一致した意識と取り組見を通じた、より効果的なESG(環境・社会・ガバナンス)が達成できるとともに、アセットマネジメントのレベルでも以下の事が期待出来ます。
・リスクの削減 、、、環境適応型ビルとして、緊急時の再利用エネルギー確保など
・収益(NOI)の向上 、、、エネルギーコストの削減、ESG意識の高いテナントからの高い賃料での需要
・テナントの定着 、、、テナントが物件や環境改善に参加することによる、テナントの参加意識の上昇と物件に対する定着率の増加
上記の要素は不動産を長期的に安定して運用するうえで必要不可欠な要素といえ、アセットマネジメントの側面でも付加価値となります。
結果としてESG意識の高いテナントが集まり、長期でより高い収益
また結果として上記にあるように、このようなESG意識の高いテナントは、従業員自体が高いサステナビリティ意識をもっている革新産業やテクノロジー産業の企業も多く、これからの経済成長やビジネス革新をささえるグループでもあります。
また、世界的なトレンドとなっている都市化の中心となるグループでもあり、長期的なマクロ・トレンドである『都市化 = Urbanization』にも適した不動産運用の方向性であり戦略と言えます。
「ForeverGreen」プログラムについての詳細、当レポートおよび米国での不動産投資・開発・市場情報については弊社(アスタリスク)までお問い合わせください。
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関連レポート
ESG不動産投資 北米の事例と最前線 (当レポートは以下のリンクよりダウンロードいただけます。)https://japanplacementagent.com/wp-content/uploads/2018/01/ESG-Real-Estate-Casestudy_North-America_Asterisk_2018-January.pdf
*月刊プロパティマネジメント誌の2017年12月号にてベントール・ケネディ社の「ESG不動産投資」について、今月末発刊の2018年3月号にて「都市化 = Urbanization」をテーマとした不動産投資についての取り組みに関する記事が掲載されております。
■ アスタリスクについて
弊社(アスタリスク)はグローバルな機関投資家向けにグローバル市場での不動産、インフラストラクチャー、関連PE投資の市場情報の提供・ご案内をしております。弊社ウェブサイトでは、不動産、インフラストラクチャー、PEを中心とした海外のオルタナティブ投資情報に関して情報発信を行っております。
ウェブサイト : https://japanplacementagent.com/
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※当記事及び上記のセミナーは情報提供を目的としたものであり、法的拘束力はありません。アスタリスクは、当記事及び上記のセミナーの内容に関する正確性および完全性を保証せず、その内容を随時変更することがあります。当記事及び上記のセミナーは金融商品の勧誘を意図したものでなく、市場に関しての情報提供を目的としたものです。
ESGは不動産において核心的要素となりつつあり、国内機関投資家のグローバル化する不動産投資においても最重要要素の一つとなっています。日本でも個々の物件レベルでのESG導入事例はありますが、投資家にとっての資産運用的観点からのESG事例は乏しい状況です。
当ニュースレターではESG不動産運用におけるグローバルリーダー達の取り組みや事例、ニュースをご紹介いたします。
パリ協定 – 国連環境計画・金融イニシアティブ
今回は、ESG不動産およびResponsible Property Investment(責任ある不動産投資)などのキートピックと、関連する国際的な取り組みについてご案内します。
パリ協定と不動産セクター(Paris Agreement and Real Estate Sector)
2015年12月12日に採択されたパリ協定によって、各国政府が世界レベルでの温室効果ガスの排出削減と吸収の対策を行う事となりましたが、不動産セクターは最大の地球温暖化ガス排出セクターの1つです。地球全体の地球温暖化ガス排出量の約1/3はビルや建物からの発生によるものであり、またこれらの不動産は地球全体で消費されるエネルギーの40%を消費しています。パリ協定で定められた目標では、不動産セクターからの二酸化炭素排出量をを2050年までに今日のレベルから77%削減する事となっており、不動産投資・運用におけるESGの意義と効果は世界的に推進される事項となっています。
国連環境計画・金融イニシアティブについて(UNEP FI)
国連環境計画(UNEP)は、1972年ストックホルム国連人間環境会議で採択された「人間環境宣言」および「環境国際行動計画」の実行機関として同年の国連総会決議に基づき設立された国連の補助機関です。UNEP FIはUNEPとおよそ200以上*の世界各地の銀行・保険・証券会社等と広範で緊密なパートナーシップです。1992年の設立以来、金融機関、政策者、規制当局と協調し、経済的発展とESG(環境・社会・ガバナンス)への配慮を統合した金融システムへの転換を進めています。
UNEP FI署名機関には、業務に直結する専門的な調査、環境に配慮したビジネスモデルの提案、情報交換などを提供しています。また、専門家研修プログラムの運営、環境配慮行動を指向するためのレポート発表、世界中の専門家を一堂に集めた国際会議の開催などを主な活動としており、国連環境計画・金融イニシアティブにおける不動産投資における取り組みは、不動産作業部会=Property Working Group (PWG)により執り行われています
責任ある不動産投資 (Responsible Property Investment)
PWGの取り組みの核として、責任ある不動産投資 = RPI(Responsible Property Investment)が挙げられます。PWGでは、関連情報や成功事例の利用を促進し、不動産投資家や専門家がESG基準に組織的に適合し投資や融資決済に取込まれるような必須ツールを共同開発することで、責任ある不動産投資 (RPI)の革新を促進しています。具体的には以下の取り組みを通じて、RPIの各政府・企業や投資家レベルでの導入を促進しています。
・ 環境や社会的に有害なインパクトを削減しつつ、ビルのライフサイクルを通じてどのようにパフォーマンスの維持向上を図るかを示すべく実績の収集と提供
・ RPIの実践を推進すべく、適切な施策や規制の枠組みの立案や制定において、政策立案者や不動産投資グループと協業
PWGメンバー企業
PWG(不動産作業部会)メンバーには以下のグローバル企業が参加しており、日本からも三菱UFJ信託銀行、野村不動産投資顧問、三井住友信託銀行が参加しています。
・ Allianz Real Estate (Allianz SE), Germany
・ Aviva Investors (Aviva plc), UK
・ Axa Real Estate Managers (Axa Group Management Services), France
・ Bentall Kennedy, USA & Canada
・ BNP Paribas Real Estate Investment Services (BNP Paribas Fortis), France
・ British Columbia Investment Management
・ Caisse des Depots et Consignations, France
・ City Development Limited, Singapore
・ Citibank, USA
・ Colonial First State Global Asset Management (Commonwealth Bank of Australia), Australia
・ Deutsche Bank, Germany & USA
・ F&C REIT Asset Management, UK
・ Hermes Investment Management, UK
・ Inflection Point Capital Management (UK) Co., Ltd
・ Infrastructure Leasing & Financial Services, India
・ La Francaise Group, France
・ Le Groupe QUARTUS, France
・ Lend Lease, Australia
・ M&G Real Estate, UK
・ 三菱UFJ信託銀行, Japan
・ 野村不動産投資顧問, Japan
・ RobecoSAM, Switzerland
・ The Link REIT, Hong Kong
・ 三井住友信託銀行, Japan
・ Thomas Lloyd, UK
・ Trillium Asset Management, UK & USA
・ UBS Global Real Estate (UBS AG), Switzerland
PWG議長
・ Tatiana Bosteels, Director RPI & Sustainability, Hermes Investment Management (2014-2018)
・ Anna Murray, Vice President, Sustainability, Bentall Kennedy (2018-2020)
*UNEP FI 参照
以上の取り組みや枠組みが今後のグローバルな不動産投資運用へのESG導入において、日本の機関投資家の指針および参考となると言えます。弊社ESG不動産ニュースレターでは今後、上記のESGおよびRPI分野のグローバルリーダー達の取り組みや具体的な事例を中心にご紹介いたします。
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UNEP FI ・PWG(国連環境計画金融イニティアティブ・プロパティ作業部会)の共同議長にベントール・ケネディ社アンナ・マレー氏を任命
グローバルな商業不動産におけるサステナビリティを推進へ
カナダ|トロント (2018年1月29) ベントールケネディ社サステナビリティ部門ヴァイスプレジデントのアンナ・マレー氏が、国連環境計画・金融イニシアティブ(以下、「UNEP FI」) 投資委員会に選出されました。同氏はベントールケネディ社の代表として、不動産投資・プロパティマネジメント分野でのサステナビリティ採択を推進させるグローバル規模の任務にあたるべく、UNEP FIプロパティ作業部会の共同議長を務めることとなりました。UNEP FIは、1992年に開催された地球サミット後に設立され、銀行・保険・機関投資家といった200を超える世界の金融機関とのパートナーシップから構成されています。
同氏は投資委員会メンバーの一員として、投資業界におけるUNEP FIサステナビリティ戦略の推進や進捗管理を行い、主要なグローバル投資家達と連携し、差し迫るサステナビリティ問題の解決に取り組むこととなります。
アンナ・マレー氏は「地球温暖化ガス排出量の約1/3はビルや建物からの発生によるものであり、これらの不動産は地球全体で消費されるエネルギーの40%を消費しています。不動産業界全体の環境フットプリントを削減する上で又とない機会であり、ベントールケネディ社の代表として、長期的価値や競争力のある商業不動産の創造を高めるサステナビリティ・気候変動防止活動・環境問題への対応において、世界的動向をリードする一助となれることは喜ばしいことです」としています。
UNEP FIは、金融専門家・監督者・規制方針に携わる政策立案者らによる国家レベルの対話に加え、金融セクターが地球温暖化交渉プロセスにおいて、国際レベルで関与できるよう推進するといった点も重視しています。
UNEP FIのエリック・アッシャー氏は「ビルや建物の分野だけを取っても、パリ協定の会議では、エネルギー効率改善において、2020年までに毎年およそ3,000億米ドル規模のファイナンスが必要となる、UNEP FIプロパティ作業部会では、サステナブルな不動産投資分野の最も差し迫った課題に対処し解決しようと努力しています。また、ベントール・ケネディは長年に渡り、私たちの構想において、そのイノベーションの過程を導いてもらいました。私たちはアンナ・マレーが当委員会の一員となってくれたことを歓迎し、北米におけるサステナブル(持続可能)な不動産投資を発展させてくれると期待している」としています。
関連レポート
ESG不動産投資 北米の事例と最前線 (当レポートは以下のリンクよりダウンロードいただけます。)https://japanplacementagent.com/wp-content/uploads/2018/01/ESG-Real-Estate-Casestudy_North-America_Asterisk_2018-January.pdf
*月刊プロパティマネジメント誌の2017年12月号にて、ベントール・ケネディ社のESG不動産投資について取り組みに関する記事が掲載されております。
■ アスタリスクについて
弊社(アスタリスク)はグローバルな機関投資家向けにグローバル市場での不動産、インフラストラクチャー、関連PE投資の市場情報の提供・ご案内をしております。弊社ウェブサイトでは、不動産、インフラストラクチャー、PEを中心とした海外のオルタナティブ投資情報に関して情報発信を行っております。
ウェブサイト : https://japanplacementagent.com/
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東京都千代田区紀尾井町3-29 グリュックハイム2003
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※当記事及び上記のセミナーは情報提供を目的としたものであり、法的拘束力はありません。アスタリスクは、当記事及び上記のセミナーの内容に関する正確性および完全性を保証せず、その内容を随時変更することがあります。当記事及び上記のセミナーは金融商品の勧誘を意図したものでなく、市場に関しての情報提供を目的としたものです。
– ESG不動産投資 北米の事例と最前線 (当レポートは以下のリンクよりダウンロードいただけます。)
https://japanplacementagent.com/wp-content/uploads/2018/01/ESG-Real-Estate-Casestudy_North-America_Asterisk_2018-January.pdf
日本の機関投資家からのグローバルな不動産投資への需要が大きく成長するなか、重要なテーマとしてESGが挙げられます。まだ日本国内の不動産市場ではESGの導入が進んでいるとはいえませんが、海外の先進国の不動産市場では機関投資家にとって非常に重要なテーマとなっています。
また昨今、国内の大手機関投資家や公的年金がオルタナティブ投資においてもESGを重視する姿勢を表明したことにより、国内でも改めて不動産投資の分野においても重要性が認識されはじめています。
海外でのESG不動産投資には様々な事例があり、単純にエネルギー効率の改良や温室効果ガス排出量の削減などに限りません。先進的で優れたアセットマネジメントにおけるESG不動産運用は、都市化、人口動態の変化、気候変動、テクノロジー、労働形態などといったグローバルな環境の変化やトレンドに適応しながら長期リターンを増やす手法となります。この点は、まさに現在の市場サイクルにおいてグローバルな不動産投資を進める日本の機関投資家にとっては欠かすことのできない要素と言えます。
米国ベントール・ケネディ社はESG不動産投資の世界的なリーダーとして、北米にて様々なESG不動産投資や開発を行っています。本メールにて、その取り組みについての弊社日本語レポートをご案内させていただきます。
目次
【抜粋】
4. グローバルなメガ・トレンド『都市化』が生み出す 『持続可能アーバン・コミュニティ』
若い世代からの需要は新しいものへと成長し続けており、最も今後の成長と需要が集まる場所は、ミレニアル世代やイノベーション産業が集まり、地域の再活性化計画などにより『住む』『働く』『遊ぶ』といった要素が創られる地域と考えられます。
あらゆる兆候が、このような『持続可能アーバン・コミュニティ』の成長を示しています。TAMI (T=テクノロジー、A=アドバータイジング、M=メディア、I=イノベーション)といった産業はこのような地域により集中し続けており、経済とオフィス需要を増加させています。都市中心部での雇用が増加するにつれ、若年層それらの都市により長く生活し、より長く家を賃貸します。ミレニアル世代は労働力としてまだ完全に登場しておらず、さらに次の世代も大きな労働者グループとなり、継続的な需要が続きます。またベビー・ブーマー世代も彼らの親の世代よりも多くが働く環境を備えた近代的な地域へ戻ってくると見られます。
これらの需要の応える近代的な住居の建設は近年増加していますが、需要を満たし切れておらず、空室率は歴史的にも最低水準です。金融機関の新規開発へのローン規模縮小が続けば、ほとんどの人気エリアでは需要が供給を大きく上回ると予想されます。
全体的に商業施設や店舗などの不動産セクターは消費者直結型の産業(DTC)にシェアを奪われ苦境が続いていますが、一方、『持続可能アーバン・コミュニティ』におけるレストランやバーや店舗などは非常に有望です。デベロッパーは老朽化した工場などを住居とオフィスを備えた近代的なビルへ転換することにより、より高い賃料と稼働率を享受できます。
これらの全ての要素が、不動産投資家にとって『持続可能性を追求した投資』による大きな経済的リターンを得る機会となります。『アーバン・ネイバーフッドでの商業・住宅不動産の取得または開発』、『テナントの求める持続可能性とウェルネスの付加』という二つの要素に沿った戦略をとることで、長期的に市場をアウトパフォームする一助になると思われます。
企業におけるオフィス立地の選定戦略は、優れた人材の確保と定着が基となります。過去数年に渡り、多くのイノベーション分野の企業は大学を卒業した若い世代が集まる場所へと機能を移転しています。これらの場所には、都会的、公共交通の利便性があり時として大学に近い、周辺に住居・オフィス・リテールといった機能が複合され存在している、といった共通の特徴が見られます。こういった住環境では。住人は車を所有する必要がなく、徒歩や自転車や公共交通によって移動ができます。またこのアーバン・タイプの住人は利便性の高く全ての要素が備わる地域を好みながらも、環境に責任を持ったライフスタイルについても高い関心を持っています。この事は住宅やその建物に対しても同様であり、賃貸アパートを選ぶ時に、アーバン・タイプの賃借人は建物がLEED認証を取得しているという事実について関心を持ちます、(そしてそれ以上に)室内バイク置場やフィットネス施設、ルーフトップ・ガーデンといった健康的要素と持続可能性を高める設備を好みます。
オフィスの場合は、こういったアーバン・タイプの労働者は、職場が環境性の認証がなされていないというだけで就職の辞退をするという事もあり得ます。そして多くが自然光が豊かに取り入れられ、眺めが良く、利便性を高める多くの職場環境が備わっているオフィスを好みます。『アーバン・ネイバーフッド』の住居テナントもオフィスワーカーも環境的ビルの特徴に魅力を感じます。不動産投資家やオーナー、企業はこの点をそれぞれの立場における戦略に織り込み、結果として環境性能認証を取得したビルを選好します。この事からも、LEEDやENERGY STAR、BOMA Bestといった 環境性能認証を投資リターンの面において最も享受できる不動産は、『持続可能なアーバン・ネイバーフッド』における不動産と考えています。 (抜粋おわり)
当レポートは以下のリンクよりダウンロードいただけます。
– ESG不動産投資 北米の事例と最前線 (以下リンクよりダウンロードいただけます)
https://japanplacementagent.com/wp-content/uploads/2018/01/ESG-Real-Estate-Casestudy_North-America_Asterisk_2018-January.pdf
*月刊プロパティマネジメント誌の2017年12月号にて、ベントール・ケネディ社のESG不動産投資について取り組みに関する記事が掲載されております。
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※当記事及び上記のセミナーは情報提供を目的としたものであり、法的拘束力はありません。アスタリスクは、当記事及び上記のセミナーの内容に関する正確性および完全性を保証せず、その内容を随時変更することがあります。当記事及び上記のセミナーは金融商品の勧誘を意図したものでなく、市場に関しての情報提供を目的としたものです。
国内機関投資家を対象とした、米国不動産投資(およびファンド)に関連した税務・市場についてのセミナーを開催いたします。
日本の機関投資家にとって海外不動産投資への需要が大きく成長する中、多くの機関投資家が北米(主に米国)を最初の海外不動産の投資先地域として選んでいます。
米国の不動産投資を検討する上で、日本の投資家にとって税制は非常に重要なポイントとなります。FIRPTAに代表される様々な税制が適用され、また機関投資家の属性によって適用範囲も異なり、さらに今年9月に発表されたの共和党の税制改革案に見られる様に税制自体の変更もあります。
当セミナーでは、 年金基金やSWFやその他の機関投資家による米国の不動産やインフラへの投資に大きな影響を及ぼす昨今のFIRPTA改革や、FIRPTAに関連した海外公的年金や海外機関投資家の米国不動産投資についての最新動向、米国不動産ファンド投資についての税務ストラクチャリング、米国の機関投資家向け不動産市場動向、昨今のグローバル不動産投資において不可欠なコンセプトであるESG不動産投資の実例について、市場をリードする国際的な会計事務所、不動産投資会社が解説いたします。
日時: 2017年11月17(金) 14:30 – 17:00(開場:14:00)
会場: PwC税理士法人 東京事務所(霞ヶ関)セミナールーム
東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビル 14F
定員: 約60名
※定員になり次第、締め切りとなります。席に限りがありますので、お早めにお申し 込みください。
参加費: 無料
対象者: 適格機関投資家(金融法人、年金基金、資産運用会社、REIT運用会社など)、不動産デベロッパー、ゼネコンなど
言語: 英語および日本語(通訳あり)
お申込方法:セミナーにご参加いただけます人数には限りがございますので、ご参加またはセミナーについての詳細を希望される場合は
弊社まで『セミナー参加希望』との旨をメールいただければと存じます。
*既にご連絡をいただいております皆様は、再度のご連絡は不要です。
お問い合わせ : info@asteriskrealty.jp
プログラム(予定)
開場 14:00 |
開場 |
不動産投資市場の動向およびESG不動産投資 14:30 – 15:20 |
「米国の不動産投資市場の最新動向、およびESG不動産投資の事例について」(予定)
ダグラス・キニ― (Bentall Kennedy) |
休憩 15:20 – 15:30 |
休憩 |
税制と税務ストラクチャリング 15:30 – 16:45 |
「日本の公的年金や機関投資家による米国の不動産投資に関する税制(FIRPTAなど)と税務ストラクチャリング」(予定)
オリバー・ライケル (PwC米国) |
質疑応答 16:45 – 17:00 |
質疑応答 |
※当セミナーは、一般的な情報提供及び解説を目的としたものであり、特定の商品の勧誘および募集を意図したものではなく、
また投資助言や特定の投資戦略や金融商品・証券の販売や勧誘および推奨をするものではありません。
講演者プロフィール
オリバー・ライケル
PwC米国 / パートナー |
ニューヨークを拠点に、海外からの不動産、インフラストラクチャー、PEの分野での米国投資に関する税務を担当。海外の政府系投資会社(SWF)や公的年金の米国投資における税務に関するアドバイスを行う。ドイツ、UAEなどでの勤務を含む18年以上の経験を持つ。不動産とPEの分野では、米国と海外の両方の投資ファンド等に対する米国税務及び国際税務に対する助言を統括。米国不動産における海外外投資家への税務分野(FIRPTA、源泉税など)を専門とする。特に、海外政府や国際機関の米国不動産投資の分野において高い専門性を持つ。PwCのグローバル不動産およぶグローバルSWFネットワークをはじめ、全米不動産投資信託協会(NAREIT)、米国不動産外国人投資家協会(AFIRE)といった団体のメンバーを務める。 |
ダグラス・キニ―
Bentall Kennedy / エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント |
Bentall Kennedy(ベントール・ケネディー社) のエグゼクティブ・ヴァイス・プレジデントとして、北米投資プラットフォームのクライアントリレーションおよび商品開発を統括。IRチームリーダー。2016年ベントール・ケネディー入社。IRおよび商品開発チームと共に、顧客基盤の拡大と多角化をはじめ、米国コア不動産を対象としたクローズエンド・バリューアッド型戦略の導入を含む新規商品開発に従事。また、欧州アジア地域での事業を増強し、同社のグローバル展開への移行に貢献。同社グループならびに米国経営委員会メンバー。不動産管理、クライアントリレーションズ、商品開発、キャピタル・アドバイザリー分野において30年以上の業務経験を有し、90を超える不動産・エネルギー・インフラストラクチャー案件にて数百を超えるグローバル機関投資家との業務に携わる。シカゴのHeitman/JMB Realty Corpでキャリアを始め、クレディ・スイス不動産プライベートファンドグループの創設メンバーの一人としても活躍。Greenhill & Co.においてマネージング・ディレクターを務め、直近ではThe Carlyle Groupにおいてマネージング・ディレクターとしてグローバル不動産キャピタル組成を担当。テネシー大学で文学士号を取得。 |
■ Bentall Kennedyについて
ベントール・ケネディは、グローバルな大手不動産投資顧問ならびに北米屈指の不動産サービスプロバイダーです。550を超える機関投資家に対し、カナダや米国主要市場12拠点、1,000名以上の従業員がオフィス、リテール、産業、複合住居不動産案件においてそれぞれの現地に根差した 専門知識を有し、あらゆる投資分野でのアドバイザリーサービスを提供できることを強みとしています。また当社は、国連責任投資原則に署名しており、グローバル・リアルエステイト・サステナビリーティー・ベンチマーク設立当初から6年連続で、責任不動産投資のグローバルリーダーとして認められています。
【個人情報のお取扱いについて】
ご登録いただきました個人情報(氏名、会社名、ご連絡先)は、当セミナーの運営管理の目的にのみ利用させていただき、必要なセキュリティ対策を講じ厳重に管理致します。
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※当記事及び上記のセミナーは情報提供を目的としたものであり、法的拘束力はありません。アスタリスクは、当記事及び上記のセミナーの内容に関する正確性および完全性を保証せず、その内容を随時変更することがあります。当記事及び上記のセミナーは金融商品の勧誘を意図したものでなく、市場に関しての情報提供を目的としたものです。
国内の年金基金、金融機関、不動産会社、REIT運用会社などの機関投資家を対象とした、グローバルな不動産投資(コア投資、ファンドおよび直接投資)に関連した税務・市場についてのセミナーを開催いたします。
コア不動産をはじめとした海外不動産への国内機関投資家からの投資が加速しています。
不動産は長期の負債マッチングや着実なインカムを求める投資家にとって非常に有用なアセットクラスであるとともに、需給などにともなった市場サイクル性を持った資産でもあり、ある程度の将来予測のできるアセットクラスでもあります。
新規に不動産投資を行う上で、その市場(国や地域や産業セクター)のサイクルのどこに現状があるのか?また今後の見通しは? といった事を踏まえる事により、長期運用において最良の船出をする事ができます。 しかしその逆となると、如何に長期投資といえどもスタート直後から試練を迎える事ともなり得ます。
当セミナーでは、グローバルなコア不動産投資の主要市場の最新動向、投資についての税務に関するストラクチャリング、関連するマクロ要因など、市場をリードする国際的な税務事務所と不動産投資会社が解説いたします。
日時: 2017年6月27(火) 13:30 pm – 17:00 pm (開場:13:00 pm)
会場: EY税理士法人 東京セミナールーム 32階
東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビル 32階
https://www.eytax.jp/about-us/our-profile/images/eytax_access_mapJ.gif
定員: 約60名
※定員になり次第、締め切りとなります。席に限りがあります。お早めにお申し込みください。
参加費:無料
対象者:年金基金、機関投資家、上場REITおよび私募REIT運用会社、不動産デベロッパー、金融機関、資産運用会社、
シンクタンクなど
言語: 英語および日本語(通訳あり)
お申込方法:セミナーにご参加いただけます人数には限りがございますので、ご参加またはセミナーについての詳細を希望される場合は弊社まで『セミナー参加希望』との旨をメールいただければと存じます。*既にご連絡をいただいております皆様は、再度のご連絡は不要です。
お問い合わせ
プログラム(予定)
オーストラリアの 不動産投資市場 13:30 -14:20 (50分間) |
「オーストラリア不動産市場の現状と今後の展望」 スチュアート・ダウズ (Propertylink) |
英国・欧州(EU)の 不動産投資市場 14:20 -15:20 (60分間) |
「英国および欧州(EU)の不動産市場の現状と今後の展望」 ポール・クロスビー (M&G Real Estate) クリストファー・アンドリューズ (M&G Real Estate) |
休憩 15:20 -15:30 (10分間) |
休憩 |
米国の不動産投資市場 15:30 -16:20 (50分間) |
「米国不動産市場の現状と今後の展望」 エイミー・プライス (Bentall Kennedy) |
グローバル不動産投資 における税務 16:20-17:00 (40分間) |
「日本の投資家が知るべき、グローバル不動産投資における税制概要 」 太田 光範 (EY税理士法人) |
※当セミナーは、一般的な情報提供及び解説を目的としたものであり、特定の商品の勧誘および募集を意図したものではなく、また投資助言や特定の投資戦略や金融商品・証券の販売や勧誘および推奨をするものではありません。
講演者プロフィール(プログラム順)
スチュワート・ダウズ (Stuart Dawes)
Propertylink / CEO・最高経営責任者 |
2009年よりPropertylinkの投資責任者、2014年よりCOOを歴任しPropertylink (Holdings) Limited (PHL)の運用資産を$3600万から$18億へ成長させる。現在はPropertylinkのCEOとしPropertylink GroupおよびPHLの投資事業を統括。不動産業界で17年以上の経験を有する。以前はオーストラリアLend LeaseでAustralian Prime Property Fundを担当し、2003年から英国Lend Leaseの投資部門で新規ファンドや投資機会の開発に従事。Barclays Capitalでは、欧州ストラクチャーファイナンス事業において、欧州内のデットおよびエクイティ取引の経験も有する。ウェスタン・シドニー大学で経営学を専攻し、マッコーリー大学でファイナンスの修士号を取得。 |
ポール・クロスビー (Paul Crosbie)
M&G Real Estate / 投資マネージャー |
2015年にM&G Real Estate入社。産業・物流チームのヘッドとして、各セクターに対する戦略立案・実施と取引執行を管掌。当チームにおいて合計運用額23億ポンドにおよぶ様々なファンドが保有する90件の産業不動産管理を担当。M&G入社以前より19年に渡る業界経験を有し、ロックスプリングにおいて9年間、ファンド運用・資産管理業務を行う。それ以前は、CBREにおいて様々なセクターを対象とした投資評価と開発を専門にロンドンやドバイで勤務。ポーツマス大学においてランド・マネジメントの学士(優等)を取得(1997年)。英国王立チャータード・サベイヤーズ協会(Royal Institution of Chartered Surveyors)および、IPF(Investment Property Forum)のメンバー。 |
クリストファー・アンドリューズ (Christopher Andrews)
M&G Real Estate / 機関投資家リレーション統括責任者、取締役会メンバー |
シンガポールを拠点にM&G Real Estateのグローバル企業マーケティング、機関投資家リレーションを統括し、M&G Real Estate取締役会メンバーも務める。 1998年よりファンド運用業務に従事し、Macquarie Groupにおいて不動産部門の責任者、Mercerにおいてオーストラリア・ニュージーランド地域の投資コンサルティングヘッドおよび、国別担当責任者、Citigroup Asset Managementにおいてアジア地域責任者をそれぞれ歴任。その後、MGPAにおいてキャピタルレイジング業務を統括し数多くの功績を挙げ、2013年よりM&G Real Estateにて現職を務める。オックスフォード大学卒業。スイスのIMD(国際経営開発研究所)でMBAを取得、CFA(公認証券アナリスト)。 |
エイミー・プライス (Amy Price)
Bentall Kennedy / プレジデント & 最高投資責任者 |
2012年よりベントール・ケネディー米国において、運用ならび財務実績管理責任者として取引・資産運用・資金調達業務の監視管理を行う。同社最高投資責任者のほか、米国投資委員会ならびに米国運用委員会の議長を務め、ベントール・ケネディーグループ運用委員会にも従事。前職では、米国西部地区のモルガンスタンレーで、マネジングディレクターおよび不動産投資ヘッドを務め、投資委員会メンバーとしてサンフランシスコの不動産投資運用事業を立ち上げる。モルガンスタンレーのニューヨーク・香港オフィスで勤務経験があり、ペンシルベニア大学ウォートン校ビジネススクールでMBAを取得し、コルゲート大学を極めて優秀な成績で卒業。 |
太田 光範 (Mitsunori Ota)
EY税理士法人 (エグゼクティブディレクター) |
1995年太田昭和アーンストアンドヤング株式会社(現、新日本アーンストアンドヤング税理士法人)入社以来、多国籍企業を中心に国際税務コンサルティング業務に20年以上従事。日本企業の海外進出、日本企業による海外企業の買収、地域統括会社の設立、海外事業のリストラクチャリング、資金調達等に関する税務アドバイスを行うほか、製造・販売業をはじめ、不動産・インフラ、金融、商社、エネルギー・資源等、幅広い業種に対対する国際税務アドバイザリー業務にも従事。米国不動産投資等の国際税務アドバイス、日本企業の海外不動産投資、不動産ファンド投資をはじめとするクロスボーダー不動産投資案件や、インフラ投資案件に豊富な経験を有する。2001年から2005年までアーンスト・アンド・ヤング カナダ・トロント事務所で、日本企業のカナダ進出、カナダ企業の日本進出に対する税務アドバイスを提供。 |
■ アスタリスクについて
弊社(アスタリスク)は機関投資家向けにグローバル市場での不動産、インフラストラクチャー、関連PE投資の市場情報の提供・ご案内をしております。
ウェブサイト:https://japanplacementagent.com/
■ EY税理士法人について
EY税理士法人は、長年にわたり培ってきた経験と国際ネットワークを駆使し、常にクライアントのベストパートナーとして、質の高いグローバルなサービスを提供しております。企業のニーズに即応すべく、国際税務、M&Aや組織再編、移転価格に関するサービスをはじめとする税務アドバイザリー・税務コンプライアンスの専門家集団として質の高いサービスを提供しております。
ウェブサイト:https://www.eyjapan.jp/index.html
■ M&G Real Estateについて
M&G Real Estateは英国の大手生命保険会社の不動産運用部門として、150年を越える不動産運用の歴史を持つグローバル不動産運用会社です。1864年に生命保険のための不動産運用を開始して以来、不動産インカムに焦点をあてた長期運用を信条としており、すでに1971年には年金基金のための私募REITに類する不動産運用スキームを創設し、40年以上に渡り外部の年金基金や機関投資家に向けて長期のインカム特化型不動産運用を提供しています。 長期の運用に特化する特徴から、英国ではボラティリティ要因となるレバレッジを全く用いない(0%) 運用も続けています。英国では、英国全土およびロンドンで2番目に大きな不動産所有者でもあり、2013年と2014年の両年においては実に英国全体の不動産取引の5%をM&G real Estateによる売買が記録しています。 現在、欧州・北米・アジア地域の23カ国にて、約4兆円規模の不動産を運用をしています。
ウェブサイト:http://www.mandg.co.uk/institutions/realestate/
■ Bentall Kennedyについて
ベントール・ケネディは、グローバルな大手不動産投資顧問ならびに北米屈指の不動産サービスプロバイダーです。550を超える機関投資家に対し、カナダや米国主要市場12拠点、1,000名以上の従業員がオフィス、リテール、産業、複合住居不動産案件においてそれぞれの現地に根差した 専門知識を有し、あらゆる投資分野でのアドバイザリーサービスを提供できることを強みとしています。また当社は、国連責任投資原則に署名しており、グローバル・リアルエステイト・サステナビリーティー・ベンチマーク設立当初から6年連続で、責任不動産投資のグローバルリーダーとして認められています。
ウェブサイト:http://www.bentallkennedy.com./
■ Propertylinkについて
Propertylinkはオーストラリアの機関投資家向け不動産およびインフラストラクチャー投資市場をリードする投資運用会社として、物流、ビジネスパーク、工業・倉庫、オフィスといったセクターに特化しコア、コア・プラス、バリューアッドといった戦略の運用を行っています。2001年の創業以来、オーストラリアの不動産とインフラストラクチャー投資に特化し、数多くの海外機関投資家からの運用受託およびJV投資を行っており、オーストラリア証券取引所に上場している。現在はシドニー、メルボルン、ブリスベン、パースといった都市を中心に18億ドルの資産を運用。
ウェブサイト:http://propertylink.com.au/
【個人情報のお取扱いについて】
ご登録いただきました個人情報(氏名、会社名、ご連絡先)は、当セミナーの運営管理の目的にのみ利用させていただき、必要なセキュリティ対策を講じ厳重に管理致します。
■ アスタリスクについて
弊社(アスタリスク)はグローバルな機関投資家向けにグローバル市場での不動産、インフラストラクチャー、関連PE投資の市場情報の提供・ご案内をしております。弊社ウェブサイトでは、不動産、インフラストラクチャー、PEを中心とした海外のオルタナティブ投資情報に関して情報発信を行っております。
ウェブサイト: https://japanplacementagent.com/
株式会社アスタリスク
Asterisk Realty & Placement Agency
東京都千代田区紀尾井町3-29 グリュックハイム2003
Tel: 03-3263-9909
Fax: 03-3263-9908
宅地建物取引業 東京都知事(2)第89094号
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2577号
加入協会:一般社団法人第二種金融商品取引業協会
※当記事及び上記のセミナーは情報提供を目的としたものであり、法的拘束力はありません。アスタリスクは、当記事及び上記のセミナーの内容に関する正確性および完全性を保証せず、その内容を随時変更することがあります。当記事及び上記のセミナーは金融商品の勧誘を意図したものでなく、市場に関しての情報提供を目的としたものです。
国内の年金基金、金融機関、不動産会社、REIT運用会社などの機関投資家を対象とした、欧州(EU)および英国の不動産投資(コア投資および直接投資)に関連した税務・法務・市場についてのセミナーを開催いたします。英国および欧州は世界最大の不動産市場であり、世界中の機関投資家にとって分散投資の上で必須の市場となっています。世界中から多様な資金が流入し、高い流動性を備え、また不動産市場が最も発展・整備されている市場でもあります。当セミナーでは、日本の機関投資家の欧州(EU)および英国での不動産投資についての最新動向、税務および法務に関するストラクチャリング、関連する会計基準や米国との違いなど、各国の機関投資家向け不動産市場動向について、市場をリードする国際的な税務・会計事務所と不動産投資会社が解説いたします。
日時: 2017年3月9日(木)13:30 pm – 17:00 pm (開場:13:00 pm)
会場: EY税理士法人 東京セミナールームA
東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビル 33F
(https://www.eytax.jp/about-us/our-profile/images/eytax_access_mapJ.gif )
*セミナルームは33階です
定員: 約50名
※定員になり次第、締め切りとなります。席に限りがありますので、お早めにお申し 込みください。
参加費: 無料
対象者: 年金基金、機関投資家、上場REITおよび私募REIT運用会社、不動産デベロッパー、金融機関、資産運用会社、ゼネコン、シンクタンクなど
言語: 英語および日本語(通訳あり)
お申込方法: セミナーにご参加いただけます人数には限りがございますので、ご参加またはセミナーについての詳細を希望される場合は弊社まで『セミナー参加希望』との旨をメールいただければと存じます。 *既にご連絡をいただいております皆様は、再度のご連絡は不要です。
お問い合わせ : info@asteriskrealty.jp
プログラム(予定)
Brexit 13:30 -13:50 (20分間) |
「Brexitがもたらした経済とビジネスに対する変化、また新たな機会とは」
ヨアヒム・ストッブズ (EY税理士法人) |
英国の不動産投資市場 13:50 -14:30 (40分間) |
「Brexitのコア不動産市場への影響と、新たな投資機会や長期インフレ連動型不動産市場など」
マーティン・タウンズ (M&G Real Estate) |
英国・欧州(EU)への不動産投資にかかる税制 14:30 -15:10 (40分間) |
「税制 : 英国および欧州(EU)の不動産に対するファンド / 直接 / JV投資に関する税制と関連BIS規制など」
マリオン・ケイン (Ernst & Young LLP) 塩谷 克子 (EY税理士法人) |
休憩 15:10 -15:20 (10分間) |
休憩 |
欧州(EU)の不動産投資市場 15:20-16:05 (45分間) |
「欧州(EU)における不動産投資市場の概要、分散投資と国別投資のメリットとデメリット、コア不動産投資市場としての魅力」
クリストファー・アンドリューズ (M&G Real Estate) |
不動産ファンド価格の評価方法 16:05 -16:20 (15分間) |
「英国および欧州(EU)のオープン・エンド型不動産ファンドにおける、留意すべき価格の算出方法と米国ファンドとの相違点」
クリストファー・アンドリューズ (M&G Real Estate) |
英国・欧州(EU)への不動産投資にかかる法務 16:20 -17:00 (40分間) |
「法務 : 英国および欧州(EU)の不動産に対するファンド / 直接 / JV投資に関する法務ストラクチャリング」(予定)
津曲 貴裕 (EY弁護士法人) |
※当セミナーは、一般的な情報提供及び解説を目的としたものであり、特定の商品の勧誘および募集を意図したものではなく、また投資助言や特定の投資戦略や金融商品・証券の販売や勧誘および推奨をするものではありません。
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■ アスタリスクについて
弊社(アスタリスク)はグローバルな機関投資家向けにグローバル市場での不動産、インフラストラクチャー、関連PE投資の市場情報の提供・ご案内をしております。弊社ウェブサイトでは、不動産、インフラストラクチャー、PEを中心とした海外のオルタナティブ投資情報に関して情報発信を行っております。
ウェブサイト : https://japanplacementagent.com/
株式会社アスタリスク
Asterisk Realty & Placement Agency
東京都千代田区紀尾井町3-29 グリュックハイム2003
Tel: 03-3263-9909
Fax: 03-3263-9908
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2577号
※当記事及び上記のセミナーは情報提供を目的としたものであり、法的拘束力はありません。アスタリスクは、当記事及び上記のセミナーの内容に関する正確性および完全性を保証せず、その内容を随時変更することがあります。当記事及び上記のセミナーは金融商品の勧誘を意図したものでなく、市場に関しての情報提供を目的としたものです。
国内の年金基金、金融機関、不動産会社、REIT運用会社などの機関投資家を対象とした、オーストラリア・アジアの不動産投資(コア投資および直接投資)に関連した税務・法務・市場についてのセミナーを開催いたします。
当セミナーでは、日本の機関投資家のオーストラリア・アジアでの不動産投資についての最新動向、ストラクチャリングや法務、各国の機関投資家向け不動産市場動向について、市場をリードする国際的な税務・会計事務所と不動産投資会社が解説いたします。
日時: 2017年2月7日(火)13:30 pm – 17:00 pm (開場:13:00 pm)
会場: PwC税理士法人 東京事務所(霞ヶ関)
東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビル 14F
(http://www.pwc.com/jp/ja/tax/about-us/map-tokyo.html)
定員: 約50名
※定員になり次第、締め切りとなります。席に限りがありますので、お早めにお申し 込みください。
参加費: 無料
対象者: 年金基金、機関投資家、上場REITおよび私募REIT運用会社、不動産デベロッパー、金融機関、資産運用会社、ゼネコン、シンクタンクなど
言語: 英語および日本語(同時通訳あり)
お申込方法: セミナーにご参加いただけます人数には限りがございますので、ご参加またはセミナーについての詳細を希望される場合は弊社まで『セミナー参加希望』との旨をメールいただければと存じます。 *既にご連絡をいただいております皆様は、再度のご連絡は不要です。
お問い合わせ
伊藤(夜風): yokaze@asteriskrealty.jp / アクルべコワ: kasiet@asteriskrealty.jp /
伊藤(幸彦): yuki@asteriskrealty.jp
プログラム(予定)
日本からの海外ファンド投資についての税制 13:30 -13:50 (20分間) |
「日本の機関投資家の海外ファンド投資にかかる税制についてと留意点」(予定) 高木 宏 (PwC税理士法人 / パートナー) |
アジア・オーストラリアの不動産投資市場 13:50 -14:20 (30分間) |
「アジア・オーストラリアにおけるコア・分散型不動産投資市場について」(予定) スコット・ジラード (M&G Real Estate / M&G Asia Property Fund ファンドマネージャー) |
ASEAN不動産投資にかかる税制 14:20 -15:00 (40分間) |
「ASEAN不動産への投資における各国の税制」(予定) テオ・ウィーフィー (PwCシンガポール / パートナー) |
休憩 15:00 -15:10 (10分間) |
休憩 |
オーストラリアの不動産投資市場 15:10-15:50 (40分間) |
パネル・ディスカッション 「オーストラリアにおける不動産投資市場の概要」(予定) 伊藤 幸彦 (Asterisk Realty マネージング・ディレクター) ジョナサン・ヤップ (Ascendas-Singbridge / CIO・最高投資責任者) スチュワート・ダウズ (Propertylink / CEO・最高経営責任者) |
オーストラリアの関連法令 15:50 -16:25 (35分間) |
「法務 : オーストラリア不動産に対するファンド/直接投資に関する法務ストラクチャリング」(予定) ナタリー・カーディアン (PwC オーストラリア / パートナー) |
オーストラリアの税制 16:25 -17:00 (35分間) |
「税制 : オーストラリア不動産に対するファンド/直接投資に関する税制」(予定) ジョシュ・カードウェル (PwC オーストラリア / パートナー) |
講演者プロフィール(プログラム順)
高木 宏 PwC税理士法人 / パートナー |
公認会計士(日本、米国)、税理士、証券アナリスト(日本、米国) PwC税理士法人の金融・不動産サービス部門リーダーであるとともに、PwC Japanの不動産セクターのリーダー。 外資系ファンド(プライベートエクイティ、不動産)、海外年金、ソブリンウェルスファンドの日本向け投資に関する税務アドバイス、J-REITの立ち上げ期および国内外不動産投資に対するアドバイス、日本の不動産会社、機関投資家に対して国内外不動産投資に関するアドバイスを行っている。匿名組合スキーム、特定目的会社を使った不動産投資ストラクチャリングを数多く手掛けている。 |
スコット・ジラード (Scott Girard)
M&G Real Estae / M&G Asia Property Fund ファンドマネージャー |
2006年よりM&G Asia Property Fundに参画し、現在までファンドの運用を統括。不動産の本質的な価値に特化した長期投資に重点を置いた、ファンドの戦略的投資を統括。1995年よりオーストラリアのANZ Fund Mangementを経て、2002年よりアジア地域での不動産投資市場に特化。前職のJones Lang LaSalleでは日本や韓国を拠点に、トップレベルでの様々なクライアントに向けてのアジア地域におけるコーポレート・ファイナンス、調査、不動産アドバイザリーを担当。 カーティン工科大学(旧)にて経営学を専攻、マッコーリー大学にて経済・投資分野の修士号を取得。 |
テオ・ウィーフィー (Teo Wee Hwee)
PwCシンガポール / パートナー Real Estate & Hospitality Tax Leader, Fund Structuring & International Tax |
PwCシンガポールの不動産税務業務を主導アジア太平洋全域における不動産・インフラ投資について、ファンド組成、REIT、租税回避戦略に注力。現在は、不動産ファンド、不動産デベロッパー、ファミリーオフィス、インフラファンド、プライベートエクイティファンド、REITを専門とする。18年以上PwCに在籍し、オーストラリア、中国、インド、シンガポール、タイ、日本、韓国、マレーシアなどへの国際不動産投資および取引を専門とし、APREA、シンガポール大学、シンガポール・デベロッパー協会などでの多数の公演実績を持つ。シンガポール税務専門家協会より最高等税務アドバイザーに認定されている。 |
伊藤 幸彦
Asterisk Realty / マネージング・ディレクター |
2006年にニューヨークにてホスピタリティ投資会社を起業、2008年(株)アスタリスクを日本に設立し、国内・海外の機関投資家や超富裕層のクロスボーダーなホテルや不動産、ファンドへの投資アドバイザリー業務を行なう。M&G Real Estateのコンサルタントや、グローバルなホスピタリティ投資JVの事業パートナーを務める。 機関投資家向け不動産・ホスピタリティ投資の分野にてグローバルな専門性とネットワークを持つ。IPE、IREI、PEREといった海外の機関投資家向け専門メディアなどでの執筆多数。 |
ジョナサン・ヤップ (Jonathan Yap)
Ascendas-Singbridge / CIO・最高投資責任者 |
ジョナサン・ヤップはアセンダス・シンブリッジの最高投資責任者であり、グループの不動産投資責任者です。海外ファンド担当のアシスタントグループCEOも兼任し、アセンダスが所有するシンガポール以外のファンドビジネスを統括。ここには新規ファンド計画の推進も含まれます。インドのCEOも務め、インドに関わるグループの全事業も統括。 ヤップは、アセンダス・インド不動産信託(a-iTrust)のシンガポール証券取引所上場を指揮し、2007年から2014年7月11日まではアセンダス・プロパティ・ファンド・トラスティのCEO、2004年から2007年まではインドオペレーションのCEOを務める。 アセンダス入社前は、1997年から2004年までオーストラリア証券取引所に上場するレンド・リース・コーポレーションに在籍し、最終的にアジア事業のインベストメント・ディレクター、アジア・パシフィック・インベストメント・カンパニーズIおよびIIの副ファンドマネージャーを兼任。任期中はシンガポールとオーストラリアを拠点に、地域投資、資産、開発の管理を担当。 1992年から1997年には、タンチョン・リアルティ(香港証券取引所に上場するタンチョン・グループの不動産部門)、シンガポールの内国歳入局に所属。資産管理、不動産開発・評価を担当。 |
スチュワート・ダウズ (Stuart Dawes)
Propertylink / CEO・最高経営責任者 |
2009年よりPropertylinkの投資責任者、2014年よりCOOを歴任し、Propertylink (Holdings) Limited (PHL)の運用資産を$3600万から$15.5億へ成長させる。現在はPropertylinkのCEOとしてPropertylink GroupおよびPHLの投資事業を統括。 17年以上に及ぶ不動産業界での経験を有し、以前はオーストラリアLend LeaseにてAustralian Prime Property Fundを担当し、2003年から英国Lend Leaseの投資部門にて新規ファンドおよぶ投資機会の開発に従事する。Barclays Capitalにて欧州ストラクチャーファイナンス事業において欧州内でのデットおよびエクイティ取引の経験も有する。 ウェスタン・シドニー大学にて経営学を専攻、マッコーリー大学にてファイナンスの修士号を取得。 |
ジョシュ・カードウェル (Josh Cardwell)
PwCオーストラリア / パートナー Partner, Head of Real Estate Tax – Australia |
2013年よりPwC オーストラリアに在籍し、不動産税務部門を統括。以前はGreenwoods & Freehillsの取締役としてM&A部門の責任者を務める。不動産取引における専門性を有し、高度で実践的な知識を持つ。 |
ナタリー・カーディアン (Natalie Kurdian)
PwCオーストラリア / パートナー |
シドニーを拠点にPwCオーストラリアの企業法務を担当。オーストラリアとアジアを中心とした、不動産およびインフラストラクチャー分野のファンド組成、投資ストラクチャリング、国際・国内取引、M&Aを専門とする。 インフラ・不動産ファンド、公的年金、SWF、PEファンドなどの顧客に対して、オーストラリアおよびアジア環太平洋地域でのクロスボーダー投資(直接・間接)やファンド組成に対する助言の豊富な経験を有する。 |
【個人情報のお取扱いについて】
ご登録いただきました個人情報(氏名、会社名、ご連絡先)は、当セミナーの運営管理の目的にのみ利用させていただき、必要なセキュリティ対策を講じ厳重に管理致します。
■ アスタリスクについて
弊社(アスタリスク)はグローバルな機関投資家向けにグローバル市場での不動産、インフラストラクチャー、関連PE投資の市場情報の提供・ご案内をしております。弊社ウェブサイトでは、不動産、インフラストラクチャー、PEを中心とした海外のオルタナティブ投資情報に関して情報発信を行っております。
ウェブサイト : https://japanplacementagent.com/
■ M&G Real Estateについて
M&G Real Estateは英国の大手生命保険会社の不動産運用部門として、150年を越える不動産運用の歴史を持つグローバル不動産運用会社です。1864年に生命保険のための不動産運用を開始して以来、不動産インカムに焦点をあてた長期運用を信条としており、すでに1971年には年金基金のための私募REITに類する不動産運用スキームを創設し、40年以上に渡り外部の年金基金や機関投資家に向けて長期のインカム特化型不動産運用を提供しています。 長期の運用に特化する特徴から、英国ではボラティリティ要因となるレバレッジを全く用いない(0%)運用も続けています。 英国では、英国全土およびロンドンで2番目に大きな不動産所有者でもあり、2013年と2014年の両年においては実に英国全体の不動産取引の5%をM&G real Estateによる売買が記録しています。 現在、欧州・北米・アジア地域の23カ国にて、約4兆円規模の不動産を運用をしており、アジアでは世界最大級のアジア特化型のコア不動産ファンドを運用しています。
ウェブサイト: http://www.mandg.co.uk/institutions/realestate/
■ Ascendas-Singbridgeについて
アセンダス・シンブリッジは、シンガポール政府投資公社のテマセック・ホールディングスの子会社であり、30年以上の歴史を誇るアジアを代表する事業スペース・ソリューションのプロバイダーです。
シンガポールを拠点に、オーストラリア、中国、インド、インドネシア、韓国、日本を含むアジア10ヶ国、29都市にて164億シンガポールドルの不動産の投資・開発・運用・管理を行っており、また世界に2,400を超える顧客を抱えています。アセンダス・シンブリッジは、開発およびプロジェクト管理から、施設物件管理、さらには不動産投資と資産運用まで、包括的な不動産ソリューションを提供しています。代表的なプロジェクトには、シンガポール・サイエンスパーク、同じくシンガポールにあるチャンギ・ビジネスパークのチャンギ・シティ、インドのインターナショナル・テックパーク・バンガロール、中国の蘇州工業園区にあるアセンダス・新蘇などがあります。
ウェブサイト: http://www.ascendas-singbridge.com
■ Propertylinkについて
Propertylinkはオーストラリアの機関投資家向け不動産およびインフラストラクチャー投資市場をリードする投資運用会社として、物流、ビジネスパーク、工業・倉庫、オフィスといったセクターに特化しコア、コア・プラス、バリューアッドといった戦略の運用を行っています。2001年の創業以来、オーストラリアの不動産とインフラストラクチャー投資に特化し、数多くの海外機関投資家からの運用受託およびJV投資を行っており、オーストラリア証券取引所に上場している。現在はシドニー、メルボルン、ブリスベン、パースといった都市を中心に18億ドル(約2000億円)の資産を運用。
ウェブサイト: http://propertylink.com.au/
株式会社アスタリスク
Asterisk Realty
東京都千代田区紀尾井町3-29 グリュックハイム2003
Tel: 03-3263-9909
Fax: 03-3263-9908
2016年12月1日(東京)、マリーナベイ・サンズ社長兼CEOのジョージ・タナシェヴィッチ氏は『IR(統合型)リゾートは日本のホスピタリティ・観光産業のゲームチェンジャーとなる。』と述べ、同社が開発・運営するシンガポールのマリーナベイ・サンズを例に、IR(統合型リゾート)運営における事業性やシンガポール観光業界全体に与えた革新的なインパクトと恩恵について、弊社(アスタリスク)とベーカー&マッケンジー法律事務所が開催したセミナーで講演しました。
IR法案の審議が行われる最中での今回のセミナーでの来日講演へは大きな注目を集め、機関投資家や不動産事業会社のみならず国内外の政府関係者や投資機関も参加しました。
弊社の今回のセミナーの主なテーマは、ラグジュアリーホテルおよびレジデンスの開発・投資に関してであり、豊富なインバウンド資源を持ちながらも事例の乏しい日本での、世界的な富裕層を惹きつけるインバウンド市場へ成長させるための“キーストーン”であり“ゲームチェンジャー”として、ラグジュアリーホテル・レジデンスとIR(統合型リゾート)開発に焦点をおいた内容となりました。
その他の講演者では、米国発祥のウルトラ・ラグジュアリーホテル会社のRosewood Hotel Groupにて開発を担当するシーアイ・リャンが、Rosewood Hotel Groupが世界中で展開するラグジュアリーホテル・ブランデッドレジデンス(ホテルレジデンス)を取り入れた事業展開やその事業性について講演し、国内デベロッパーや機関投資家をはじめとした多くの参加者から注目を集めました。
上記の両講演者を招聘した弊社の伊藤幸彦(マネージング・ディレクター)は自身の講演の中で、ホスピタリティ、不動産、観光、グローバル富裕層、機関投資家向けアセットマネジメントといった要素を統合させる事により生み出される、新たな巨大市場の潜在価値について示唆しました。
ベーカー&マッケンジー法律事務所からはラグジュアリーホテル・レジデンス開発における実務・法務面においての貴重な解説がされ、現実的な課題として多くの国内事業者やデベロッパーから高い関心が集まりました。
イベントHP : https://japanplacementagent.com/blog/event/luxury-hotel-branded-residence-seminar/
お問合せ : info@asteriskrealty.com
アスタリスクと今後のセミナーについて
ラグジュアリーホスピタリティと不動産の分野において、アスタリスク(弊社)は市場の先駆者として早い段階から包括的に取り組んでおり、グローバルなウルトラ富裕層、海外ラグジュアリーホテル、IR(統合型リゾート)、機関投資家向け不動産といったユニークな個々の分野で高い専門性とネットワークを築き上げております。
この弊社の持つユニークな専門性の全てが集約される分野がラグジュアリーホテル/ブランデッド・レジデンスの開発・投資・運用・マーケティングです。
今後、日本のホスピタリティやインバウンド観光の“ゲームチェンジャー”と期待される当分野にて、国内事業者様と様々なビジネス機会を創出できますと幸いです。
今後とも、セミナーなどのイベントにおいても改善を目指してまいりますので、何卒ご指導ご鞭撻のほどいただけますと幸いでございます。
アスタリスクでは、今後以下のセミナーを予定しております。
今後とも皆様のご参加をお待ち申し上げております。
地政学から見るグローバル不動産・インフラストラクチャー投資セミナー |
内容: Brexitや米国大統領選挙といった世界的な構造変化が進むなか、オルタナティブ資産の長期運用を検討する国内機関投資家向けに地政学的な見方から、グローバルな不動産・インフラストラクチャーへの長期投資の意味を考察します。
日時: 2017年前半 対象者: 機関投資家、年金基金、金融機関、資産運用会社など
セミナーに関するお問合せ : info@asteriskrealty.jp |
IR(統合型リゾート)とのシナジーを活かした開発・投資セミナー |
内容: 当セミナーでは、IR(統合型リゾート)開発に関連する要素であるラグジュアリーホテルや不動産の投資・開発における事業機会や投資ストラクチャリングのモデルなどについて世界的な実績をもつIR会社や事業会社などが解説します。 日時: 2017年前半 対象者: デベロッパー、建設会社、関係省庁、投資ファンド、金融機関、リゾート・ホテル運営会社、資産運用会社など |
グローバルなホスピタリティ不動産・産業への投資セミナー |
内容: 当セミナーでは、成長を続ける世界のホスピタリティ市場への日本からの投資や不動産を介した投資ストラクチャリング、また世界から高く評価される日本のホスピタリティの海外展開について、様々な確度から専門家が解説します。 日時: 2017年前半 対象者: デベロッパー、建設会社、機関投資家、年金基金、投資ファンド、金融機関、リゾート・ホテル運営会社、資産運用会社など |
株式会社アスタリスク
Asterisk Realty
東京都千代田区紀尾井町3-29 グリュックハイム2003
Tel: 03-3263-9909
Fax: 03-3263-9908
いつもお世話になっております。株式会社アスタリスクでございます。
弊社(アスタリスク)とベーカー&マッケンジー法律事務所が12月1日に開催するラグジュアリーホテル・レジデンス開発に関してのセミナーを開催いたします。
昨今、海外のゲートウェイ都市で見られる、ラグジュアリーホテルおよびレジデンス開発。世界的なラグジュアリーホテルやブランドを冠に、グローバル富裕層を惹きつけるホテル・ブランデッドレジデンスは目覚ましい経済的成功を収め、デベロッパーのみならず、グローバルな不動産ファンドやPEファンドからの活発な投資事例が、海外の主要な都市やリゾート地で多く見られています。
しかしながら、豊富なインバウンド資源を持つ日本ではまだ事例が乏しく、世界的な富裕層を惹きつけるインバウンド市場へ成長するための“キーストーン”と見られるとともに、グローバルなデベロッパーや投資ファンドなどにとっては新たな有望な投資機会とも目されています。
その実例と課題について、海外での豊富な実績を誇る世界的なラグジュアーホテル運営会社のRosewood Hotel Groupを招いての海外での実例と動向の紹介、 また開発や運営にかかる法務面の特徴についてベーカー&マッケンジー法律事務所が解説、IR(統合型リゾート)会社のラスベガス・サンズ社(およびマリーナベイ・サンズ社)よりグローバル富裕層を惹きつけラグジュアリーホテル・レジデンスの魅力を高めるIRという要素についてご案内いたします。
また、当セミナーでは日本が世界に誇るホスピタリティ産業を、ラグジュアリーホテル・ブランデッドレジデンスを介して海外へ展開するという次代のグローバル投資・ビジネスのヒントも提供いたします。
日時: 2016年12月01日(木)13:30 pm – 16:30 pm (開場:13:00 pm)
会場: ベーカー&マッケンジー法律事務所
東京都港区六本木1-9-10 アークヒルズ仙石山森タワー28F
(http://www.bakermckenzie.co.jp/aboutus/location.html)
定員: 約50名
※現在、定員に達しているため、キャンセル待ちにて受け付けさせて頂いております。
※ご登録済みの方で、もしご予定の変更などでご来場が難しくなった場合などは、ご一報いただけますと幸いです。(キャンセル待ちの方々へお席をご案内する必要がございますので、ご理解いただればと存じます。)
対象者: 不動産デベロッパー、建設会社、関係省庁、投資ファンド、金融機関、リゾート会社、ホテル運営会社、資産運用会社など
参加費: 無料
言語: 英語(逐次通訳)および日本語
お申込方法: セミナーにご参加いただけます人数には限りがございますので、ご参加またはセミナーについての詳細を希望される場合は以下まで『セミナー参加希望』との旨をメールいただければと存じます。
伊藤(夜風): yokaze@asteriskrealty.jp / アクルべコワ: kasiet@asteriskrealty.jp / 伊藤(幸彦): yuki@asteriskrealty.jp
プログラム(予定)
ご挨拶
ラグジュアリーホテル・ブランデッドレジデンス市場
13:30 pm – 14:00 pm |
開会挨拶 および
「世界のラグジュアリーホテル・ブランデッドレジデンス開発の最新動向」
伊藤 幸彦 アスタリスク |
海外ラグジュアリーホテル会社の事例
14:00 pm – 14:45 pm |
「Rosewood Hotel Groupのグローバル開発におけるホテル・ブランデッドレジデンス事例」
シーアイ・リャン Rosewood Hotel Group |
休憩
14:45 pm – 15:00 pm |
休憩 |
関連法令
15:00 pm – 15:45 pm |
「ホテル・ブランデッドレジデンスの開発において留意すべきポイントと法令及びストラクチャリング」
池田 成史 アレキサンダー・ジャンペル 川村 麻紀 ベーカー&マッケンジー法律事務所 |
ラグジュアリーホテルの魅力を高める新要素
15:45 pm – 16:30 pm |
「IR(統合型リゾート)がもたらすホテルへの付加価値」
ジョージ・タナシェヴィッチ ラスベガス・サンズ社 マリーナベイ・サンズ社 |
講演者プロフィール(プログラム順)
伊藤 幸彦
Asterisk Realty / マネージング・ディレクター |
2006年にニューヨークにてホスピタリティ投資会社を起業、2008年(株)アスタリスクを日本に設立し、国内・海外の機関投資家や超富裕層のクロスボーダーなホテルや不動産、ファンドへの投資アドバイザリー業務を行なう。運用資産4 兆円を超える英国最大級の不動産運用会社などの海外投資ファンドのコンサルタントや、グローバルなホスピタリティ投資JVの事業パートナーを務める。 国内・海外のラグジュアリーレジデンス・プロジェクトにおいては、世界のウルトラ・ハイネットワース(HNW)富裕層へのマーケティングや、開発者へのコンサルタントも務めるなど、ホスピタリティ、ラグジュアリーレジデンス、機関投資家向け不動産投資といった各分野にてグローバルな専門性とネットワークを持つ。IPE、IREI、PEREといった海外の機関投資家向け専門メディアなどでの執筆多数。 |
シーアイ・リャン
Rosewood Hotel Group / 開発担当アソシエイトディレクター |
世界的なウルトラ・ラグジュアリー・ホテルブランドであるRosewood Hotels & Resortsを展開する Rosewood Hotel Groupのアジア環太平洋地域の開発を担当。Rosewood Hotel Group以前は、Four Seasons Hotels and Resorts、Pan Pacific Hotel Groupにてホテル開発を担当。シンガポール国立大学にて建築学科を卒業。シンガポール政府観光局(STB)の特待生としてコーネル大学にてホスピタリティ経営修士号を取得(不動産専攻)。 |
池田 成史
弁護士 ベーカー&マッケンジー法律事務所 (外国法共同事業)/ パートナー |
国内、海外を問わず、不動産の分野では流動化、ノンリコースローン、ファンド組成を長年にわたり手掛ける。最近では海外資本による商業施設やリゾートの買収、ホテル開発案件等に従事。また投資銀行への勤務経験を活かして、様々な分野の金融業務や証券業務に関して幅広く助言を行うことができる。東京事務所における不動産グループ責任者。2012年以降、Chambers Global 及びChambers Asia-Pacific Guideにおける不動産部門及びキャピタルマーケット証券化部門、IFLR誌におけるストラクチャードファイナンス部門及びキャピタルマーケット部門、The Legal 500 Asia Pacific誌における不動産部門及びストラクチャードファイナンス部門において、それぞれ優れた弁護士として選出されている。 |
アレキサンダー・ジャンペル
外国法事務弁護士 (米国カリフォルニア州及びハワイ州弁護士) ベーカー&マッケンジー法律事務所 (外国法共同事業)/ パートナー |
東京、ロサンジェルス、ホノルルで25年以上にわたり弁護士実務に従事し、不動産業務・不動産ファイナンス業務 (住宅、商業、小売、ホテル、リゾート関連プロジェクト)、 M&A・企業間取引の実務に携わる。ベーカー&マッケンジー、アジアパシフィック地域におけるReal Estate Steering Committeeのメンバー。東京事務所における不動産グループ責任者。Best LawyersのThe Best Lawyers in Japan 2012~2017年版において不動産法分野、2015~2017年版においてホスピタリティ・観光分野における優れた弁護士として認められる。Chambers and PartnersのChambers Asia-Pacific Guide 2011~2016年版において日本の国際不動産取引分野における優れた弁護士として選出される。 また、The Legal 500 Asia Pacificの不動産法分野2016年版において、国際法律事務所・ジョイントベンチャー部門で優れた外国法事務弁護士として選出される。 |
川村 麻紀
弁護士 ベーカー&マッケンジー法律事務所 (外国法共同事業) |
国内、海外を問わず、不動産の売買、開発、リーシング、証券化、居住・商業施設・リゾート関連プロジェクトを含む不動産関連法務を中心に手掛ける。その他、排出権取引、海外企業の国内投資寺領、日系企業の海外投資事業等に関する法的アドバイスの提供、交渉、契約書作成等の業務にも従事。 |
ジョージ・タナシェヴィッチ
ラスベガス・サンズ社 / グローバル開発マネージング・ダイレクター マリーナベイ・サンズ社 / 社長 兼 CEO |
ジョージ・タナシェヴィッチ氏は、国際的な統合型リゾートの大手開発業者、ラス ベガス・サンズ社の子会社であるマリーナベイ・サンズ社の社長兼最高経営責任 者(CEO)であり、ラスベガス・サンズ社のグローバル開発担当マネージング・ディレ クターを務めています。経営者そして有能な弁護士として国際的な経験が豊富で、 マリーナベイ・サンズ社の経営全般とラスベガス・サンズ社の開発事業の責任者 です。 シンガポールで行われたマリーナベイの統合型リゾート開発の入札の際には、プロ ジェクトの中心となって同社の落札に尽力しました。その職務の一環として、ラス ベガス・サンズ社を代表し、金融、法務、建設、設計、運営、マーケティングの各 分野のプロフェッショナルで構成される大規模なチームを監督する立場に就くとと もに、最先端の会議展示施設、高級ホテル、世界レベルのカジノ、エンターテイメ ント、ショッピング、ダイニング、そして博物館を1つのランドマーク的建築物に 集めた施設の開発の責任者となりました。 ラスベガス・サンズ社のシンガポール事業に携わるまでは、中国のマカオ特別行政 区で開発担当ディレクターを務め、同社の「コタイ・ストリップ(Cotai Strip™)事 業に関連するさまざまなビジネスを管理していました。 マカオ勤務以前は、東南アジア最大の不動産複合企業でシンガポールを本拠とする キャピタランド(Capitaland Limited)において上級バイスプレジデント(エクイティーマ ーケット担当)を務めました。また、それ以前は、当時、米国第 2 位のショッピン グモール不動産投資ファンドであったジェネラル・グロース・プロパティーズ (General Growth Properties)で副社長をを務めた後、ジェネラル・グロース・プロパ ティーズの上級弁護士に任命され、法務部の責任者として全米 38 州での訴訟案件を 担当しました。 ミシガン大学で学士号、また学内法律論評誌のメンバーでもあったシカゴのロヨラ 大学で法学士の資格、シカゴ大学ブース経営大学院から経営学修士(MBA)を取得 しています。現在は、ブース経営大学院のグローバル諮問委員会の委員である他、 シンガポール国際商工会議所とシンガポールホテル協会の役員となっています。 2009 年にはグローバル・ゲーミング・ビジネス誌によって「注目すべき 25 人」の1 人として選ばれました。 |
■ アスタリスクについて
弊社(アスタリスク)は機関投資家向けにグローバル市場での不動産、インフラストラクチャー、関連PE投資の市場情報の提供・ご案内をしております。
ウェブサイト: https://japanplacementagent.com/
また、グローバルな富裕層に向けての世界のラグジュアリーレジデンスに特化したサービスも提供しております。
ウェブサイト: http://global.residence.jpn.com/
■ Rosewood Hotel Groupについて
Rosewood Hotel Groupは北米、ヨーロッパ、アジア、中東、カリブ地域の18ヵ国・55ホテルに複数の自社ホテルブランド (Rosewood Hotels & Resorts、New World Hotels & Resorts、pentahotels)を展開しており、更に現在約40の新規ホテル開発を進める世界で最も急成長を遂げているホテル会社の一つです。
Rosewood Hotel Groupのウルトラ・ラグジュアリーブランドであるRosewood Hotels & Resorts は1979年に米国で設立以来、The Carlyle – A Rosewood Hotel(ニューヨーク)、Hôtel de Crillon – A Rosewood Hotel(パリ)、Rosewood Mansion (Turtle Creek / ダラス、およびLas Ventanas al Paraíso / メキシコ)、Rosewood Resort(Los Cabos / メキシコ)、Rosewood Little Dix Bay(ブリティッシュ・バージン諸島)といったウルトラ・ラグジュアリー・ホスピタリティを再定義する象徴的な18施設(現在)とともに、比類なき独自のラグジュアリーホテル、リゾート、レジデンスをグローバルに展開しています。(今後11施設が新規オープン予定)
ウェブサイト: http://www.rosewoodhotelgroup.com/
■ ベーカー&マッケンジー法律事務所について
ベーカー&マッケンジー法律事務所(外国法共同事業)は、ベーカー&マッケンジーの東京事務所として1972年に開設されました。日本法に関する卓越した知識、経験とともに、グローバル・ビジネスに関する実績とノウハウを兼ね備えた外国法共同事業を営む法律事務所として、日本最大級の規模を有しています。当事務所は、ベーカー&マッケンジーのメンバーファームとして、国内外の金融法務、M&A、企業法務、独占禁止法、大型プロジェクト、知的財産、国際税務、訴訟・仲裁、労務、環境、製薬、不動産関連等について、総合的かつ専門的な法務サービスを提供しています。
ウェブサイト: www.bakermckenzie.co.jp
■ マリーナベイ・サンズ社について
マリーナベイ・サンズ社 は、国際的な統合型リゾートの大手開発業者ラス ベガス・サンズ社の子会社として、 シンガポールにてアトラクションと施設を持つ最高級のエンターテイメント施設・Marina Bay Sandsを開発・運営しています。Marina Bay Sandsは、独自のアイデンティティを持つ時間を越えたランドマークとして、シンガポールを他の都市とは一線を画す都市にするような統合的な施設として、マリーナベイのウォーターフロントに面した 3 つのタワーで構成され、スカイパーク、クリスタルパビリオン、 ミュージアム、 ショップ、 高級ブランド、レストラン、 劇場、ナイトクラブ、カジノ、さらに多面的な利用が可能なエキシビションホールを備えたMICE (ミーティング、インセンティブ、コンベンション、エキシビション) 施設、および 45,000 名を収容可能なコンベンションセンターを備え、 ビジネスとレジャーをシームレスに統合した他に類を見ない施設となっています。
ウェブサイト: http://jp.marinabaysands.com/
■ ラスベガス・サンズ社について
ラスベガス・サンズ社(Las Vegas Sands Corp.) は、卓越した国際的な統合型リゾートの開発・運営会社としてラグジュアリーホテルをはじめ、ゲーミング、ショッピング、ダイニング、エンターテインメント、MICE、その他のビジネスやレジャーを網羅しています。MICE特化型のIRのパイオニアとして、ビジネスと娯楽・観光の双方の分野での類まれな成功とともに業界をリードしています。1990年に1つの施設とともに始まったラスベガス・サンズ社は、現在ではマカオ、ベツレヘム、ペンシルバニア(米国)、シンガポールへとワールドワイドに展開しており、最大級のビジネス・レジャー複合施設の開発と運営において類まれな成功を収めています。
ウェブサイト: http://www.sands.com/
株式会社アスタリスク
Asterisk Realty
東京都千代田区紀尾井町3-29 グリュックハイム2003
Tel: 03-3263-9909
Fax: 03-3263-9908
アスタリスク(弊社)は、国内の年金基金、金融機関、REIT運用会社などの機関投資家を対象とした、米国不動産投資(およびファンド)に関連した税務・法務・市場についてのセミナーを開催いたします。
当セミナーでは、 年金基金やSWFやその他の機関投資家による米国の不動産投資に大きな影響を及ぼす昨今のFIRPTA改革や、FIRPTAに関連した海外公的年金や海外機関投資家の米国不動産投資についての最新動向、米国不動産ファンド投資についてのストラクチャリングや法務、米国の機関投資家向け不動産市場動向について、市場をリードする国際的な会計事務所、法律事務所、不動産投資会社が解説いたします。
日時: 2016年10月04日(火)13:30 pm 16:30 pm (開場:13:15 am)
会場: GT東京法律事務所
東京都千代田区丸の内2 1 1 明治安田生命ビル14階
(http://www.gtlaw.com/Locations/Tokyo/GT?wosView=directions)
定員: 約50名 (定員となりました)
※定員になり次第、締め切りとなります。
※各企業2名様までとさせて頂きます。(3名以上の方は、キャンセル待ちリストにご登録させて頂きます。)
対象者: 年金基金、機関投資家、上場REITおよび私募REIT運用会社、不動産デベロッパー、ゼネコン、など
参加費: 無料
言語: 英語および日本語(通訳あり)
お申込方法: セミナーにご参加いただけます人数には限りがございますので、ご参加またはセミナーについての詳細を希望される場合は弊社まで『セミナー参加希望』との旨をメールいただければと存じます。 ※既にご連絡をいただいております皆様は、再度のご連絡は不要です。
***当セミナーは終了いたしました。
“グローバル富裕層を取り込む新たな不動産開発・インバウンドビジネスのモデル”
対象者 : 不動産デベロッパー、建設会社、関係省庁、投資ファンド、リゾート会社、ホテル運営会社、資産運用会社、など
“Brexitが生み出すモメンタムと欧州・英国におけるコア不動産投資市場” および “ルクセンブルグ籍ファンドを中心とした税務とストラクチャリング”
対象者 : 年金基金、機関投資家、上場REITおよび私募REIT運用会社、不動産デベロッパー、ゼネコン、など
“日本と正反対の経済属性を持った国での長期コア投資” および “税務と法令”
対象者 : 年金基金、機関投資家、上場REITおよび私募REIT運用会社、不動産デベロッパー、ゼネコン、など
“成長市場での長期分散戦略vs 集中戦略” および “ASEAN主要国への不動産投資における税務・法令”
対象者 : 年金基金、機関投資家、上場REITおよび私募REIT運用会社、不動産デベロッパー、ゼネコン、など
“世界の成長市場へ日本のサービスと生産性を輸出し、成長資産として運用する”
対象者 : 年金基金、機関投資家、上場REITおよび私募REIT運用会社、不動産デベロッパー、ゼネコン、リゾート会社、ホテル運営会社、など
“日本以外の市場での長期投資の意味と将来性”
対象者 : 年金基金、機関投資家、上場REITおよび私募REIT運用会社、不動産デベロッパー、ゼネコン、など
投資家タイプ | 2015年末時点の市場規模 (£) | 投資可能な不動産市場でのシェア(%) | 商業不動産全体でのシェア(%) |
海外投資家 (直接保有) | £1220億 | 25% | 14% |
英国 & チャンネル諸島籍の投資ファンド | £830億 | 17% | 10% |
英国 REIT & 上場不動産会社 | £700億 | 14% | 8% |
英国 非上場不動産会社 | £640億 | 13% | 8% |
英国 生命保険会社 保険・年金勘定運用ファンド | £520億 | 11% | 6% |
英国 年金基金 個別勘定ファンド | £400億 | 8% | 5% |
英国 伝統的地権者 & チャリティ (王室など) | £220億 | 5% | 3% |
英国 その他 (地方自治体やパブなど) | £200億 | 4% | 2% |
英国 個人投資家 | £120億 | 2% | 1% |
全体 | £4850億 | 100% | 57% |
投資ファンドのタイプ | 2015年末時点の市場規模 (£) | 投資可能な不動産市場でのシェア(%) | 商業不動産全体でのシェア(%) |
機関投資家向けオープンエンド・ファンド | £260億 | 5% | 3% |
個人向け公募不動産投資ファンド(PAIFなど) | £200億 | 4% | 2% |
機関投資家向けクローズドエンド・ファンド | £370億 | 8% | 5% |
全体 | £830億 | 17% | 10% |
Source: Association for Real Estate Funds (AREF), IPF, Financial Times, M&G Real Estate, December 2015
本内容は今後の動向等を予測するものではなく、Brexitの短期的な不動産投資市場への余波については少なくとも今後暫くは観察が必要と見られております。
*市場規模に関しての数値は全体的な分布を測るための目安であり、多少の誤差は想定されます。 **対象の商業不動産はオフィス、リテール、産業用不動産、その他(ホテルなど)の不動産を念頭においています。 ***長らく英国の不動産投資市場では住宅不動産は確立された機関投資家向けの市場ではなく、今回の市場規模には含まれていません。(ここ数年で機関投資家向け市場も発展しつつあります)
(記事: 伊藤 幸彦)
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、アスタリスクは、この記事上の記載に関する正確性および完全性を保証せず、その内容を随時変更することがあります。
2016年7月4日に英国の公募不動産ファンドの、Standard Life Investments UK Real Estate Fund(個人投資家向け)の償還延期と取引の一時停止についての発表がされて以来、同様の連鎖が他大手銘柄などにも広がり、広く報道されております。
背景には、Brexitを受け英国の公募不動産ファンドが英国の保有不動産の価値を低く見直している事により、個人投資家からの短期的な不動産価格の変動に関しての懸念が高まり、償還が集中したことがあります。パニックともいえる同様の影響が連鎖的に大半の銘柄で見られており、7月6日時点では7つの英国の公募不動産ファンド(市場シェアの約60%に相当)が、集中する償還請求に対応した不動産資産の急な現金化のための売却からファンド価値の急激で不合理な毀損から一時的に保全するために、償還を延期し取引を一時停止する措置をとっています。 英国の個人向け公募不動産ファンド市場では、リーマンショック直後以来の事態となっています。
今回の不動産ファンドの償還延期・一時取引停止に関しての報道においては、個人投資家向けの公募不動産ファンドと、機関投資家向けの私募オープンエンド・ファンドについての区別が明確でないケースが多く見られ、複数のお問い合わせをいただいておりますので、以下に弊社から概況についてご説明させていただきます。
上場・公募 : 個人投資家向け不動産投資ファンド(REIT / PAIF)
Standard Life Investmentsの公募不動産投資ファンド(個人投資家向け)が英国のEU離脱を受けて保有不動産の価値を約5%低い評価に見直したことに端を発した現在の混乱の中で、渦中にあるのが英国で上場・公募している個人投資家向けの不動産投資ファンド・信託(REIT / PAIF)で、日本のJ-REITと同じく市場での2次流通を念頭においたUK REITと、投資家が償還を直接行えるPAIF (OEIC : Open Ended Investment Company)などがあります。 PAIFにおいては償還時の元本含めた現金の支払いがファンドの留保現金を超えた場合は不動産を売却して支払いに充当する必要があり、これが今回の償還延期と取引の一時停止の主要因となっています。
現物不動産は流動性の限られた資産であり売却に時間がある程度必要なことや、短期的な要因から市場で売り急ぐことにより過度の損失をしないため等といった理由で、今回のような償還が集中した場合には償還延期と取引の一時停止ができる設計となっています。基本的に個人投資家向けのPAIFは日毎に償還請求が可能なため、短期間で過度な償還請求が報道と個人投資家心理から引き起こされていると観る市場関係者も少なくありません。前述のとおり、英国では同様の事態はリーマンショック直後にも発生しています。
非上場・私募 : 機関投資家向けファンド(オープンエンド & クローズドエンド)
オープンエンド・ファンド
一方の、非上場の機関投資家向けの私募不動産ファンド市場では、現在までこのような事態は見られてません。
機関投資家向けの非上場オープンエンド・ファンドは基本的にインカムに重点を置いたコア・コアプラス型の投資戦略で、個人向け上場・公募不動産ファンドと似た属性の不動産ポートフォリオのケースが多いが、投資家は長期運用を目的とした年金基金等が多く、また償還や物件価格評価も月毎または四半期毎などに設定されているため、日毎の償還請求ができる個人投資家向け公募不動産ファンドよりも、投資家の衝動的なパニックなどは起こりにくい設計になっています。
しかしながら、Brexit の不動産価格へのネガティブな影響はロンドン中心部のオフィス物件を中心に避けられないと考えられており、今後各ファンドの資産価値の見直しと機関投資家の反応が注目されます。
また個人向けの公募不動産ファンドの現金化による不動産売却も、短期的な不動産市場の需給と価格設定にシステミックな影響を与えると想定されます。 資産価値の見直し幅においては、ファンド毎に大きな差が出でることも予想されます。一般的にですが、最もBrexitの影響を受けると予想されるロンドン中心部の物件比率が高いファンドはより大きな影響を受ける可能性があります。この結果については、各運用会社の備えと手腕・長期戦略が問われる機会になると思われます。
また日本でも近年普及した機関投資家向けの不動産オープンエンド・ファンド(私募REIT)の、今回のようなネガティブなイベントにおける設計の有効性が測られる機会ともなります。
目下の注目はどこまで公募不動産投資ファンドなどの資産売却圧力によるシステミックな影響に巻き込まれるかですが、機関投資家向けの私募オープンエンド・ファンドは、急な償還の集中などの事態には償還を約1年~1年半程度の期間において繰り延べまたは分割償還が可能などの設計になっており、短期的な不動産価格のシステミックな下落に大きく巻き込まれないような措置を講じることは部分的に可能であり、ファンドの主な投資家である長期の機関投資家達の反応と姿勢が大きなポイントと見られます。
クローズドエンド・ファンド
また今回の市場の混乱は、バリューアッドやオポーチュニスティックなどの戦略を設定し、今後投資するエクイティを確保しているクローズドエンド・ファンドにとっては絶好の機会になると見られます。
現在発生している公募不動産ファンドの償還請求に伴うシステミックな資産売却はタイミングや売却状況の可視性が非常に高く、クローズドエンド・ファンドがオポーチュニスティックなポジションを取るにはまたとないイベントであると言えます。Brexit後の英国の方向性が見え、市場が落ち着いた頃を見計らって積極的で有力な買手になる事が予想されます。
またファンドの特性上、短期的な償還ニーズといった資産売却の圧力が少ないため、既存の英国不動産を保有しているクローズドエンド・ファンドへの短期的でシステミックなネガティブな影響は限定的になると予想されますが、既存の開発案件や比較的高いレバレッジでロンドン中心部の不動産への投資ポジションを持つファンドにとっては難局となる可能性があります。
本内容は今後の動向等を予測するものではなく、Brexitの短期的な不動産投資市場への余波については少なくとも今後暫くは観察が必要と見られております。
(記事: 伊藤 幸彦)
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、アスタリスクは、この記事上の記載に関する正確性および完全性を保証せず、その内容を随時変更することがあります。
■ アスタリスクについて
弊社(アスタリスク)はグローバルな機関投資家向けにグローバル市場での不動産、インフラストラクチャー、関連PE投資の市場情報の提供・ご案内をしております。弊社ウェブサイトでは、不動産、インフラストラクチャー、PEを中心とした海外のオルタナティブ投資情報に関して情報発信を行っております。
ウェブサイト : https://japanplacementagent.com/
弊社の過去の関連リポートは以下リンクからご覧になれます
BREXITの資産価格へのインパクト by Oxford Economics & Asterisk
Brexitによる英国不動産市場への影響 – M&G Real Estate
https://japanplacementagent.com/blog/%E4%B8%8D%E5%8B%95%E7%94%A3/brexit-implications-for-real-estate/
米国の不動産やインフラ資産投資、海外年金基金の売却益が非課税へ 【FIRPTA改革】
世界最大級の公的年金ノルウェーGPFG、不動産へのアセットアローケーションを15%へ拡大提言
グローバル・コア不動産投資についての考察
https://japanplacementagent.com/blog/alternative-investments/global-core-real-estate-investment/
欧州QE (量的緩和) がもたらす欧州不動産市場へのインパクト – M&G Real Estate
https://japanplacementagent.com/blog/global-pension-fund/perspectives-the-impact-of-qe-on-european-property-markets/
長期インフレ連動型インカム – 英国ロング・インカム型不動産
英国の私募REIT(オープンエンドファンド)と不動産市場
インフレーション感応型資産としてのグローバル不動産
ケベック州貯蓄投資公庫のオルタナティブ投資
SWFレポート2013 / Sovereign Wealth Fund Report 2013
ノルウェーSWF “オイルファンド” Government Pension Fund Global
米イェール大学の基金運用事例
グローバル市場での不動産とは? 世界のトップ30の年金基金・SWFの投資動向
株式会社アスタリスク
Asterisk Realty & Placement Agency
東京都千代田区紀尾井町3-29 グリュックハイム2003
Tel: 03-3263-9909
Fax: 03-3263-9908
2016年6月28日
弊社が提携する英国オックスフォード・エコノミクス社のリサーチ『BREXITの資産価格へのインパクト – Impact of BREXIT on asset prices』についての日本語 簡易サマリーをご案内させていただきます
■ 6月24日に発表された英国のEU離脱という国民投票の結果を受け、世界中の金融市場では大きく資産価格が下落した。このような反応は、EU離脱が英国経済に与えるであろう影響に対してではなく、その他のEU加盟国も巻き込んだ広範な金融危機が起こりえるリスクについての市場の反応と言える。オックスフォード・エコノミクスはこのリスクは過大に評価されたものと捉えている。
■ 英国経済は世界の総GDPの僅か3.5%であり、最悪のシナリオでもその国のGDPが長期ベースで2-3%の影響を受けるというだけの事である。6月24日の世界的な大幅株安やEU周辺国の国債下落は、英国経済に長期ベースで及ぼされる影響とは関係性の低いものである。今回の市場の初期反応は、2008年のリーマン・ブラザーズ倒産直後のものと同規模であった。
■ 市場の反応は、英国のEU離脱がその他のユーロ加盟国へ政治的な連鎖を引き起こしユーロ経済圏を崩壊させる、または2011年-2012年のユーロ周辺国の債務再編問題の再来を引き起こすといったシステミック・イベントとしての若干のリスクに対してのものだったと言える。
■ このような政治的・経済的な連鎖反応への不安は、過去数週間のうちに起こったオランダやイタリアといった国々でのEUへの不満や関連した国民投票を通じて増幅されていった。イタリアは巨額の債務国であると同時に、銀行の多額の不良債権を抱えておりシステミック・リスクの要因となっている。
■ オックスフォード・エコノミクスはこのような市場の懸念は過度のものであり、英国以外のEU加盟国が早急にEU離脱を決定したり、公的債務再編を引き起こす連鎖危機の可能性は低いと分析している。欧州中央銀行(ECB)は2012年と同様に周辺国の国債スプレッドの上昇を押さえ込むこ事が可能であり、EUは各加盟国に対して移民問題について譲歩するなどの踏み込んだ措置を取ることによって、EU離脱の連鎖を回避することが可能である。
チャートや詳細な分析などについては原レポート(英語4ページ)をご参照ください。
原レポート(PDF)は右記リンクからダウンロードできます : https://japanplacementagent.com/wp-content/uploads/2016/06/Impact-of-BREXIT-on-asset-prices.pdf
*本レポートの概約は弊社(アスタリスク)が行ったものであり、内容は英語原レポートを優先いたします。
■ オックスフォード・エコノミクスについて
オックスフォード・エコノミクス社は、1981年にオックスフォード大学とのジョイント・ベンチャーとして、国際機関へ経済動向予測や助言を提供する事を目的に設立されました。
現在、定量的な経済予測・分析、政策助言や商業コンサルティングに特化した世界有数のの専門機関としてオックスフォードを拠点に世界18都市にオフィスを構え、150名のエコノミストを含む250名超のスタッフと500名の外部エコノミストからなる体制で、200ヶ国、100を超える産業分野、3000を超える都市と地域を網羅したデータベース提供および経済予測を行っています。 現在、1100を超えるグローバル企業、金融機関、大学、研究機関、政府および公的機関 (世界銀行、国連、アジア開発銀行、OECD、日本銀行を含む)といったグローバルな顧客へサービスを提供しています。
不動産やインフラストラクチャーの分野では、グローバルな機関投資家に対して、全セクター・分野における短期・中期・長期での投資に関わる経済リスク分析をサポートしており、グローバルな投資を行う企業や投資ファンド、金融機関にとって欠かせないマクロ分析ツールとして高い評価を受けています。 また近年、日本において注目の集まる観光や旅行産業、グローバルな旅行者などについての定量分析・予測においても、高い専門性を持っています。
オックスフォード・エコノミクス社では、グローバルなマクロ経済についての詳細な経済動向、予測と解説、各種データを提供しています(英語・有料)。
オックスフォード・エコノミクスの提供する各種サービスやデータについてのお問い合わせは、弊社までご連絡ください。
■ お問い合わせ先(日本でのオックスフォード・エコノミクスの窓口)
株式会社 アスタリスク
Mail : info@asteriskrealty.jp
Tel : 03-3263-9909
ホームページ : https://japanplacementagent.com/
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過去の関連リポートは以下リンクからご覧になれます
米国の不動産やインフラ資産投資、海外年金基金の売却益が非課税へ 【FIRPTA改革】
https://japanplacementagent.com/blog/global-pension-fund/firpta-reform-us-investment/
世界最大級の公的年金ノルウェーGPFG、不動産へのアセットアローケーションを15%へ拡大提言
https://japanplacementagent.com/blog/alternative-investments/norges-gpfg-real-estate/
グローバル・コア不動産投資についての考察
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欧州QE (量的緩和) がもたらす欧州不動産市場へのインパクト M&G Real Estate
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長期インフレ連動型インカム 英国ロング・インカム型不動産
https://japanplacementagent.com/blog/alternative-investments/long-income-real-estate-investment-uk/
英国の私募REIT(オープンエンドファンド)と不動産市場
https://japanplacementagent.com/blog/alternative-investments/uk-open-ended-funds/
インフレーション感応型資産としてのグローバル不動産
https://japanplacementagent.com/blog/alternative-investments/inflation-sensitive-asset/
ケベック州貯蓄投資公庫のオルタナティブ投資
https://japanplacementagent.com/blog/alternative-investments/caisse-de-depot-et-placement-du-quebec/
SWFレポート2013 / Sovereign Wealth Fund Report 2013
https://japanplacementagent.com/blog/alternative-investments/2013-sovereign-wealth-fund-report-2013/
ノルウェーSWF “オイルファンド” Government Pension Fund Global
https://japanplacementagent.com/blog/alternative-investments/norway-swf-government-pension-fund-global/
米イェール大学の基金運用事例
https://japanplacementagent.com/blog/alternative-investments/yale-universitys-fund-management-case/
グローバル市場での不動産とは? 世界のトップ30の年金基金・SWFの投資動向
https://japanplacementagent.com/blog/alternative-investments/real-estate-investment-of-top-30-global-investors/
株式会社アスタリスク
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米国の不動産やインフラ資産投資、海外年金基金の売却益が非課税へ
2016年1月18日
長年、年金基金を含む海外機関投資家が米国の不動産へ投資し売却する際には、FIRPTAと呼ばれる課税規制の対象となり、税金支払い及び対応した投資ストラクチャリングのためのコストがかかっていたが、2015年12月、米国政府は海外の年金基金をFIRPTAの適用外として、米国内の年金基金と同様に非課税となる法案改革を行った。
FIRPTAとは?
1980年に制定されたUS Foreign Investment in Real Property Tax Act of 1980の略で、海外投資家が米国の不動産へ投資し売却益が発生するにあたり10%の源泉徴収が課税されるなど、海外投資家の米国での不動産投資の際の主要な制約の一つとなっていた。
今回のFIRPTA改革の主なポイント
■ 海外年金基金の不動産及びインフラなどへの、直接投資、パートナーシップによる私募ファンド投資、REIT投資といったストラクチャーでの資産および持ち分の売却益が非課税となる
■ FIRPTAの適用外となる海外年金基金には公的年金および企業年金も含まれる
■ その他の海外投資家による米国の不動産売却への源泉徴収税率は10%から15%へ増加
FIRPTAの適用除外となる海外年金基金の規定
FIRPTAの適用除外となる対象は“適格海外年金基金“と規定されている。
適格海外年金基金の主な条件は、
・ 米国外の法制度のもとで設立されており、拠点を持つ国の政府によって認可され、当該政府の税務機関への報告義務が毎年ある
・ 既存職員または退職者(受給者)への退職金および年金支払いのために設立された基金
・ 基金の資産または収益の5%を超える権利を持つ単独の受給者がいない
・ 当該国の法令によって、当該国内での収益に対して非課税または税金の優遇措置を受けている基金
上場REITの海外機関投資家の持ち分も規制緩和
今回のFIRPTAの改革では、上場REITへの規制緩和も盛り込まれており、いままで上場REITの5%以下の持ち分をもつ海外機関投資家は当該REITの売却益またはキャピタルゲイン配当は非課税となっていたが、非課税対象となる持ち分を10%以下まで引き上げる。
市場に与える影響は?
今回のFIRPTA改革により、今後海外の年金基金からの米国不動産への投資の起爆剤となると予測される反面、海外の保険会社などの他機関投資家は除外対象には含まれておらず、かつ海外投資家の資産売却に対する源泉徴収税率は従来の10%から15%へ増加されている事から、改革によるメリットとデメリット両方が予想される。
また、現在のところ間接投資の際のストラクチャーや階層ごとの適用範囲について明確な説明に欠けている部分もあり、詳細については今後の専門家等の意見や実例が待たれる。
当ニュースは一般的な市場情報についての解説であり、アスタリスクは内容の保証をせず、内容は将来変更される可能性があります。 またアスタリスクは何らかの税務上のアドバイスを行う意図はありません。実際の税務上のアドバイスや見解については税務の専門家へお訊ねください。
■ 本記事について
Edited & written by Yukihiko Ito (伊藤 幸彦)
本レポートは上記の資料、情報提供、関係者へのヒアリングをもとにAsterisk Realty & Placement Agencyが編集したものです。本レポートの複製および転載についてはAsterisk Realty & Placement Agencyを参照元として明記する事を条件に許可いたします。
お問い合わせ: info@japanplacementagent.com
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過去の関連リポートは以下リンクからご覧になれます
世界最大級の公的年金ノルウェーGPFG、不動産へのアセットアローケーションを15%へ拡大提言
https://japanplacementagent.com/blog/alternative-investments/norges-gpfg-real-estate/
欧州大陸 : 不動産投資についての考察 – M&G Real Estate
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グローバル・コア不動産投資についての考察 – M&G Real Estate
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欧州QE (量的緩和) がもたらす欧州不動産市場へのインパクト – M&G Real Estate
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長期インフレ連動型インカム – 英国ロング・インカム型不動産
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英国の私募REIT(オープンエンドファンド)と不動産市場
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インフレーション感応型資産としてのグローバル不動産
https://japanplacementagent.com/blog/alternative-investments/inflation-sensitive-asset/
ケベック州貯蓄投資公庫のオルタナティブ投資
https://japanplacementagent.com/blog/alternative-investments/caisse-de-depot-et-placement-du-quebec/
SWFレポート2013 / Sovereign Wealth Fund Report 2013
https://japanplacementagent.com/blog/alternative-investments/2013-sovereign-wealth-fund-report-2013/
ノルウェーSWF “オイルファンド” Government Pension Fund Global
https://japanplacementagent.com/blog/alternative-investments/norway-swf-government-pension-fund-global/
米イェール大学の基金運用事例
https://japanplacementagent.com/blog/alternative-investments/yale-universitys-fund-management-case/
グローバル市場での不動産とは? 世界のトップ30の年金基金・SWFの投資動向
https://japanplacementagent.com/blog/alternative-investments/real-estate-investment-of-top-30-global-investors/
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※当レポートは情報提供を目的としたものであり、法的拘束力はありません。アスタリスクは、当レポートの内容に関する正確性および完全性を保証せず、その内容を随時変更することがあります。当レポートは金融商品の勧誘を意図したものでなく、市場に関しての情報提供を目的としたものです
2015年11月12日
100兆円規模の世界最大級の公的年金として知られるノルウェー・Government Pension Fund Global (GPFG)を運用するノルウェー中央銀行の資産管理部門であるNorges Bank Investment Management(NBIM)は2015年11月に”The Diversification Potential Of Real Estate (不動産投資運用の分散化余地に関する討議書)”をリリースしました。
当討議書では様々な学術的調査をもととした調査結果として、不動産へのアセットアロケーション目標を現行の5%から15%へ拡大させる意義を示唆しています。
討議書の主なポイント
■ 世界中の富の大半は不動産資産で構成されているが、投資対象となる範囲は限定的である。多くの専門的な考察によると、グローバル・アセットポートフォリオでの不動産への最適な資産配分は10%~15%と試算される。
NBIMの資料によると、現状の世界的な大型機関投資家の不動産への平均的なアセットアロケーションは保険会社が9.6%、公的年金が9.9%、SWF(政府系投資ファンド)は10.8%となっている。
■ 多くの学術的なリサーチの結論として、ミックス・アセット(複合資産)ポートフォリオに不動産を加える事によりリスク調整後リターンの改善と多様性によりポートフォリオの強化に繋がる。参考リサーチの中間値として15%の不動産への資産配分が提案されている。
■ 不動産へのエクイティ投資の手法としては、直接投資と上場不動産株または私募不動産ファンドによる投資に分類され、長期でのリターンにおいては直接投資と上場不動産株投資は類似した結果になるが、短期での運用においては大きな違いがあり、上場不動産株は株式市場の動きにより連動した動きが見られる。またグローバルに投資する上では、上場不動産株の市場が整備されている市場は限定されている。
■ 直接不動産投資のリターンを解析するにあたっては幾つかの評価手法があり、鑑定評価による手法は最も一般的ではあるが平滑化され過ぎる傾向がある。ボラティリティを計ることができる平滑化されない評価方法を用いることが現実的なリスク評価といえる。
■ 先進国不動産市場での歴史的リターンは国によって様々であるが、2000年~2013年の期間においてみれば平均して年間7%~9%の名目リターン、5%~7%の実質リターンを記録している。しかしながら、近年はリターンは減少傾向である。平均したリターン水準と平滑化しない評価によるボラティリティの面においては、不動産は国債と株式の間に位置するアセットといえ、どりえあかというと国債に近い性格を持っている。
■ 不動産リターンの株式や債券との低い相関性は、不動産をミックス・アセット(複合資産)ポートフォリオに加えるうえでの鍵となる要素である。しかし、この低い相関性という要素は非上場不動産に当てはまるケースであり、上場不動産株(REITなど)においては高い株式市場との相関性から当てはまらない。上場不動産株と株式市場との相関性は一定ではなく、また明確な実証が十分ではないが、市場に急激な変動がある時においては相関性が高まる傾向が見られる。
■ 直接不動産投資には幾つかと資産固有のリスクがともなう。大型のポートフォリオを形成することでリスクの軽減化は可能であるが、これらのリスクを完全に消し去ることは難しい。
■ 非上場不動産市場への投資は、株式や債券にくらべ格段に低い流動性をともなう。また、長いデュレーションにともなう不確実性や売却プロセスもリスクといえる。長期投資においてはリスクは限定的となるが、短期投資においてはリスク・リターン性向への影響は少なくない。
■ 一般的に不動産賃料はインフレーションに連動するため、不動産投資からのリターンは自然なインフレーション・ヘッジと言える。多くの学術的な研究では、インフレーション・ヘッジの手法として非上場不動産投資は有効ではあるが、上場不動産投資においては有効ではないという結果となっている。
■ 非上場不動産は固有の特徴とリスクを持った資産であり、株式や債券と分離した性格を有している。この点は全体ポートフォリオを構築するうえでのファンダメンタル要因として非常に有用である。
英語原文 (The Diversification Potential of Real Estate)
http://www.nbim.no/contentassets/6f7dc4d09cd94c10b76906442e6e1549/nbim_discussionnotes_1-15.pdf
GPFGについての背景及び解説 (アスタリスク調べ)
ノルウェーの”オイルファンド”として知られる公的年金、Government Pension Fund Global (GPFG)は、1990年にPetroleum Fundとして設立され、2006年に現在のGovernment Pension Fund Globalへ名称変更された。運用はノルウェー中央銀行の資産管理部門であるNorges Bank Investment Management(NBIM)が行っている。
GPFGは、将来予測される高齢化による経済減退や石油・天然ガス収入の枯渇時のノルウェー国民の年金資金等に備えるため、 ノルウェー大陸棚の石油・ガス事業からの国の収入を積み立てている基金である。長期の運用を原則としている。
GPFGは2015年9月末時点で約7兆160億クローネ(約100兆円)の運用資産を持ち、不動産へは2010年より投資を開始し毎年約4200億円~7000億円相当を外国債から不動産へ転換しており、現在は運用資産の3.0%が不動産に投資されている。
GPFGのポートフォリオは原則として外国資産のみで構成されているが、現在の目標ポートフォリオモデルでは株(60%)、債券(35-40%)、不動産(5%)となっており、他国の大型公的年金基金に比べ日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)とはアセットクラスごとのポートフォリオモデルおよび資産規模の面での類似性が高い。
GPFGの目標ポートフォリオの変更にはノルウェー政府の承認が必要であり、NBIMは現在新たにインフラストラクチャーおよびPEをGPFGの投資対象資産として組み入れるべく、ノルウェー政府に承認の働きかけを行っている。
ノルウェー・Government Pension Fund Global (GPFG)についての過去レポート(2013年3月)
https://japanplacementagent.com/blog/alternative-investments/norway-swf-government-pension-fund-global/
■ 本記事について
Edited & written by Yukihiko Ito (伊藤 幸彦)
本レポートは上記の資料、情報提供、関係者へのヒアリングをもとにAsterisk Realty & Placement Agencyが編集したものです。本レポートの複製および転載についてはAsterisk Realty & Placement Agencyを参照元として明記する事を条件に許可いたします。
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過去の関連リポートは以下リンクからご覧になれます
欧州大陸 : 不動産投資についての考察 – M&G Real Estate
https://japanplacementagent.com/wp-content/uploads/2015/10/52eee65c138da3475162613beaf0518b.pdf
グローバル・コア不動産投資についての考察 – M&G Real Estate
https://japanplacementagent.com/blog/alternative-investments/global-core-real-estate-investment/
欧州QE (量的緩和) がもたらす欧州不動産市場へのインパクト – M&G Real Estate
https://japanplacementagent.com/blog/global-pension-fund/perspectives-the-impact-of-qe-on-european-property-markets/
長期インフレ連動型インカム – 英国ロング・インカム型不動産
https://japanplacementagent.com/blog/alternative-investments/long-income-real-estate-investment-uk/
英国の私募REIT(オープンエンドファンド)と不動産市場
https://japanplacementagent.com/blog/alternative-investments/uk-open-ended-funds/
インフレーション感応型資産としてのグローバル不動産
https://japanplacementagent.com/blog/alternative-investments/inflation-sensitive-asset/
ケベック州貯蓄投資公庫のオルタナティブ投資
https://japanplacementagent.com/blog/alternative-investments/caisse-de-depot-et-placement-du-quebec/
SWFレポート2013 / Sovereign Wealth Fund Report 2013
https://japanplacementagent.com/blog/alternative-investments/2013-sovereign-wealth-fund-report-2013/
ノルウェーSWF “オイルファンド” Government Pension Fund Global
https://japanplacementagent.com/blog/alternative-investments/norway-swf-government-pension-fund-global/
米イェール大学の基金運用事例
https://japanplacementagent.com/blog/alternative-investments/yale-universitys-fund-management-case/
グローバル市場での不動産とは? 世界のトップ30の年金基金・SWFの投資動向
https://japanplacementagent.com/blog/alternative-investments/real-estate-investment-of-top-30-global-investors/
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現在、英国の不動産市場には、英国の年金基金や生命保険会社などに限らず、海外のSWFや年金基金や保険会社といっため数多くの国際的な長期投資家からの資本が集まっている。
『Property Data Report 2014』によると、2013年末時点での英国の商業不動産の規模は約6830億英ポンド(約129兆円)となっている。
【*本レポート内での為替は1英ポンド(£)=177円(¥)にて換算しています】
投資対象として保有される英国の商業不動産は約3850億英ポンド(約68兆円)で、そのうちの24%にあたる約940億英ポンド(約16兆6000億円)は海外投資家によって保有されている。
こういった英国不動産が海外の投資家を惹きつける理由としては、以下の様な理由が挙げられる。
・ 透明性の高い市場
英国の機関投資家向けの不動産市場の歴史は非常に長く、150年以上遡るといわれている。整備された法体系と、英語とコモン・ローを柱とした文化基準や市場原理は世界中に浸透しており、高い市場透明性を持っている。
・ 流動性と市場規模
大きな市場規模と多様な投資家を備える英国不動産市場は、他国に比べ高い市場流動性が備わっている。
・ 不動産オーナーに有利な市場整備
英国ではその長い歴史の中で、『トリプル・ネット・リース』をはじめとした不動産所有者にとって有利な商習慣が形成されている。(後述)
・ 市場成長性
英国は先進国(G7)のなかでも特筆して高いGDP成長を続け、また人口も増加を続けており、不動産市場も成長を続けている。
その中で、SWFや公的年金、生命保険会社、企業年金といった長期運用を旨とする機関投資家に対応した、英国不動産市場の特徴的な不動産運用方法としてロング・インカム型不動産投資がある。
ロング・インカム型不動産は30年などの長期の賃貸契約をSale-and-Leasebackなどの形式で信用力の高いテナントと結ぶ事によって、長期運用におけるインカムを確保できる不動産である。
賃貸契約は一般的に途中解約は不可であり、賃料は定期的にRPI(Retail Price Index = 小売り物価指数)といったインフレーション指標に連動して上昇する仕組みとなっている。
(左) 英国最大級のショッピングセンター・Westfield Stratford City
例として、英国政府省庁や電力会社、水道会社、保険会社などがテナントとして25年間の賃貸契約を結ぶオフィスビルや、ショッピングセンター、大手スーパーマーケットが30年契約を結ぶ商業店舗、大手ホテルチェーンが運営するホテルなどが挙げられる。
英国のロング・インカム型不動産の起源は、英国の大手生命保険会社が長期での保険金支払いやインフレと連動した負債に対応するインカムを確保する資産として運用資産に組み入れた事から始まっているため、着実な長期運用との相性の良い設計となっている。
まず一般的な長期運用資産と言えば、長期国債などの債券(Fixed Income)が主要な資産として挙げられるが、債券には以下のような側面もあると言える。
・低い利回り、、、インフレ連動型国債は高額であり、利回りが低い
・金利変動リスク、、、金利の変動によりリターンが左右される
・限定的なインフレヘッジ、、、一般的な社債ではインフレヘッジができない
ロング・インカム型不動産は債券(Fixed Income)が備えない上記の特徴をカバーしており、更に以下の特性を備えている。
・ 長期インフレーション連動性
長期の賃貸契約でありながら、賃料はインフレーションに連動して上昇のみする形態となっており、一般的なレンジでのインフレーションをヘッジできる。
・ 長期のデュレーション
20年・30年といった長期の賃貸契約からのインカムを基にした資産であるため、デュレーションも相応の20年・30年といった長期間であると言える。
・ 長期での着実なインカム性
長期の着実なインカムを根幹とした価値が確保されているため、短期での不動産市場サイクル変動のインカムとキャピタル両方への影響を回避できる。
・ インカムの複利での上昇
インカム(賃料)はインフレーションに連動して上昇し、微々ながらも複利で増大していくため、長期運用においては結果に大きなインパクトを持つ。
・ 実物資産性
実物資産であるため有限であり、価値がゼロになる事が無い。(可能性が著しく低い)
・ キャピタルゲイン
着実なインカムを確保しながらも、不動産としての価値(再調達価格や収益還元価値など)も備えており、インカム成長を反映したキャピタル価値の上昇も期待できる。
上記のように、年金支払いなどの長期でのインフレーションを伴う負債との一致、インカム性、実物資産性といったコンセプトは生命保険、公的・民間の年金基金といた機関投資家に非常に適した属性を備えている。
(左)ロンドンのQVC本部ビル:21年の定期賃貸契約で毎年2.5%の賃料上昇が盛り込まれている
ロング・インカム型不動産は長期運用に非常に適した資産であるが、不動産固有の特徴として非流動性が伴う。
こういった流動性の補完と適宜の時価評価を可能とする方法として、2003年頃より大手運用会社などにより流動性を付加したロング・インカム型の私募REIT(オープンエンドファンド)へと発展されている。
(上) M&G Secured Property Fundが運用するスコットランド電力の本部ビル。25年の長期賃貸契約が結ばれている
とりわけリーマンショックや欧州危機の際は多くの資金が安定を求めてロング・インカム型のファンドへ集まり、複数のロング・インカム型ファンドが普及しだした2009年以後では、ロング・インカム型は最も資産価値(NAV)の上昇割合が大きいファンドとなっている。
英国のロング・インカム型ファンドは、ファンドの規模順に
M&G Investment(英国Prudential保険系)の運用するM&G Secured Property Income Fund、
Standard Life Investments(英国Standard Life保険系)の運用するStandard Life Investments Long Lease Property Fund、
Legal & General Investment Management(英国Legal & General保険系)の運用するLPI Income Property Fund、
Pramerica Real Estate Investors(米国Prudential保険系)の運用するPramerica UK Ground Lease Fund、
以上の4つの私募オープンエンドファンド(私募REIT)が存在し、各ファンドとも、大手保険会社傘下の運用会社が運用している。
4つのファンドを合計した資産規模は2014年9月末時点で約45.8億英ポンド(約8000億円超)となっている。
運用資産(£) | 運用資産(¥) | 利回り(物件取得時) | 利回り(現況) | IRR(5年) | IRR(3年) | |
M&G Secured Property Income Fund | £ 22億7000万 | 4017億円 | 4.6% | 5.9% | 11.9% | 9.6% |
Standard Life Investments Long Lease Property Fund | £ 14億4700万 | 2561億円 | 4.7% | 5.8% | 11.8% | 9.1% |
LPI Income Property Fund | £ 5億1700万 | 915億円 | 4.5% | 7.3% | N.A | 8.6% |
Pramerica UK Ground Lease Fund | £ 3億4400万 | 609億円 | 3.4% | N.A | 8.0% | 8.4% |
合計 | £ 45億7800万 | 8102億円 |
Source : AREF/IPD Property Fund Vision Q3 2014
ロング・インカム型ファンドの特徴はその名の通り長期でのインカムに特化した構成となっている点で、長期の賃貸契約での賃料インフレーション連動型契約となっている。 以下は英国のロング・インカム型ファンドの特徴。 (Source : AREF/IPD Property Fund Vision Q3 2014)
・長期賃貸契約
基本的には各ファンドとも運用資産のほとんどは信用力の高いテナントと20年以上の長期契約を結んでおり、賃貸契約は途中解約不可の形態になっている。
・賃料インフレーション連動
基本的には1年毎、3年毎、5年毎といった周期で、RPI(Retail Price Index = 小売り物価指数)の変動に合わせて賃料が一定のレンジ内(例:1%〜5%/年)で上昇し、下降する事は無いUpward Only形式となっている。
・ 高い利回り
国債などのFixed Incomeよりも高い利回りが期待でき、 4つのロング・インカム型ファンドの利回り(Initial Yield)の加重平均は+4.51%/年となっている。
・商業不動産中心のアセットタイプ
ロング・インカム型ファンドの構成不動産は平均して80%以上がRetail またはStandard Retailといった商業不動産となっている。具体的には大手スーパーマーケット、ショッピングセンター、病院、大手物販、大学、公共機関などの不動産が含まれる。次いで15%ほどがオフィスとなっており、大手企業や法律事務所、政府系機関といったテナントが見られる。
・ Zero Leverage(ゼロ・レバレッジ)
英国の年金基金向けのコア型不動産ファンドの特徴としてレバレッジ(借り入れ)を用いておらず、不動産投資・保有は全額エクイティにて行われている。借り入れがゼロのため、財務健全性が高く、借り入れに影響される事無く長期の安定した運用が期待できる。
・ 流動性
ファンド毎に違いはあるが、オープンエンドファンド(私募REIT)の投資口の評価/償還申し込みは毎月または毎4半期可能となっており、投資家にとっての一定の流動性が確保されている。
・ トータル・リターン
着実な長期のインカムに特化したロング・インカム型ファンドではあるが、結果的にインカムの上昇(収益率の上昇)などに伴うトータルバリューの上昇から、インカム+αのトータル・リターンを期待することも出来る。
このような市場が成立する要因として、英国独特の商業不動産市場での商習慣がある。
英国の商業不動産市場は、伝統的に所有者とテナントが結ぶ賃貸借契約の期間が長い市場となっている。
英国では商業不動産賃貸契約の期間は大体5~15年間ほどが一般的であり、その他の欧州の地域のフランス(3年・6年・9年・12年といった3年区切り)、ドイツ(5年)、イタリア(6年)よりも比較的に長い期間での賃貸契約が用いられてきた。
また、他国と比べると不動産オーナーにとって有利な商習慣となっており、中途解約不可、賃料更新は上昇のみ、建物保守修繕・保険・税金はテナント負担(トリプル・ネット・リース)などといった市場慣習がある。
(Source : IPD)
そして賃料が上昇オンリー(Upward Only)という条件を満たすには、適度なインフレーションと経済と人口が増加し続けることが必要条件となる。こういった要素からも、英国は日本とは対照的に『投資家にとって有利な市場』と言える。
今後、グローバル経済の激しい変動と成長が予想される中、長期での資産の安定した運用と収入と負債のマッチングを求めるグローバル投資家からの英国のロング・インカム型不動産への需要はますます増加すると思われる。
また、過渡期を迎えている日本の年金環境からも、国内でも今後このようなコンセプトの運用体系への期待がでてくると予想される。
英国は日本と比べ、地主または不動産所有者の権利が強い市場といえる。
英国の不動産の所有権と貸借の制度の起源は11世紀にまで遡るといわれており、以来、王室や貴族などの特権階級が『所有者』として不動産の所有権を保持しながら貸借する形式が続き、20世紀初頭に現代的な貸借体系へと発展された。
現在の代表的な所有者の一例として、英国王室所有の不動産を管理するCrown Estateは英国最大の不動産所有者の一つであり、保有不動産の価値は約81億英ポンド(約1兆4000億円)に上る。
特徴的な事例として、住居不動産についての長期でのLeasehold(借地権)が挙げられる。英国では一般的に住居の購入者は土地の所有権(Freehold)に代わり借地権(Leasehold)を99年または125年といった期間で地主と契約する。商業不動産ではさらに長い期間のLeaseholdも見られ、999年の借地契約なども少なくない。
このような背景の下、英国統治地域であるCommon Wealth諸国では、英国法Common LawのもとにLeasehold(借地権)の概念が普及し、英国の政治の影響を受けたオーストラリアや香港といった地域では、今でもLeaseholdの概念が強く残っている。
Edited & written by Yukihiko Ito (伊藤 幸彦)
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先進国による量的緩和や歴史的な低金利政策、新興国の経済成長などに伴うグローバルなインフレーションが期待されるなか、
各国の金融機関、年金、保険、国富ファンドなど、長期での資産の保全と運用をする機関投資家からは、グローバルな分散投資とインフレーションヘッジの可能なアセットである不動産へのニーズが年々高まっています。
中でも、インカム性、資産安定性、流動性に長けたコア型の私募REIT(オープンエンドファンド)へは長期運用をする機関投資家より多くの資金が集まっており、その代表的な市場として英国・欧州があげられます。
とりわけ英国の私募REIT(オープンエンドファンド)市場にはグローバルな機関投資家が多く集まっており、その主な理由としては優れた市場の透明性、流動性、着実な成長性などがあげられ、海外投資家にとっては分散投資をするうえで外すことのできない『Key Market』っとなっています。
低いレバレッジ
伝統的に保険会社系をはじめとした大手コア型ファンドでは不動産保有にレバレッジ(借り入れ)を用いない(0%)の運用手法が取られている。そのため、金利変動やリファイナンスにともなうパフォーマンスへの影響や資産の売却圧力がかからず、健全な長期運用が期待できる。また近年はバーゼルⅡ – ⅢといったBIS規制の観点からも、0%レバレッジのオープンエンドファンドは一部の金融機関にとって投資しやすい対象として評価されている。
運用利回り
基準としてレバレッジが0%のコア型オープンエンドファンドでは、目安として4~6%の目標配当利回りが設定されている。
多少のレバレッジを用いるコアファンドでは、これよりも若干高い目標配当利回りが期待されている。
高い流動性
オープンエンドファンドはコア型に設定されているケースが多く、コア型のファンドでは、償還(解約)のタイミングは月毎または四半期毎に受付が可能となっているケースが大半である。
また私募REIT(オープンエンドファンド)の市場の歴史が長く、規模が大きく、様々な国の投資家が参加している事から、投資家の指向の多様性があり、市場のイベントの際に全ての投資家が同一方向に動くことによる流動性の欠如が少ないと期待できる。
長期賃貸契約 / インフレーション連動型賃料
英国では伝統的に商業不動産の賃貸契約は中期~長期(5年~30年)の定期賃借契約となっている。長期の安定賃料収入を確保すると同時にインフレーションをヘッジするために、一部のコア型ファンドでは長期契約において賃料がRetail Price Index(小売物価指数) の上昇に連動する『インフレーション連動上昇型』の契約形態が取り入れられているケースもある。
法的類型
主に英国の機関投資家を想定した英国籍のスキームではOEIC、海外の機関投資家を想定したオフショアではガーンジー籍のUnit Trustやルクセンブルグ籍のFCP-FIS / SICAV-FISなどといった投資信託に類する法的類型が一般的。
2013年末時点でのIPDのリサーチによる、主要先進国の大型の投資目的の不動産市場規模(推定)は、
英国は5951億ドル (全体の約10%)となっており、その他の主要先進国の市場規模の割合は以下となっている。
ヨーロッパ/EMEA(英国含む)、、、2兆5526億ドル (全体の約42%)
米国、、、2兆2379億ドル (全体の約37%)
日本、、、7078億ドル(全体の約12%)
英国、、、5951億ドル(全体の約10%)
ドイツ、、、4365億ドル(全体の約7%)
フランス、、、3786億ドル(全体の約6%)
カナダ、、、2933億ドル(全体の約5%)
オーストラリア、、、2072億ドル(全体の約3%)
となっており、
英国は日本と同程度の市場規模となっているが、世界最大の不動産投資市場であるヨーロッパの中心市場であること、2013年の円高であった水準でのドル建ての比較であることから、機関投資家にとっては最も重要度の高いコア市場であると言える。
国際法律事務所のWhite & Caseのレポートによると、2013年の外国人投資家によるロンドンの不動産への投資は199億英ポンド(日本円で3.5~4兆円規模)と推定されており、ロンドンは世界で最も外国資本による不動産投資がなされる都市となっている。
主な海外投資家
・SWF・政府系投資機関
カナダ公的年金投資運用(CPPIB)、ノルウェーオイルファンド(Government Pension Fund Global)、シンガポール政府投資公社(GIC)、韓国国民年金(NPS)、中国SAFE、中国投資公社(CIC)、カタール投資庁(QIA)、マレーシア公的退職積立基金、スウェーデン公的年金(AP2)、アゼルバイジャン石油基金(SOFAZ)、、、、と2013年だけでも35ヶ国の海外の政府系投資機関やSWFからロンドンの不動産(推定7000-8000億円)への投資がなされており、 2014年はさらに多くの投資額になると予想されている。
(上)Bank of America Merrill Lynch Financial Centre / 2014年10月にシンガポール投資公社(GIC)からノルウェーの政府投資会社へ1000億円を超える金額で売却
・年金基金
欧州各国、特にオランダやドイツなどの公的・民間年金基金から多くの不動産投資が行われている。(例. オランダAPG、PGGM、、、)投資の形態としては運用会社の運用する他投資家とのCo-mingled形式での私募ファンド(クローズドエンド)やオープンエンドファンド(私募REIT)が多く見られる。
・保険会社
英国の保険会社に留まらず、日本を含む世界中のほとんどの大手保険会社が英国の不動産市場で資産運用をしている。(例. フランスAXA、イタリアGENERALI、ドイツALLIANZ、、、)
(左)アジア系保険会社が2013年に取得したLloyds保険の本店ビル
・個人投資家
英国へは世界中の超富裕層といわれる個人投資家からも、その市場の安定性を理由に資産保全を目的とした不動産投資が活発です。直近では2014年11月に、ロンドン・シティのランドマークであるスイス再保険が入居する商業ビル・Gherkin(ガーキン)をブラジル人の富裕層が約1300億円(当時)で取得している。
多くのSWFや公的年金、保険会社、大学基金などにとって、英国の不動産は透明性と流動性を兼ね備えながらも、長期間に渡って安定した賃料収入(インカム)とインフレーションをヘッジしながらも将来的な値上がり益(キャピタル)を享受できるため、長期的な基金の存続と継続的な負債(または給付)の支払いという観点からマッチした資産と言えます。
SWFからの投資
前述のとおり、英国市場は世界で最も多くの海外のSWFや公的年金、大型保険会社からの不動産投資資金が集まる市場でもあり、これらの大型の投資家にあわせたセパレート・アカウント方式(個別勘定)や個別資産毎の運用も多く見られる。
Property Fund Researchのレポートによると、個別資産毎の運用で英国最大手のM&G Real Estateは各国のSWFなどから大型の投資資金を預かっており、2013年末時点での外部投資家向けの個別資産毎勘定での運用資産は、9物件で約113億英ポンド相当と日本円で2兆円近い数字に達しており、数千億円規模の大型資産も目立つ。
英国は歴史的にも保険会社系の運用会社が資産規模と併せて大きな影響力を持っており、運用資産トップ3はM&G Real Estate、Aviva Investors、Legal & General Propertyといった英国の主要保険会社系の不動産運用会社が名を連ねており、2013年末時点ではこの3社だけでも460億英ポンド相当の外部投資家の不動産資産を運用している。
GDP
英国は約3%のGDPの成長率を2014年は記録すると試算されており、この数字はG7(先進7ヶ国)の中でも突出した数字となっている。
インフレーション
英国政府はインフレターゲットを2%としているが、エネルギーや食料相場の下落の影響もあり2015年の前半にかけては1%をやや下回る程度のインフレ率になると予想されている。2014年11月の前年比での消費者物価指数(CPI)は+1.0%、小売物価指数(RPI)は+2.0%を記録している。
政策金利
英国の政策金利は2009年から0.5%に据え置かれており、2015年は序盤に総選挙を控えているため体制の固まる2015年後半までは金利の引き上げの可能性は低いと見られる。
人口予測
世界中から人(移民)や富(企業)が集まる英国は欧州地域で最も人口が増加している国であり、移民を中心とした労働人口を中心に人口の増加率は欧州平均の2倍となっている。英国の国家統計局の試算では2014年の人口は約6400万人だが、今後の15年間では人口は10%(約650万人)以上増加すると見込まれている。特に経済の中心地ロンドンの人口は力強い成長が予測されており、人口は2014年の約840万人から2030年には約1000万人に達すると予測されている。
住宅不動産
人口の増加を大きな要因に、英国の住宅価格は今後長期にわたり需要が供給を大きく上回る状況が続くと予測されており、Oxford Economicsの試算によると2019年までの今後の5年間で英国全体の住宅価格は平均30%上昇すると見込まれている。特に需要の集中するロンドンでは、今後の4年間で最低でも毎年約4万戸の住宅の新規供給が必要とされており、現状の供給(年間約2万戸)を大きく上回る需要が続くと見られている。
商業不動産
UK Consensusのレポートによると、2014年の英国の機関投資家向けの全タイプを含む商業不動産の総合リターン(キャピタル+インカム)は18.9%(キャピタル:12.6% + インカム:6.2%)と非常に高い結果が予測されている。
*キャピタル=不動産価格、*インカム=賃料収入
2015年からはキャピタルリターンは鈍化していくと見られているが、インカムリターンは安定的に年平均で5.5.%程度、2014年〜2018年の5年間での年間の平均総合リターンは9.2%(キャピタル:3.6% + インカム:5.5%)が見込まれている。
セクター別では、キャピタル、インカムともにオフィスと工業用不動産が有望なセクターとなっており、年間の平均総合リターンはオフィスは9.9%、工業用不動産は10.5%となっている。店舗やショッピングセンターはインカムの上昇が限定的なため、総合リターンでは店舗(8.3%)、ショッピングセンター(8.7%)と見込まれている。
(下)2014年-2016年でのイギリスのセクター・地域別の不動産総合リターン予測 / IPD 2014年
(下)短期(1年〜2年)・中期(1年〜5年)でのイギリスのセクター・地域別不動産の賃料変化予測(年間平均)/ IPD 2014年
Source: IMF、White&Case、Consensus Economics、Rightmove、Oxford Economics、Investment Property Forum、Institutional Investor、IPD、Property Fund Research、M&G Real Estate
Edited & written by Yukihiko Ito (伊藤 幸彦)
本レポートは上記の資料、情報提供、関係者へのヒアリングをもとにAsterisk Realty & Placement Agencyが編集したものです。本レポートの複製および転載についてはAsterisk Realty & Placement Agencyを参照元として明記する事を条件に許可いたします。
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※当レポートは情報提供を目的としたものであり、法的拘束力はありません。アスタリスクは、当レポートの内容に関する正確性および完全性を保証せず、その内容を随時変更することがあります。当レポートは金融商品の勧誘を意図したものでなく、市場に関しての情報提供を目的としたものです。
長らく続いたデフレーションと不況から抜け出し、前向きなインフレーションに関しての話題が聞こえるようになってきた日本ですが、
実際は、人口減少・他アジア諸国の産業の台頭による競争激化などといった要因から、長期的に安定した経済成長を望む事が難しく、日本国内経済に連動した金融資産は、成長するグローバル経済を基準にするとマイナス成長する資産と言えます。
需要と供給の伴った着実な経済成長には人口の増加は不可欠ですが、
現在の代表的な先進国である米国、英国、日本のなかでも、今後人口が減少すると予測されているのは日本のみです。
2050年の日本の人口は、比較的楽観的な国連の推計でも1億800万人、日本の総務省の推計では1億人を割り込むと予測されています。
さらに日本の場合は、高齢化傾向による労働人口の割合の低さも大きなポイントとして挙げられます。
その間にも、世界中で増え続ける人口は2014年現在の72億人から、2020年には77億人、2030年には84億人、2050年には95億人以上に達すると国連は予測しています。
グローバルでは増加する需要に対応してモノの価値が上がる中、日本では需要が減少するためモノの価値が下がる。 という構図になり、国内需要や消費に依存した事業や金融資産は相対的に価値が下がることが予想されます。
さらに、世界的な人口増やASEAN諸国をはじめとした新興国経済の急成長による資源需要の拡大や、近年先進国が採用してきた低金利政策および量的緩和政策は、近い将来に来るべきグローバルなインフレーション圧力を生み出すと予測されます。
個人・国家を問わず日本が世界的な金融競争力や所得水準・購買力・負債への支払い能力を維持する為には、今まで目を向けられていなかったグローバル資産に投資をする必要があります。
今後、インフレーションから資産を守りながらも相対的な収益を確保するのに最も必要になるであろう資産タイプは『Inflation Sensitive Asset』、すなわち『インフレ−ション感応型資産』であると言えます。
本レポートでは、長期の機関投資家にとって重要な『インカム性を持ったインフレ−ション感応型資産』の代表格であるグローバル不動産に焦点をあてたレポートとなっています。
インフレーション感応資産には以下のような投資対象が含まれます。
・インフレ連動債
・不動産
・天然資源・商品(エネルギー、金属、森林、農産物など)
・インフレーション感応型株式(インフラストラクチャー産業、エネルギー産業、不動産、鉱業、農業など)
主に実物資産、または実物資産に関連した資産クラスで以下のような特徴を持ちます。
実物資産性:
実物資産が元となるために(インフレ連動債を除く)、“有限”であり、人間に必要な“衣・食・住”すべてに密接に関連している資産でもあります。すなわち、グローバルに人口が増え、経済が成長すれば連動して価値の上昇する資産です。またその特性から急激なインフレーションの際にも負債と価値が連動し収益を生み出すため、インフレーションヘッジの手段としても最も有効で効率的な資産タイプです。
インフレヘッジ:
不動産や天然資源といった実物資産は、インフレーションの直接対象といえます。ゆえに、インフレーションによる資産価値への直接的なネガティブリスクをヘッジすることができます。また運用手法次第ではインフレーションを付加価値に変換する事も可能です。
伝統的な資産との非相関性:
インフレーション感応型資産がその特性を発揮している状況、言い換えれば、高いインフレーションが引き起こされている状況では、同時に債券や株式といった『伝統的資産での損失』が起きている状況を意味します。このような状況下で資産を守るうえでインフレーション感応型資産は非常に有効な資産クラスであり、投資ポートフォリオの分散化の鍵となる資産と言えます。
市場サイクル性:
不動産や天然資源といった多くの実物資産は特性として、需給関係をもとにした周期的な市場サイクルを持ちます。 サイクルの周期を捉えて効果的なリターンをあげる、他資産とのヘッジに活用するという運用方法も活用できます。
本レポートで焦点を当てる不動産は最も歴史の深いインフレーション感応型資産であり、高いインカム収入、価値の成長、インフレヘッジといった魅力的な特性の詰まった資産です。
日本の高度経済成長期〜バブル崩壊にいたる経済成長とインフレの道のりの象徴的な資産です。日本でのその最も輝かしい時期は過ぎてしまったのかもしれませんが、2020年の東京オリンピックに向けてなど、短期〜中期ではまた好機が望める要素があります。
そして日本とは比べ物にならない程の勢いで成長をするグローバル経済では、不動産にとって最も輝かしいステージがまさにこれから始まると思われます 。
不動産の特性
特性:安定キャッシュフローの創出
不動産は人間の生活や経済活動に必要不可欠な資産ですので、継続的な需要があり、需要は賃料をもととしたインカムをもらたします。
特性:価値の成長
不動産は実体経済の需要と供給のバランスから経済的価値が決定されます。非常にシンプルな資産であり、利用する人間が増えれば増えるほど価値が成長します。不動産資産はこれからのグローバル社会が迎える大幅な人口増、都市化の恩恵を大きく受ける事ができる資産です。
特性:低金利の市況化ではインフレ・ヘッジ+α
歴史的に、低い市場金利下ではインフレーションが誘発され、通貨の価値が下がりモノの価値が上昇します。不動産の実物資産性はインフレーションに連動した価値のヘッジが出来るだけでなく、借り入れ(レバレッジ)を組み入れることで更なるパフォーマンスの向上も見込めます。現在のように先進国市場が軒並み歴史的に低い金利水準にあり、マネーサプライを増やしている状況では、不動産には資産を守りながら増やすことのできる要素が備わっています。
特性:資源価格の上昇も不動産でヘッジ
不動産はその構造上、建築にかかる費用は資源や原材料の価格の変化に相関性を持ちます。不動産を購入する際に、購入者は新築で建てるか、中古の既存不動産を購入するかの選択肢があります。この選択の経済的な基準となるのが前述の再調達価格です。同様の経済的価値(キャッシュフロー)を生み出す不動産を得る上で、新築で建てたと仮定した場合の費用が再調達価格ですが、再調達価格には資源や原材料、人件費、金利などのコストが反映されます。資源や原材料価格が高騰する場合、不動産の再調達価格も上昇します、そして既存不動産の資産価値は再調達価格に近づく形で上昇します。
不動産とインフラストラクチャー資産特有のインフレヘッジ要素『再調達価格』と『キャッシュフロー』
不動産やインフラストラクチャー施設(道路、港湾、空港など)の価値は、その施設や不動産の調達価格(取得費用や建設費)と生み出すキャッシュフロー(賃料収入や利用料)によって決まります。
投資家としては、調達価格は支出で、キャッシュフローは収入です。
この二つはインフレーションへのヘッジに対しては非常に効率的な資産価値を形成する『相関する両輪』となります。
例として、仮に既存の商業施設A(資産価値100億円、税引後の年間賃料収入7億円)があったとします。(単純にするために他諸経費等は加味せず円建てとします)。この施設は資産価値に対してネットで年間7%の価値を生み出す資産となります。
もしインフレ−ションにより、数年後に不動産やインフラ施設の建設のための費用(建築資材、地価、人件費、必要な運送料など)のコストが上昇した場合、商業施設Aと同様の施設(同水準のキャッシュフローが期待できる)を調達するのに、20%高い120億円が必要になったと仮定します。この120億円は既存資産の再調達価格と言います。この時、商業施設Aの不動産としての資産価値はこの再調達価格に近づく事になります。
また欧米の商業施設ではよく見られるインフレーション連動型賃料が設定されている場合、インフレーションに合わせて賃料が上昇します。(例:毎年2%上昇など)当初の年間7億円だった賃料収入は5年後には約7億5800となります。この時、この不動産に対しての期待ネット利回りは7%のままと仮定すると、資産価値 = 7億5800万円 X 100/7= 約108億3000 万円となります。
よって資産価値は『再調達価格』と『キャッシュフロー』のインフレーションに合わせて上昇します。
これは鉄道や港湾施設といったインフラストラクチャー施設に取っても同様です。
鉄道や高速道路、港湾施設の再調達価格と利用料はインフレーションとともに着実に上昇します。
いびつにねじれ続ける日本の『インフレ感応型資産』不動産
長らくデフレ経済が続き、人口減による利用者減少が見込まれる日本では、上記の『キャッシュフロー』の上昇がイメージしにくい特異な市場です。
逆に建築資材や輸送費といったグローバルなインフレーションの影響を受ける再調達価格のみが上昇する可能性は高くあります。この場合、長らく資産価値に注目した投資運用をする場合は良いですが、キャッシュフローの上昇は限られているため、収益性は年々低下して行きます。ゆえに資産は年々割高になっていきます。
現在の日本での確立されたインフレーション感応型資産である不動産の市場では、この再調達価格の上昇による収益率の低下という状況が顕在化しています。
今後も長らく日本がこういったガラパゴス市場として存続できるならば問題は少ないかもしれませんが、近年急激にグローバル化し日本の経済が相対的に縮小する中で、海外市場との相関性が高まる事は不可避です。その際には各国間での収益性の差も収斂され、日本の不動産・インフラストラクチャー資産が生み出す低い収益性を基準に、その資産価値も低く見直される可能性があります。キャッシュフローの上昇を伴わない、いびつにねじれた資産価値の巻き戻しとなります。
今後、日本でもインフラストラクチャー市場が整備されていきますが、『キャッシュフロー』の上昇が伴わなければ、日本の不動産と同じくインフレーション感応型資産としての完成度は低いと言えます。人口減・利用者減が予想される地方のインフラストラクチャー施設でのキャッシュフローの改善(利用料の上昇)余地などは、明るいものとは言えないかもしれません。
このような事から、今後人口増・経済の成長の見込まれる海外市場での不動産・インフラストラクチャーといいった資産こそ、インフレーション感応型資産の特性を捉えた資産と言えます。
不動産は、人間の生活の中で最も必要な『衣・食・住』のうちの『住』を担い、通貨が発明されるよりも以前から続く人類最古の資産クラスです。そして現代人の生活では『衣』も『食』も、その調達には不動産が不可欠となっており、まさに人間の社会・文明・経済の根本を支える資産です。
不動産は『有限資産』であるため、限りある供給に対して増え続ける絶対的な需要(人口・経済の成長)を背景に、利用する人間が増えれば増えるほど価値を生み出します。
地域や国で考えれば、人が当分集まり続ける国や都市の不動産こそ、相対的な価値が保たれ(または上昇し)、そうでない地域は相対的な価値を失います。
様々な人口予測結果ががありますが、国立社会保障・人口問題研究所の試算では日本の国内人口は、2010年の約1億2800万人から、2030年には約1億1600万人、2055年には約9193万人に減少すると予測されています。
一方、グローバルには、人口は劇的に増加していくと予測されています。
今日のグローバル経済と日本が置かれている環境と、その将来を考えれば、国内の伝統的な資産の持つ「リスク」とともに、不動産という資産のグローバル市場での有用性が浮き彫りになると言えます。
国別不動産リターン(チャート)
地域別に見た不動産市況
ヨーロッパ
ヨーロッパでは近年のユーロ危機による信用収縮により、資金調達・リファイナンスの環境が逼迫しており、ヨーロッパの金融機関主導で不動産資産への借り入れの解消=デレバレッジが進んだ。市場サイクル(周期)性をもつ不動産において、こういった信用縮小期は、過去に長期投資の対象として理想的な投資局面を生み出してきました。依然ヨーロッパの機関投資家向け不動産市場は北米市場を超える規模を持っており、平時の流動性は高く、ヨーロッパの中でもイギリスとドイツの不動産市場へは、世界中から安定運用を求める多くの国富ファンドや機関投資家の資金が集まっている。
北米
米国の不動産市場は、今後しばらくは先進国の中で最も魅力的な投資先市場であり続けると見られている。リーマンショックによる金融市場麻痺から復活を遂げ、不動産市場・不動産金融市場ともに機能している。不動産利回りも魅力的な水準にある。米国不動産市場は優れた市場インフラ、法整備、合理性、大きな市場規模(流動性)を備えるだけでなく、『人口の安定した増加』と『比較的若い人口動態』という、先進国では珍しく、不動産市場において最も価値のある要素を持っている。 2015年には緩やかな利上げが開始されると予想されるが、底堅い経済成長とあいまった健全な市場成長が見込まれる。
サブプライム危機の残した時限爆弾とも言われ、長らく不動産価格の下落圧力となると懸念されていた発行済みCMBSの償還は、ピークとなる2014年~2017年の4年間に約4150億ドル規模が予定されているが、新規CMBSの発行増加傾向とテーパリングの間接的影響に伴いバランスの取れたソフトランディングをし、市場の新陳代謝を経た上での新たな成長が予想されている。
南米
経済成長著しい南米は、長期的に有望な不動産市場といえる。すでに、米国の公的年金をはじめ、カナダ国民年金運用CPPIBやケベック州貯蓄投資公庫、オランダの公的年金基金などが、ブラジルやチリなどで中間層向け住居や商業施設への需要拡大を見込み、総額で数千億円規模の大型の不動産投資を行っている。欧州・北米や一部アジアの大型機関投資家からの注目を集めはじめており、今後の2〜3年間で一気に世界中の資金が集まる可能性を秘めている。
米国や欧州などの先進国の公的・企業年金の一般的な不動産へのアセットアロケーションは近年上昇傾向にあり約10%程度となっています。
米国の不動産投資を行う年金基金で構成されるPREA(Private Real Estate Association)のリサーチによると、主な会員である米国の年金基金の約50%が全資産の8%以上を不動産投資に割り当てています。
また100億ドル以上の海外資産を保有する大型基金の76%が海外での不動産資産への投資をしており、ヨーロッパ(43.7%)、中南米(15.8%)、アジア(36.6%)と非常に幅広い地域への投資を行っている。
海外の年金基金以外に、ここ数年で特に海外のSWFが不動産投資を本格化させているケースが多く見られます。
主な例としては、中国CIC、韓国NPSを筆頭にアゼルバイジャン、ロシア、といった国のSWFが、欧米とアジアの先進国市場を中心に大規模な不動産投資を行っています。
また2013年には台湾の保険会社の海外不動産投資が解禁されたり、中東のオイルマネーのアジアへの不動産投資が加速されるなど、世界的に活発な分散投資の対象資産になっています。
参考レポート:世界のトップ30の年金基金・SWFの投資動向
https://japanplacementagent.com/blog/alternative-investments/real-estate-investment-of-top-30-global-investors/
不動産投資に積極的な代表的な海外の公的年金基金としては、カナダとオーストラリアの公的年金基金が挙げられます。
一例として、ケベック州の公的運用基金のケベック州貯蓄投資公庫 (La Caisse de dépôt et placement du Québec)の運用リポートはこちらからご参照いただけます。
https://japanplacementagent.com/blog/alternative-investments/caisse-de-depot-et-placement-du-quebec/
不動産資産へ投資する際、機関投資家にとっての選択肢としては、直接不動産投資、上場REIT、私募ファンド、私募REITが主な投資手段となります。
*本レポートでは日本の市場関係者に区別しやすいように、一般的なOpen-End Fund を私募REIT(オープンエンド型)、Closed-End Fundを私募ファンド(クローズエンド型)と表記しています。
直接投資
グローバル市場での直接不動産投資はシンガポールGIC、中国CIC、カナダCPPIBなどの海外の大型SWFや公的基金が行っていますが、一般的には経験と専門知識と数百億円単位での大口の投資資金が求められるため、限られた機関投資家にとっての選択肢となっています。
上場REIT
また上場REITは配当を生み出すという不動産資産の特徴の一端を持っていますが、株式市場との高い相関性と価値の変動性はインフレーション・ヘッジや分散投資の側面からは適しておらず、不動産資産の利点を欠いています 。
2014年12月までの過去3年間のREIT指数と株式市場との相関値は米国90%、英国91%、日本95%を記録しています。
機関投資家がインフレーション感応型資産としての特性を十分に享受できる不動産投資資産 としては、私募REIT(オープンエンド型)と私募ファンド(クローズドエンド型)が最も適していると思われます。
私募REIT(オープンエンド型)
私募REIT(オープンエンド型)は固定利付け債券(Fixed Income)の性格の強いインフレーション感応型資産といえます。
資産価値はインフレーションと物件価値に連動し、定期的に安定したインカムを創出します。先進国市場での私募REIT(オープンエンド型)の一般的な年間リターン(利払い)は4-8%程度に設定されています。
基本的に安定した配当(キャッシュフロー)を創出することに特化し、長期で価値の安定した不動産(コア不動産)の組み入れ構成となっているケースが多く、非常時にも価格の変動(下落)を受けにくい構成となっているケースが大半です。
その安定した価値やインカム創出は機関投資家にとって、債券よりも高いリターン生み出す代替資産として非常に有望です。
また前述の通り、欧米の私募REIT(オープンエンド型)などでは、その組み入れ資産(不動産)の賃貸契約にインフレーション条項があるケースもあり、その場合はインフレーションに連動して賃料(キェアッシュフロー)が上昇する仕組みとなっており、投資家にとっては長期でのインフレヘッジが出来ます。
一例として、英国大手生命保険会社プルデンシャル生命の運用会社M&G Real Estateが運用する私募REIT(オープンエンド型)の一つは、英国の優良不動産で構成され、賃借人となるテナントは国際的な優良企業や公的機関などの信用の非常に高いテナントに特化しており、各テナントとは平均で30年間ほどの長期固定の賃貸契約が結ばれ、賃料はRPI (Retail Price Index=小売価格指数)が上昇した場合は連動して賃料も上昇する契約形態となっています。 このように債券よりも高い利回りとインカム上昇余地が期待できながらインフレーション感応度が高く、安定した長期運用に適したFixed Incomeの代替的要素を持った設計がされているケースもあります。
このような要素から、海外のイギリス、米国、ヨーロッパといった大きな市場規模と投資家本位の条件が備わった私募REIT(オープンエンド型)市場へは、国富ファンド(SWF)、保険会社、企業年金、国際機関年金といった長期の機関投資家からの投資事例が多く見られます。
流動性に関しては、私募REIT(オープンエンド型)の流動性はある程度確保されていますが、経済危機などといった突発的なイベントの際は、現実的には全ての解約(償還)へ応じる事は難しく、非常時に際しての流動性には制限があります 。
近年新たな投資商品として脚光が集まる日本の私募REIT市場ですが、海外市場に比べ市場規模や条件面からも流動性が圧倒的に低く、条件も運用会社に有利なものとなっており、また日本の市場自体が将来的にインフレーション感応型資産としての要素を備えていると言い難い状況です。
今後は特定の市場に依存しない分散投資とインフレーション感応型資産へのニーズから、日本の機関投資家より海外市場での運用を行う私募REIT(オープンエンド型)への需要が大きく増えると予想されます。
その着実なキャッシュフロー性と実物に裏付けられた資産価値から海外では年金や保険、国家ファンドといった長期のインカム性とインフレーションヘッジ性を重視する投資家にとって魅力の多い私募REIT(オープンエンド型)ですが、
私募REIT(オープンエンド型)は基本的に流動性や透明性、安定性を重視した設計になっているため、市場のサイクルを読んで効率的に投資したり、大掛かり改装など手を加えて不動産の価値を上昇させる、、、等といった不動産特有の専門知識を活かした運用には特化していません。
こういった不動産特有の専門知識や環境を活かした運用主体は私募ファンド(クローズドエンド型)となります。
私募ファンド(クローズドエンド型)
グローバル市場での私募ファンド(クローズドエンド型)には多くの種類があり、低いレバレッジを採用し、市場のサイクルの割安時期での投資、過小評価されている不動産の再活生、長期のインカム重視のコア不動産投資、、、等といった戦略をとっている専門的な運用会社も数多くあります。
長期投資の魅力の詰まった不動産ですが、必ずしも国内で流通している私募ファンド(クローズドエンド型)の商品設計がその特性を捉えているとも限りません。
例えば、日本の機関投資家向け商品としては、 高レバレッジ高リターン型の私募ファンド(クローズドエンド型)が未だメインプレーヤーとなっていると言えます。
このようなIRR 12〜20%などの高いリターンを目指す私募ファンド(クローズドエンド型)などは、リターンの大部分をキャピタルゲインに依存しているため、物件保有時の高い借り入れ比率(レバレッジ)が必要となます。そのため、ちょっとした市場の調整局面・短期間での急激な変動の際は、 投資家の出資分(劣後・エクイティ部分)の価値への影響が強くなり、最悪の場合は全てのエクイティ価値の消失が予想されます。市場が好転した際には大きな利益を上げる事のできる戦略ですが、この場合、「長期的に安定したインカム収入を得ながら、インフレーションをヘッジし価値の上昇を享受する」という不動産資産特有の利点が活かされていない商品設計とも言えます。
投資先の選考にあたっては、「どのような市場サイクルに沿った運用をしているのか? そして今はどの時期なのか?」、「借り入れレバレッジの比率」などといった点を留意するべきでしょう。
不動産固有のリスク
不動産固有のリスクとしては、土壌汚染や災害、紛争、非常時の国家による接収、借り入れ金利の変動、賃借人の居座り、、、など、不動産(動かせない資産)ならではのリスクがあります。
グローバル不動産投資のリスク
投資ファンドへの出資を含むグローバル不動産投資でのリスクでは、上記の不動産固有リスクに加え、通貨変動、各国間での法令や税務の扱いの違い、市場や権利関係が整備されているか、現金化や資産の持ち出しの制限、、、といった要素が挙げられます。
運用委託の際のリスク
金融機関や基金などの機関投資家が不動産投資を行う際、大半は専門的な運用会社に運用を委託する形で投資を行います。
運用会社の存続性、人材の不定着性、関連企業との利益相反、地域・市場サイクルと運用方法の不適合、、、などといったリスクに留意する必要があります。上記の項目から分かるように、巨大運用会社=低リスクという訳ではございません。
少子化が進む日本ですが、現時点では抜本的な移民の受け入れ政策が採用される可能性はしばらくなさそうですので、高齢層への年金支払いを担う若年層の増加には期待が出来ません。
人口・国内消費が縮小すれば、年金基金の主な運用資産となる国内金融資産の価値が相対的に下がることは不可避といえます。
グローバル市場で不動産をはじめとする有形・有限の実物資産を保有することは、これから人口や経済を成長させ世界を牽引していく市場の恩恵を受けられる最良の方法のひとつであり、
日本の高齢化のスピードと同程度に、労働・消費人口が逆に増加する国や都市の不動産に投資することは、より理にかなった選択肢となると思われます。
Source: OECD、United Nations、IMF、Oxford Economics、国立社会保障・人口問題研究所、総務省、White&Case、Institutional Investor『Sovereign Wealth Center』、IPD、PREA、M&G Real Estate
Edited & written by Yukihiko Ito (伊藤 幸彦)
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東京都千代田区紀尾井町3-29 グリュックハイム2003
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ケベック州貯蓄投資公庫(CDPQ = The Caisse de dépôt et placement du Québec)はケベック州に所在する計29の公的年金基金、公務員共済基金、公的保険基金の資産を運用しており、 カナダ国民年金(Canada Pension Plan)に次ぐカナダ第2位の資産規模を持つ投資主体。
29の出資者(投資委託者)のうちの主な8つの基金が全体の約97%相当の資金の委託者となっている。
公庫が運用する受給者の純資産は2012年末時点で1,762億カナダドル。1カナダドル=100円で日本円に換算すると17兆6200億円と、日本の企業年金連合会の運用資産の約1.6〜1.7倍にあたる。(2012年末時点での資産を1カナダドル=100円で計算した場合)
設立は1965年で、約1億7,900万カナダドルの運用資産とともにスタートした。その後の1966年から2012年までの47年間で設立当初の約1450倍の 資産を運用/管理する規模までに大幅に成長し、世界有数の公的基金運用機関となっている。
総資産推移
1966年: 1億7,900万カナダドル
1970年: 13億2,100万カナダドル
1980年: 109億6,500万カナダドル
1990年: 373億400万カナダドル
2000年: 1,247億800万カナダドル
2010年: 1,991億3000万カナダドル
2012年: 2,591億3600万カナダドル
*2012年末時点の内訳:1,762億カナダドル(受給者の純資産)+ 376億カナダドル(負債)+ 453億カナダドル(関連子会社 が受託運用/管理する不動産資産など)= 2,591億3600万カナダドル
資産規模の大幅な拡大の主な要因には、ケベック州貯蓄投資公庫への出資機関(基金受益者)とその運用委託金の増加に依る所が大きいが、47年間の投資活動による資産全体の年間平均リターンは+8.41%と、長期にわたり非常に優秀な実績を挙げている。
また運用開始からの47年間で総資産規模を約1450倍にまで膨大させ世界有数の超巨大基金へと変貌するまでに、時々の基金の規模や目的に沿うように段階的に資産の分散化を進めてきた。ケベック州貯蓄投資公庫の歴史と輝かしい運用実績はこの『分散化』に深く裏打ちされており、その沿革は『分散化の歴史』とも言える。
1960年代&1970年代
資産規模: 1966年から1980年までの約15年間で資産規模は109億6,500万カナダドルと発足時の約60倍となる。
ポートフォリオ: ほとんどがケベック州政府債などの確定利付証券・債券で構成。
1980年代&1990年代
資産規模: 2000年までに1,247億800万カナダドルの資産規模を持つ巨大運用機関に成長。発足時の約700倍の規模となる。
ポートフォリオ: 積極的な分散投資を進める。株式への投資比率を増やし、ケベック州外への投資を進め、カナダ株および外国株への投資を行う。不動産やプライベートエクイティといったアセットクラスへの投資を本格化。
2000年代~現在
資産規模: 2007年まで好調な運用成績を記録するも、2008年には金融危機 の打撃を受け-25%と総資産の4分の1の損失を計上する。直後から短期的な経済危機の影響を受けにくいより流動性の低い長期投資資産や分散化を進める。2009年は+10%のリターン 、以来年間換算で平均+10.7%のリターンを挙げ2012年末時点の総資産は2,591億3600万カナダドル。発足時の約1450倍。
ポートフォリオ: プライベートエクイティ、不動産、確定利付証券・債券、株式などの16に分類される世界中の資産へ投資。
過去15年間の投資運用成績
年度 | 年間リタ−ン |
1999 | 16.5% |
2000 | 6.2% |
2001 | -5.0% |
2002 | -9.6% |
2003 | 15.2% |
2004 | 12.2% |
2005 | 14.7% |
2006 | 14.6% |
2007 | 5.6% |
2008 | -25.0% |
2009 | 10.0% |
2010 | 13.6% |
2011 | 4.0% |
2012 | 9.6% |
47年間のうちで資産に対してのマイナスの投資リターンを記録した年は8回あり、その8年の資産の損失の平均は−6.9%。ケベック州貯蓄投資公庫の47年の歴史の中で最大の損失を計上した2008年は−25%を記録した。
2008年の大幅損失を教訓に2009年7月よりポートフォリオの更なる分散化、長期投資を前提としたプライベートエクイティや不動産、インフラストラクチャーなどの非流動性資産へのさらなる投資といった再構築を行い、以降から2012年末までの 1年間に換算した資産に対しての平均投資リターンは+10.7%(年度毎の4年間の平均は+9.2%)、2012年は+9.6%と、18兆円近い資産を運用する先進国の巨大投資機関としては非常に傑出した運用成績を上げている。
2012年末時点の純資産1,762億カナダドルのうち、約149 億カナダドル(約1兆4900億円)は2012年の純投資リターンによる増加、23億カナダドルは受益者からの運用委託資金の払い込みによる増加となっている。
受給者の純資産の1,762億カナダドルに対して負債が376億カナダドルと非常に健全なバランスシートであるとともに、長期的視点からの分散投資戦略など、財務・運営に関しての評価は非常に高く、Moody’s、Standard & Poor’s、DBRSの信用格付けはAAA(トリプルA)となっている。
ケベック州貯蓄投資公庫は未来を見据えた長期的な運用方針を持っており、以下の5つの優先的な指針となるテーマを掲げている。
・絶対的な収益の追求 【質の追求】
エクイティ(企業)などの投資対象については、市場のインデックスや指標といった要素よりも、経済や将来に対しての合理性・確証性といった要素に重点を置いた高いクォリティの企業へ投資し、投資対象とする企業と長期の深い関係を築きあげ、より優れたゴールを目指す。
・非流動性資産への投資 【有形資産をターゲットにする】
長期的な投資 の基礎として、 有形資産(Tangible asset)、実体経済に価値が直接リンクしている資産への投資を行う。
プライベートエクイティ、インフラストラクチャー、不動産といった流動性は低いが実体経済、有形資産といった価値に裏付けされた資産への投資を増加させる。
・ケベック州への投資 【最も精通している市場へ投資する】
最も精通している市場への投資とケベック州への地域貢献という側面からケベック州の資産への投資には高い優先順位を設定している。プライベートエクイティやエクイティ投資関連においては、ケベック州の企業とグローバル市場の橋渡しとなる役目を果たす事、ケベック州の次世代の国際的な経済・起業リーダーシップの強化への貢献を目指している。
・エマージング・マーケットへの投資 【経済成長へ投資する】
エマージング市場へ投資する事により、エマージング市場の成長の恩恵を経済的に享受する。 深い専門性と知識を持った現地のパートナーを通じて投資する事により市場の理解と投資精度を深める。エマージング市場への投資は直接投資、間接投資投資ともに増加させる。
・深い専門性と高いプロセス精度【 専門性と効率化】
内部のポートフォリ運用力の強化、広範な学術的リサーチの運用、各分野の専門性と運営力の強化、リスク管理と投資判断の継続的な統合、効率化に繋がる運用システムやプロセスの改良、といった取り組みを通じて投資・運用の効率を最大化させる。
上記の各テーマから、ケベック州貯蓄投資公庫が各資産への理解と専門性を高め、長期にわたって人的・経済的資源をかけていくことにより利益の最大化とリスクの最小化を目指している姿勢がうかがえる。
日本の同様の年金や保険などの公共性基金との共通点は「最も精通している市場で投資する」といった要素くらいではあるが、これも意図や内容には大きな違いがあるのではないだろうか。 「リスクを最小化するには高い流動性」といった日本の基金運用の従来型のセオリーからは真逆ともいえる「リスクを最小化しリターンを最大化するには長期の高いクォリティ資産への資源の集中」といった点が際立った違いとして見られるのではないだろうか。
同時に約18兆円の純資産を運用する巨大基金であるケベック州貯蓄投資公庫は、前述の通り長年にわたり『分散投資』として複数の分野への投資を進めている。
次項はケベック州貯蓄投資公庫の投資ポートフォリオと各アセットの役割についてである。
ケベック州貯蓄投資公庫の投資ポートフォリは以下の3つの主要資産カテゴリーとその他の計4つの資産カテゴリーで構成され、各資産カテゴリ−ごとに資産クラスを分類し、計16の資産クラスに分類されている。
資産カテゴリーと資産クラス
・確定利付証券・債券(Fixed Income)
目的: ポートフォリオ全体のリスク減少、基金受給者の資産と負債の調整
資産クラス: 短期債券、中期債券、長期債券、不動産担保債権
・インフレーション感応型資産(Inflation Sensitive Asset)
目的: インフレ−ションへの対応、負債のインフレ−ションリスクのヘッジ
資産クラス: インフレ連動債、インフラストラクチャー、不動産
・株式およびプライベートエクイティ(Equity)
目的: 長期の目標リターンの増加
資産クラス: カナダ株、グローバル株、米国株、EAFE株(ヨーロッパ、オーストラリアおよび極東)、エマージング株、プライベートエクイティ
・その他(Other)
目的: 資産の分散下と他資産の補完
資産クラス: ヘッジファンド、アセットアロケーション(デリバティブ等)、ABTN(担保付きローン等)
各資産カテゴリー及び資産クラスへの投資比率、直近のリターンは以下のとおり
資産カテゴリ− | 資産クラス | 投資資産価額 (1億カナダドル) | 投資比率 | 投資方針 | 2012年リターン/年 | 過去4年間の平均リターン/年 |
確定利付証券・債券 | 短期債券 | 89 | 5.1% | インデックス | 1.1% | 1.0% |
中期債券 | 438 | 24.9% | アクティブ | 4.3% | 7.3% | |
長期債券 | 37 | 2.1% | インデックス | 3.4% | 8.9% | |
不動産担保債 | 76 | 4.3% | アクティブ | 5.1% | 3.0% | |
計 | 640 | 36.3% | 3.9% | 6.1% | ||
インフレ−ション感応型資産 | インフレ連動債 | 12 | 0.7% | インデックス | 2.7% | 12.2% |
インフラストラクチャー | 63 | 3.6% | アクティブ | 8.7% | 22.4% | |
不動産 | 180 | 10.2% | アクティブ | 12.4% | 5.4% | |
計 | 255 | 14.5% | 11.1% | 9.6% | ||
株式およびプライベートエクイティ | カナダ株 | 220 | 12.5% | アクティブ | 6.6% | 10.8% |
グローバル株 | 138 | 7.8% | アクティブ | 14.0% | N/A | |
米国株 | 102 | 5.8% | インデックス | 13.5% | 10.4% | |
EAFE株 | 98 | 5.6% | インデックス | 15.2% | 5.3% | |
エマージング市場株 | 87 | 4.9% | インデックス | 15.8% | 13.1% | |
プライベートエクイティ | 178 | 10.1% | アクティブ | 13.6% | 14.2% | |
計 | 823 | 46.7% | 12.2% | 11.8% | ||
その他 | ヘッジファンド | 32 | 1.8% | アクティブ | 4.7% | 6.0% |
アセットアロケーション | 11 | 0.6% | アクティブ | N/A | N/A | |
ABTN | 0 (-8) | N/A | アクティブ | N/A | N/A | |
計 | 43 | 2.4% | 9.6% | 9.2% | ||
計(純資産総額) | 1762 | 100.0% |
各資産カテゴリー、資産クラスについての詳細は次項をご参照ください
確定利付証券・債券 / Fixed Income
確定利付証券・債券へは36.3%のアセット・アロケーション(640億カナダドル=6兆4000億円)を行っており、2012年度は3.9%のリターンを記録した。
ベンチマークには、最も一般的なカナダの債券インデックス・DEXを採用しており、2012年はベンチマーク+0.7%のリターンを収めている。
ケベック州貯蓄投資公庫の確定利付証券・債券ポートフォリオは、
・短期債券
・中期債券
・長期債券
・不動産担保債
以上の4つのアセットクラスに分類され、主にカナダの国債、社債、不動担保債で構成されている。中期債券へはアセットクラス別では全体で最も高い24.9%のアセット・アロケーションがなされている。
不動産担保債を除いた債券全体では、アセットアロケーションの約32%を占めている。
これは日本のGPIF(約70%)や企業年金連合会(約60%)と比べると約半分の水準である。
参考として、その他の主要なグローバル基金ではシンガポールGICは22%、CalPERSは18%、カナダCPPIBは33%、ノルウェーGovernment Pension Fund: Globalが35%、イェール大学基金は4%を債券へのアセットアロケーションに充てている。
ケベック州貯蓄投資公庫のポートフォリオのなかの安定性を担っていると言えるFixed Income(確定利付け証券/債券)のカテゴリーのなかで、最も興味深いアセットクラスは、全体の4.3%のアセットアロケーションがされている不動産担保債(または不動産担保融資を証券化した証券)ではないだろうか。
不動産担保債(証券)はMortgage Backed Security(MBS)と呼ばれ、担保となる不動産資産の種類によりCMBS(C=Commercial/商業)、RMBS(R=Residential/住宅)などに分類される。 ケベック州貯蓄投資公庫の投資する不動産担保債の対象不動産別の割合はオフィス(52.2%)、ショッピングセンターなどの店舗(29.5%)、住居(9.9%)、ビジネスパーク(6.2%)、ホテル(2.2%)という内訳になっており、すべてカナダ内の不動産が対象となっている。うちケベック州の不動産が40.6%と最も高い。(2番目はオンタリオ州の35.6%)
ケベック州貯蓄投資公庫は、不動産担保債の実体経済を反映した資産価値の安定性、固有不動産に価値が依存せずリスクを広く分散化(平均化)できる点、とともに、国債等よりも高いリターンを期待できる有用な資産として評価している。 2012年度の不動産担保債ポートフォリオのリターンは+5.1%と力強い成績を挙げている。
インフレーション感応型資産 / Inflation Sensitive Asset
インフレーション感応型の資産への投資はケベック州貯蓄投資公庫の長期運用の特徴であり、ケベック州貯蓄投資公庫は最も先進的にインフレーション感応型資産を運用するSWFと言える。 運用資産全体の14.5%(255億カナダドル=2兆5500億円)をインフレーション感応型資産へ投資している。 インフレーション感応型資産全体では2012年度は+11.1%のリターン、過去4年間平均では年+9.6%のリターンをあげている。
アセットクラスは以下の3つに分類されている
・インフレ連動債
・インフラストラクチャー
・不動産
インフレ連動債 ケベック州貯蓄投資公庫のポートフォリオのインフレ連動債とはカナダ政府または自治体の発行するReal Return Bond。Real Return Bondの元本はCPI(消費者物価指数)と連動している。 ケベック州貯蓄投資公庫はインフレ連動債の投資ベンチマークは1.1%と設定しており、インフレヘッジを主な目的としている。全体ポートフォリオ内での投資比率は0.7%と控えめであるが、2012年度のリターンは+2.7%とベンチマークを大きく超えている。カナダのインフレーションを反映してリターンのうちの半分は債券自体の価格の上昇によるものだった。 過去4年間の年平均ではリターンは+12.2%を記録しており、16のアセットクラスの中で、インフラストラクチャー(+22.4%)、プライベートエクイティ(+14.2%)に次ぐ3番目に高いリターンを記録している。
インフラストラクチャー ケベック州貯蓄投資公庫の全体資産の3.6%にあたる63億カナダドル(約6300億円)の資産を有しているインフラストラクチャー資産は、過去4年間ではケベック州貯蓄投資公庫の16の全アセットクラスの中で最高となる年平均+22.4%の高リターンを生み出している。2012年度単年でのリターンは+8.7%。
ケベック州貯蓄投資公庫の投資対象となるインフラストラクチャー資産の定義は、
政府や自治体により規制された市場での独占的な地位を持ち、長期的に安定した利用契約と高いキャッシュフローが見込めるインフラ資産および設備としている。
大部分は、空港施設、変電施設、水および電力の供給施設、交通施設、石油やガス関連施設といった施設を運用する会社の株式の取得といった形で投資運用を行っている。
運用方針は10年以上の長期投資を旨としており、戦略的なパートナーとの共同投資を行うケースが多い。経済変動の影響を受けにくい長期で安定した需要の見込める企業および事業への投資を掲げている。
過去4年間の高いリターンの主な要因としては、金利の低下による相対的な資産価値の上昇(インフレーション)を挙げており、2013年からは今後の金利の上昇を見込んだヘッジ戦略を取り入れていく方針としている。
最近の主なインフラ投資事例としては、以下のようなケースがある
・2013年6月、ケベックの風力発電施設の建設・運営プロジェクトへ5000万カナダドル(約50億円)のタームローンを融資。同プロジェクトは電力会社のHydro Quebecへの20年間の長期売電契約が裏付けられている。
・2012年4月、フランス大手公共交通機関運営会社のKeolisの株式を追加取得。Keolisの株式はフランス国鉄SNCFとケベック州貯蓄投資公庫が共同保有をしている。(ケベック州貯蓄投資公庫は30%の株式を保有)
・2012年2月よりオーストラリアのPPP事業へインフラストラクチャー投資運用大手のPlenary Groupと共同投資を開始。投資案件にはコンベンションセンター、オーストラリア国防軍宿舎、オーストラリア内の国営病院、警察署および裁判所施設、バイオ農業研究所、ガン研究所などが含まれる。すべての施設はオーストラリア政府関連機関と長期利用契約を結んでいる。
また、2012年にはポートフォリオの分散化の一貫として、イギリスのヒースロー空港ホールディングスの株式を含む10億カナダドル(約100億円)の資産の売却も行っている。
2012年末時点での地域別の運用・保有しているインフラストラクチャー資産の内訳、ヨーロッパ(59.6%)、米国(21.1%)、ケベック州(14.7%)、ケベック州以外のカナダ(2.1%)、、、となっており、セクター別ではエネルギー関連(44.2%)、産業インフラ(38%)、電力・水道(14.2%)、通信(1.6%)と続く。
セクター別の投資割合
エネルギー(オイル、ガス等) | 44.2% |
産業インフラ | 38.0% |
電力・水道 | 14.2% |
通信 | 1.6% |
消費材 | 1.6% |
ヘルスケア | 0.4% |
不動産 不動産投資はケベック州貯蓄投資公庫の長期の安定した運用の柱となるアセットクラスであり、16のアセットクラスの中では、中期債券に次ぐ10.2%(180億カナダドル=約1兆8000億円)のアセットアロケーションをおこなっている中核となるインフレ感応型資産である。 2012年度は+12.4%のリターンをあげている。 直近の4年間では、リーマンショックの影響を大きく受けたものの、年平均+5.4%のリターン成績を残している。
ケベック州貯蓄投資公庫は、不動産資産は安定した長期分散投資の方法として優れているだけでなく、異なる市場や異なる時間軸の賃貸契約を混ぜることによってインフレーションへのヘッジとして最も有効な資産でありながら、債券(確定利付証券)よりも高い利回りを得られる資産として非常に高く評価している。
ケベック州貯蓄投資公庫の長期安定運用と資産の分散化という目的に不動産は非常に適しており、世界の年金基金やSWFの中でも類をみないほど不動産投資に関しての専門的な投資・運用体制を敷いている。 その最たる特徴として、傘下の不動産投資・運用会社のIvanhoe Cambridgeを通じての世界中での不動産投資が挙げられる。
運用方法には私募不動産ファンドへ投資、直接の不動産開発、不動産取得といった形式が含まれる。
通常、年金基金などの保守的な運用をする基金の投資対象不動産はオフィスが中心となるケースが大部分だが、ケベック州貯蓄投資公庫の不動産投資の特筆すべき点としてショッピングセンターなどのリテール(小売り)不動産が全体の不動産ポートフォリオの約40%と最も大きいセクター別の不動産資産となっている。 消費者物価、インフレーションとの感応性の高いショッピングセンター(リテールおよび小売り)関連不動産への投資は、ケベック州貯蓄投資公庫の運用戦略のインフレヘッジとして非常に適性であり、 ブラジル、中国、カナダ、ドイツ、ロシア、スペイン、英国、米国と世界中の好立地に所在するショッピングセンターへ投資している。 セクター別の運用資産割合は、ショッピングセンターおよびリテール関連不動産(39.9%)、オフィス不動産(30.7%)、不動産私募ファンド(9.2%)、ホテル不動産(7.0%)、住宅(6.6%)、、、となっている。
セクター別の不動産ポートフォリオ
リテール(ショッピングセンター等) | 39.9% |
オフィス | 30.7% |
私募不動産ファンド | 9.2% |
ホテル | 7.0% |
住居 | 6.6% |
不動産ローン | 3.3% |
その他 | 3.3% |
不動産資産へは積極的なグローバル分散投資を行っており、傘下のIvanhoe Cambridgeを通じて20ヶ国以上の市場へ不動産投資を行っている。 投資先エリア別の不動産ポートフォリオの内訳は、ケベック州以外のカナダ(32.2%)、米国(24.1%)、西ヨーロッパ(20.4%)、ケベック州(16.6%)、エマージングマーケット(5.8%)、アジア先進国(0.9%)となっている。
投資先エリア別の不動産ポートフォリオ
カナダ(ケベック州を除く) | 32.2% |
米国 | 24.1% |
西ヨーロッパ | 20.4% |
ケベック州 | 16.6% |
エマージング市場 | 5.8% |
アジア先進国 | 0.9% |
最近の主な不動産投資事例としては、以下のようなケースがある
・2013年4月、Ivanhoe Cambridgeを通じてゴールドマンサックス、グレイスターと共に米国の複数の都市の住居不動産(計27棟:8010戸)、総額約15億米ドル(約1500億円)相当のポートフォリオへ投資。 ケベック州貯蓄投資公庫は、「当該住居不動産は再調達価格よりも安く取得でき、新規住居供給が難しくも今後経済成長が見込める地域にあり、高いキャッシュフローが見込める」と評している。
・2013年3月、Ivanhoe Cambridgeを通じて米TPGとカリフォルニア・シリコンバレーのオフィスビル計73棟のポートフォリオ(約4億ドル=約400億円)を取得。
・2012年12月、Ivanhoe Cambridgeを通じて他2社の共同投資家とともにロンドン中心部の賃貸住宅(計4棟)を取得。
・2012年11月、Ivanhoe Cambridgeを通じてニューヨーク・マンハッタン中心部のAクラス・オフィスビル1411 Broadwayの持分を取得。
・2012年、Ivanhoe Cambridgeを通じてブラジルのショッピングセンターへの投資を活発化。 カナダの国民年金運用CPPIBと共同での複数のブラジルのショッピングセンターの持分の取得を皮切りに、リオ・デ・ジャネイロ、サン・パウロなどの大型ショッピングセンターへ投資。
ケベック州貯蓄投資公庫は市場の変化に対応した2013年からの方針として、ヨーロッパの不動産資産のウェイトを減らし、中国といったエマージング市場での不動産投資のウェイトを増やしいく方針を打ち出している。
同時に、不動産、インフラストラクチャー、PE(プライベートエクイティ)といった非流動性資産へのポートフォリオ比率を2012年度末時点の24%から30%へ引き上げる方針を決めており、エマージング市場を中心とした不動産資産投資を更に加速させると見られている。
不動産投資のもたらす、分散投資、長期の安定したインカム、グローバルなインフレーションヘッジといった公的な年金基金運用機関の必要とする要素を最大限に評価・運用していると言える。
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Edited & written by Yukihiko Ito (伊藤 幸彦)
本レポートはケベック州貯蓄投資公庫の開示資料、情報提供、関係者へのヒアリングをもとにAsterisk Realty & Placement Agencyが編集したものです。本レポートの複製および転載についてはAsterisk Realty & Placement Agencyを参照元として明記する事を条件に許可いたします。
SWFについての考察・研究は今後さらに発展する要素と大きな必要性をもったトピックであり、弊社では率先して他機関との連携や協力をおこなって行きたいと考えております。情報提供やお問い合わ等、ご遠慮なくお問い合わせください。
お問い合わせ: info@japanplacementagent.com
過去の関連記事:
弊社と提携するグローバル機関投資家向けメディアのPEIは、9月18日にマンダリン オリエンタル ホテル 東京にてPERE Forum : Japan 2013を開催します。
本カンファレンスはグローバル不動産投資に関しての国際的なカンファレンスで、日本では最大級のグローバル機関投資家向け不動産投資カンファレンスとなります。
アジア、ヨーロッパ、米国を中心とした世界中の年金基金、SWF、不動産投資運用会社のトップが集結し、日本の不動産投資へのアロケーション、投資戦略といった最も注目を集めるトピックについて生の意見をぶつけ合います。また世界の機関投資家のトップ達とのネットワーキングには絶好の機会でもあります。
参加申し込み・プログラムやスポンサーシップ等に関してのお問い合わせは弊社までご連絡ください。
アスタリスク(e-mail) : info@japanplacementagent.com
アスタリスク(tel) : 03-3263-9909
PERE Forum: Japan 2013
2013年9月18日 マンダリン オリエンタル ホテル 東京
プログラム
(*各セッションの題目/スケジュールは暫定です。講演者様等のご都合や属性により変更の可能性がございます。)
すべてのプログラムにて日本語/英語の同時通訳が提供されます。 |
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9月17日 火曜日 |
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1830 |
VIPディナー & カクテル (招待制) |
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9月18日 水曜日 |
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0815 |
来場受付 & コーヒータイム |
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0900 |
PERE 開会挨拶 |
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0905 |
スペシャル・プレゼンテーション “国内公的年金の概要と運用” |
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0925 |
ジャパン・アウトルック パネル・ディスカッション アベノミクスの不動産市場回復への影響は? 円安が日本の不動産市場に与える影響は? 外国人投資家にとっての日本の不動産市場の魅力とは? |
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1010 |
プレゼンテーション 講演者 大谷 洋司 ドイツ証券 グローバル・マーケッツ本部株式調査部 マネージングディレクター |
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1030 |
J-REITs &私募REITs パネル・ディスカッション J-REITの適正価格水準は? J-REIT へのアベノミクスの影響は? 賃料上昇はいつか? REITsの長所と短所は? |
1115 |
コーヒーブレーク & ネットワーキング |
1135 |
オポチュニスティック投資 vs コア投資 パネル・ディスカッション |
1220 |
機関投資家の見る日本の私募不動産市場 パネル・ディスカッション 機関投資家のポートフォリオにとっての不動産の役割は? どのように運用会社を選定するのか? アジアと日本の投資機会の違いは? |
1300 |
ランチ & ネットワーキング |
1400 |
海外投資 パネル・ディスカッション 今年、教職員共済が60億円を海外REITへ投資すると発表した中、この海外REIT投資の流れに続くのは誰か? 先進国と新興国の不動産投資機会の違いとは? |
1440 |
インフラストラクチャー投資 パネル・ディスカッション インフラストラクチャー投資のトレンドは? インフレ感応型資産としてのインフラストラクチャー、不動産の役割は? 投資リスクは? |
1520 |
コーヒーブレーク & ネットワーキング |
1540 |
物流不動産 パネル・ディスカッション 物流不動産市場の成長は持続可能か? 注目が集まっている物流不動産、その現実は? 物流不動産への期待は過剰か? モデレーター Matthew Zann ベアロジ 代表取締役社長 講演者 帖佐 義之 GLP Japan 代表取締役社長 Paul McGarry グッドマン・ジャパン CEO |
1615 |
ホスピタリティ&リゾート関連不動産 パネル・ディスカッション 観光業界の成長の鍵は国内需要か海外観光客か? 増加するアジアの中間層の日本の観光業への影響は? 円安のホスピタリティ関連不動産への影響は? |
1700 |
閉会 カンファレンス閉会後には、全ての参加者、スピーカー、スポンサー様向けのカクテル・パーティーがございます。 |
ジョナサン・ブラッセ PERENews.com 編集者
ロンドンを拠点に、PEREの配信するオンラインニュース・PERENews.comの編集者を努める。英国の商業不動産業界誌・Property Weekにて4年間に渡り、地域担当編集者、ニュース・レポーターを経て、グローバル特派員として現在のPEREのメインコンテンツであるグローバル不動産投資市場・私募不動産投資家・私募不動産投資運用会社についてのレポートを担当。
2009年1月よりPEIにてPERE誌のアソシエイト・エディターとしてアジア地域を担当、現在はPERENews.comのグローバル・ニュースを統括する。英国ケント大学卒業。
ケン・チャン GICリアルエステート・インターナショナル・ジャパン 駐日代表 代表取締役
モルガン・スタンレー証券会社東京支店、ABNアムロ証券会社シンガポールル支店等を経て、2000年シンガポール政府投資公社の不動産投資事業部門子会社GI CリアルエステートPte Ltdに入社。同社はニューヨーク、サンフランシスコ、ロンドン、東京等の国際的ネットワークを通じて不動産直接投資、企業投資、不動産投資ファンド、債券等、多岐にわたる不動産投資事業をグローバルに展開、運用資産は数百億ドルに上る。2005年より同社の日本支社、GI Cリアルエステート・インターナショナル・ジャパン株式会社代表を務める。南カリフォルニア大学にて理学士号を取得。
スチャッド ・チアラヌサティ SCキャピタル・パートナーズ マネージング・ディレクター
SCキャピタル・パートナーズはパン・アジア地域を対象とした不動産投資ファンド・Real Estate Capital Asia Partners(RECAP)の運用会社。2004年、RECAPを組成。投資委員会の会長を務めると同時に、自らも物件取得、バリューアップ、業務遂行に携わり、RECAP I(1号ファンド)とRECAP II (2号ファンド)は合計4億1000万米ドルを超える投資実績とともに大きな成功を収め、直近の3号ファンドとなるRECAP IIIへは世界中の機関投資家から運用受託金、総額5億3000万米ドルの調達を達成した。
RECAP創業以前は、タイ中央銀行、シンガポールSWFのTemasekでの勤務を経て、シンガポールのJPモルガンにて7年間に渡り、バイス・プレジデントとして東南アジア地域の不動産および金融機関向けの自己勘定投資・投資銀行業務を担当。その後、1999年から2004年後半までWestbrook PartnersおよびWestbrook Real Estate Partners(WREP)に勤務。1999年にはWREPのアジア拠点のシンガポール設立を担当、その後、2004年後半までの5年間に渡りマネージング・ディレクターとしてWREPのアジア地域での投資を統括。1986年、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスにて経済学の学士号を優等で取得。1987、インペリアル・カレッジ・ロンドンにて経営学の修士号を取得。
帖佐 義之 GLプロパティーズ 代表取締役社長
1992年、三井不動産に入社、オフィスのリーシングや住宅開発事業に従事したのち、同社の関連会社である三井不動産投資顧問に出向。海外投資家に対する不動産投資助言業務およびアセットマネジメント業務に従事した。2003年、プロロジスに入社、物件取得業務を立ち上げ、主要業務の一つに成長させた。その後に、シニア・バイス・プレジデントとして投資運用業務全般を統括。2009年3月、GLプロパティーズ株式会社設立と同時に常務執行役員に就任、日本におけるリーシング、取得・売却、アセットマネジメントおよびファイナンスを含む業務全般を指揮している。慶応義塾大学法学部卒業。
平井 幹久 イデラキャピタルマネジメント 代表取締役会長
2004年11月、旧アトラス・パートナーズ株式会社の代表取締役社長に就任。以来、当初の受託資産30億円を、2012年5月の旧株式会社エムケーキャピタルマネージメントとの合併時には1,400億円まで伸ばす。入社以前は、日本およびアメリカにおいて25年以上にわたり不動産融資関連および海外業務に従事。その大半を旧株式会社東京銀行(現株式会社三菱東京UFJ銀行)で過ごす。さらに、旧GMAC Commercial Holding Corp.(現Capmark Financial Group Inc.)のアジア地区におけるCEO、エグゼクティブ・マネジングディレクター等を歴任する。1999年に負債総額2兆円の旧株式会社日本リースの会社更生法手続きにおけるスポンサーである旧日本GMACコマーシャル・モーゲージ株式会社(現キャップマークジャパン株式会社)の代表として、資産・事業分析を統括、会社更生計画策定手続きに参画し、2000年4月に会社更生手続き下で500億円超の不動産資産を含む約1,000億円の営業譲渡を成功裏に実施する。クロスボーダーの不動産投資に関しこれまでに数々の先駆的取引を成功させてきた実績を誇る。
本間 純 日経BP社 「日経不動産マーケット情報」副編集長
日経BP社で約10年間IT記者を経験した後、2006年より同社のニューズレター「日経不動産マーケット情報」で取材・執筆。国内外の不動産専門家、機関投資家を対象として、数多くのインサイドストーリーの報道と、不動産売買データの定量分析・調査に関わる。同社では、不動産取引データベース商品「ディールサーチ」と、英語版媒体「Nikkei Real Estate Market Report」の開発・運営責任者も務める。1997年慶應義塾大学経済学部卒、2010年早稲田大学ファイナンス研究科修了
星野佳路 星野リゾート 代表取締役社長
1960年、長野県軽井沢町生まれ。1983年、慶應義塾大学経済学部卒業。米国コーネル大学ホテル経営大学院修士課程修了。1991年、(株)星野リゾート社長に就任。所有と運営を一体とする日本の観光産業でいち早く運営特化戦略をとり、運営サービスを提供するビジネスモデルへの転換、またゴールドマン・サックスやグローブ・インターナショナルといった海外の機関投資家との共同事業を行うなど先進的な事業戦略を取り入れる。2001年に山梨県のリゾナーレ、2003年に福島県のアルツ磐梯、2004年に北海道のトマムとリゾートの再建に取り組む一方、軽井沢に実家の温泉旅館を改築し2005年「星のや軽井沢」を開業した。その後2009年に「星のや京都」、2012年に「星のや竹富島」と星のやブランドを展開している。
運営拠点は現時点で全国に32カ所にまで成長、2010年からブランド統一を模索、2011年に小規模な高級温泉旅館の新ブランドとして「界」を4カ所で同時に誕生させ、今後も界ブランドの温泉旅館を展開する計画。リゾナーレも新ブランドとして展開を計画、2011年12月にはリゾナーレ熱海を開業、2012年には沖縄の小浜島、北海道のトマムにリゾナーレを開業させた。
礒部 英之 森ビル・インベストメントマネジメント 代表取締役社長 一橋大学商学部を卒業後、1993年に三井不動産へ入社し主にオフィスビル部門業務に従事。2002年にペンシルバニア大学ウォートンスクール にてMBAを取得後、コロニー・キャピタル・アジア・パシフィックにて私募不動産ファンド業務を担当。
2003年11月に森ビル・アーバンファンド株式会社(現:森ビル・インベストメントマネジメント株式会社)入社。2006年には森ヒルズREITの上場に際して中心的役割を担う。
2007年に森ビル株式会社へ入社、財務本部 事業開発部長として国内外の投資家への資産売却、外部投資家との共同投資を統括。2010年6月、森ビル・インベストメントマネジメント株式会社の代表取締役社長へ就任(現任)。2011年4月、森ヒルズREIT投資法人執行役員へ就任(現任)。
伊藤 武 アイシン企業年金基金 シニア・ポートフォリオ・マネジャー/事務長
アイシン企業年金基金にて年金資産の管理・運用業務に携わる。1998年アイシン精機株式会社に入社と同時に年金基金へ出向し現在に至る。1991年に野村投資顧問株式会社(現 野村アセット・マネジメント)に入社。主に米国、欧州を中心とした海外のマクロ経済調査を担当。1997年よりCIOの下でアシスタントを務める。早稲田大学政治経済学部卒。CMA、CIIA、CFAを取得。
岩瀬 正典 三菱地所株式会社 グローバル事業部副長 兼 投資マネジメント事業部副長
1991年に三菱地所株式会社入社。住宅事業部門において、マンションをはじめ、国内において住宅開発を多数手掛けた後、2001年にグループ全体の海外事業の統括部署である海外事業部に異動。2005年より、ニューヨーク所在の同社100%子会社であるロックフェラーグループ社に出向。以後5年間に亘り、主にニューヨーク州及びニュージャージー州で郊外型の大規模開発プロジェクトを手掛け、2010年より現職。2013年には、ロックフェラーグループと協業のうえ「U.S. プレミア オフィス ファンド」を設立、250百万㌦の資金調達に携わり、投資マネジメント事業のグローバル展開の推進役を担う。1991年東京大学・経済学部卒業。
アンドリュー・ジョーンズ AMPキャピタル インフラストラクチャー債部門 マネージング・ディレクター
25年以上に渡るインフラストラクチャー債権関連資産の運用、組成、案件発掘の業務経験を持つ。ナショナル・オーストラリア銀行、およびナショナル・ウェストミンスター銀行でのオーストラリアン国内業務の上級職を経て、2000年1月よりAMP キャピタルの投資チームに加わる。現在、AMPキャピタルのグローバル・インフラストイラクチャー債権関連業務を指揮。AMP キャピタルのインフラストラクチャー投資委員会の委員も努める。オーストラリア・ファインダーズ大学にて経済学の学士号を取得。
川野 真治 海外投資運用部長 東京海上不動産投資顧問
東京海上火災保険(現東京海上日動火災保険)にて、1998年以降、不動産証券化投資業務に従事する一方、ニューヨーク州子会社を通じて投資した米不動産ファンドの管理、ロンドン・シティ所在の英国支店ビルの運営、海外遊休資産の売却に携わる。また、日本初の不動産投資信託(ジャパンリアルエステイト投資法人)の設立にスポンサーサイドで関与。2003年の当社設立に参画し、以後は国内年金基金及び金融機関向け不動産ファンド組成(総額1,110億円)及びファンドマネジメント業務に従事。2008年より海外アセットマネジメント会社との業務提携、新規事業開発、マーケットリサーチ業務に従事。2011年より当社運用受託物件のアセットマネジメント全般を統括。2012年3月より現職にて、国内年金基金及び金融機関向け海外不動産投資プラットフォームの設立に携わる。東京大学工学部卒。ビジネス・ブレークスルー大学大学院経営管理専攻修了。
スコット M .ケリー エートスキャピタル・リアルエステート マネージングディレクター、創業者兼CEO
エートスキャピタルのマネージングディレクター、エートスキャピタル・リアルエステートCEOを兼任。14年間に渡りモルガン・スタンレーにてグロバール不動産投資グループのマネージングディレクター兼共同ヘッドを務め、Morgan Stanley Real Estate Fund (“MSREF”) I、II、III、スペシャルシチュエーションファンドの投資委員会のメンバーなどを歴任。その後、 2002年にACA(エートスキャピタル・アジア)を設立。以来ACAはアジアで最も積極的な海外機関投資家として日本、韓国、中国で90億米ドルを超える不動産関連投資を行っている。 バージニア大学マッキンタイアビジネススクールにて理学修士号、ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院にて修士号取得。
久保俊一 日本経済新聞企業年金基金 常務理事兼運用執行理事
1974年に日本経済新聞社に入社。東京編集局で国土交通省(旧運輸省)などを担当。その後、国内の株式市場や企業の業績動向を取材。日経新聞デスクなどを経験したあと、2000年3月から速報ニュース部門である日経QUICKニュースの編集部長。2002年3月に日本経済新聞企業年金基金(当時日本経済新聞厚生年金基金)の事務局長、2007年3月から現職。
クリスチャン・マンシーニ サヴィルズ・ジャパン 代表取締役兼CEO 北東アジアCEO
2004にサヴィルズ・ジャパンを設立し、不動産投資・鑑定部門を築き上げる。2007年に日本のCEOに就任後は、日本でのサヴィルズのグローバル企業戦略の遂行責任者として サヴィルズ・ジャパンのビジネスを急速に成長させ、同社の収益を倍増させた。
2012年、サヴィルズ・アセット・アドバイザリーの取締役に就任。2012年9月からはサヴィルズ・北東アジアのCEOを務め、現在は同時にサヴィルズ・ジャパンおよびサヴィルズ・韓国の代表取締役兼CEOも務め、世界中のサヴィルズのオフィスとの連携、事業戦略の実行を指揮する。15年以上の日本での勤務経験を持ち、不動産投資、アセットマネジメント 、建築、設計といった広範な専門的知識と経験を持ち、日本語に堪能。現在も自らインベストメント・セールス、アセット・マネージメント、国内外のクライアント・リレーションを指揮する。Run For The Cure Japanの理事も務めている。
丸山 裕 HTLキャピタルアドバイザーズ マネージングパートナー
30年間以上にわたりホテル経営・運営業務に従事。国内外に所在するシティホテルからリゾートの新規開業・リブランディング・ターンアラウンド等の運営管理を開業準備室長・総支配人として担当。代表的なプロパティは、ウェスティンホテル淡路・宮崎シェラトンリゾートフェニックスシーガイヤ・ウェスティンリゾートグアム・レオパレスリゾートグアム等。また、ウェスティンやシーザーパークのアジア太平洋地域における開発、グリーンハウスグループのホテル運営会社経営企画、チャーターズロッジンググループジャパンの設立・経営、並びに不動産投資ファンドであるエートスが所有・経営するホテルポートフォリオのアセットマネジメント(HAM)をHAMチームのヘッドとして担当した。コーネル大学ホテル経営学部卒業(開発・不動産投資分析専攻)
松本 啓 旭化成企業年金基金 インベストメント・オフィサー
1998年3月、慶應義塾大学大学院理工学研究科修了。同年4月、旭化成工業株式会社(現 旭化成株式会社)に入社。経理セクションにて決算業務や経理システム業務に従事。2005年12月より現職。
松尾 正俊 玄海キャピタルマネジメント 代表取締役社長
2006年に㈱玄海キャピタルマネジメントを立ち上げ、代表取締役に就任。バリューアップ戦略を得意とするファンドマネジメント業務と専門家チームによるアドバイザリー業務を中心に、現在総額約30億円のオフィスビル、地方の大型商業施設、地域密着型ショッピングモール、ホテルを管理・運営している。
玄海キャピタルマネジメントを立ち上げる以前は2004年から㈱福岡リアルティにて代表取締役社長を務め、福岡リート投資法人を組成し上場を果たす。1999年からリーマンブラザーズにてシニアバイスプレジデントを務め日本における同社の自己勘定投資のマーケティングを統括。1993年から Mitsui Fudosan America, Inc. にてバイスプレジデントとしてカリフォルニア及びハワイに所在する約10億円相当のポートフォリオ収益不動産のアセットマネジメントを担当。1987年に三井不動産㈱入社。アジア太平洋不動産協会ボード・メンバー、ULIジャパンカウンシル・メンバー。 ペンシルバニア大学ウォートンスクール MBA・ジョセフローダースクールMA、東京大学法学部卒
ポール・マクギャリー グッドマン・ジャパン CEO
グッドマン・ジャパン株式会社のCEOとして、日本の物流不動産市場における開発用地取得、開発業務、コンストラクションマネジメント、プロパティマネジメント、およびファンドマネジメント事業を展開する約60名の不動産エキスパートから構成される日本事業を統括。グッドマン・ジャパンは日本において2つの私募ファンドを運用。国内外の機関投資家向けコア不動産ファンドのほか、ADIC(アブダビ投資評議会)との50/50共同開発パートナーシップを通じて7億米ドル以上の新規物流不動産の開発を行っている。グッドマングループは全世界で230億米ドルを超える物流不動産の運用を手がけている。
ポール・マクギャリーはインベストメントバンキング、アクイジション、ファイナンス、開発およびファンドマネジメント事業の分野で16年の経験を有し、日本赴任は7年目となる。ウエスタン・オーストラリア大学で商学士号(アカウンティング&ファインアス)および法学の学士号を取得。シドニーのマッコリー大学にてファイナンスの修士号を取得。
アラン・ミヤザキ ブラックストーン (Blackstone) シニア・マネージングディレクター
ブラックストーン・グループのシニア・マネージングディレクターとしてシンガポールを拠点にアジア全域の不動産取得を統括。
スターウッド・キャピタルにて投資業務を担当後、2001年にブラックストーン入社。以来、米国にてExtended Stay America、 Prime Hospitality、La QuintaやValad Property Groupといった総額300億ドル以上の小売、ホテルセクターへの投資案件を手掛ける。2007年よりアジアでの不動産ビジネスの構築を担当、代表案件はオーストラリアと日本における総額36億ドルの不動産担保ローンの購入や、AIGへの12億ドル規模の東京AIGビルの売却アドバイザリーなど。ペンシルバニア大学ウォートン校にて経済学士の学位取得
野口 卓 みずほ証券 不動産金融開発第1部 部長
1992年、東京大学経済学部を卒業後、みずほファイナンシャルグループの前身の一つである日本興業銀行へ入行。財務省への2年間の出向を含む、延べ15年以上に渡る金融業界での深い経験を持つ。2002年末より不動産証券化業務に特化し、以来10年以上に渡り、数多くのJ-REITの新規上場・公募増資・合併、私募REITの資金調達、不動産PEファンドの組成、不動産証券化や他関連業務に携わる。テキサス大学オースティン校にてMBAを取得。米国公認会計士資格および宅地建物取引主任者資格を保有。日本証券アナリスト協会会員。
大谷 洋司 ドイツ証券 グローバル・マーケッツ本部株式調査部 マネージング・ディレクター
HSBC、シュローダー、クレディ・スイスなどの国内外の証券会社にて株式アナリストとして従事。2010年ドイツ証券入社、マネージング・ディレクター兼、不動産(含むJ‐REIT)・住宅・建設担当の株式アナリストに就任。2013年には、『日経ヴェリタス』人気アナリストランキングにおいて住宅・不動産セクターで第4位、米国Institutional Investor ランキング(住宅・不動産)で2位に選ばれた。日本証券アナリスト協会会員。著書は『日本の不動産 急浮上が始まる!』
ネイサン・ペイン Prologis シニア・バイスプレジデント
DHL Express Japanにて日本国内での物流委託契約(3PL)の提案を含む複数の管理業務を担当。その後、2007年にPrologis入社し、バイデスプレジントとしてトランズアクションおよびビジネス・デベロップメントを担当。2009年より日本、韓国、シンガポールのCOOとして業務を統括。現在、Prologisシンガポールのオペレーション・ヘッドを努めるとともに、Prologisのシニア・バイスプレジデントとして顧客リレーションおよびアジア地域の機関投資家とのリレーションを担当。15年間の日本での居住経験があり日本語に堪能、2012年よりシンガポール在住。IREM(Institute of Real Estate Management)認定のプロパティ・マネージャー資格を保有。ダートマス大学卒業。INSEADにてMBAを取得。
トーマス・プーリー フォートレス・リアルエステート(アジア) 最高投資責任者
バンカーズ・トラストへ入社し、20年以上に渡る不動産投資業務のキャリアをスタートさせる。2000年、クレディ・スイス傘下の不動産プライベートエクイティファンド・DLJリアルエステート・キャピタルパートナーズのアジア投資業務を構築するため日本へ移り住み、2007年のIPOへいたる華々しい成功を収める。同時期に中国20都市に拠点を持つ不動産関連サービス会社のE Houseの取締役を務める。現在は、日本を拠点にフォートレス・リアルエステート(アジア)の最高投資責任者を務める。1986年、カリフォルニア大学バークレー校卒業。1994年、ペンシルバニア大学ウォートンスクールにて MBAを取得。現在まで11年間の日本在住経験を持つ。
JP トッピーノ セキュアード・キャピタルインベストメントマネジメント 取締役 最高投資責任者
現在、セキュアード・キャピタル・インベストメント・マネジメント株式会社 取締役最高投資責任者 兼 不動産投資運用本部長を務める。1993年に米国セキュアード・キャピタル・コーポレーション(SCC)に入社し、日本に派遣されるまでは、債権投資と助言業務に従事。また、米国及びフランスで不良債権や不動産の投資活動を活発に従事。1998年に来日以来、セキュアード・キャピタル・ジャパンの不動産投資及びアセットマネジメント部門の責任者として、1兆3000億円超の不動産および不良債権の投資を主導してきた。
1993年、フロリダ国際大学にて経済学の学士号を取得。ULI会員。カリフォルニア州不動産販売員免許を保有。
辻 早人 DBJアセットマネジメント 投資運用部課長
㈱日本政策投資銀行(DBJ)の100%子会社、DBJアセットマネジメント㈱の投資運用部課長を務める。2006年7月から2013年4月まで、DBJのアセットファイナンス・グループにおいて不動産ファイナンスおよびエクイティ投資を担当。
20以上の金融機関が関与するノンリコース・ローンの組成や、大規模CMBS案件のリストラクチャリングなどを主導。京都大学法学部卒業。ロンドン・ビジネススクールにてファイナンスの修士号を取得。
辻 貴史 ダイヤモンド・リアルティ・マネジメント 代表取締役社長
東京大学工学部卒業。1991年に三菱商事に入社。物流本部において国際物流ビジネスに従事の後、1997年から米国三菱商事会社(ニューヨーク本店)に出向し、ベンチャー投資ビジネスを経験。2002年に帰国後は、主に物流施設の開発・投資業務を通じて、物流不動産の証券化ビジネスに取り組む。2012年4月、ダイヤモンド・リアルティ・マネジメント取締役副社長、同年11月に代表取締役社長に就任(現任)。
内田 道也 鹿島建設 海外事業本部 本部次長兼開発部長
東京大学にて都市工学を専攻、大学卒業後に鹿島建設へ入社。20年以上に渡って米国、ヨーロッパにおける不動産開発・投資、企業経営に関する経験を積む。2008年から2012年までは鹿島ヨーロッパのCEOとして、建設を含む鹿島建設のヨーロッパでの事業全体の指揮を執る。現在は海外事業本部・本部次長として鹿島建設の海外不動産関連事業を統括。ペンシルバニア大学ウォートンスクールにて MBAを取得。
植村 博明 年金シニアプラン総合研究機構 特任研究員
年金シニアプラン総合研究機構の特任研究員として、国内年金基金の市場動向調査を担当。年金シニアプラン総合研究機構へ入社以前は、日経新聞社の記者として主に金融関連や日本企業の海外事業などを担当。1970年、早稲田大学卒業。
山田 卓也 インベスコ・グローバル・リアルエステート マネージング ディレクター アジアパシフィック地域 投資部門 統括
1985年住友信託銀行(株)入社、日本の機関投資家および不動産会社への米国と日本市場での不動産投資アドバイザリー業務に従事。住友信託銀行(株)在職時は、シドニーにて5年間、ニューヨークにて3年間に渡り駐在し、数多くのホテルや分譲住宅といったプロジェクトに対してのファイナンス案件へ携わる。1999年、インベスコ・グローバル・リアルエステート・アジアパシフィック・インクの前身であるAIG グローバル・リアルエステートに入社、2011年よりインベスコ・グローバル・リアルエステート・ジャパンに入社。現在、インベスコ・グローバル・リアルエステートの日本の代表職とともに、アジアパシフィック地域の投資および物件管理全般を統括。学習院大学卒業。コーネル大学法科大学院にて法学修士号を取得。ニューヨーク州弁護士資格および宅地建物取引主任者資格を保有。日本不動産鑑定士協会連合会会員。インベスコ・リアルエステートのアジア・エグゼクティブ委員会およびアジア投資委員会の委員も務める。
マシュー・ザン ベアロジ 代表取締役社長
マシュー・ザンは、東京の物流不動産開発コンサルティングサービスを提供する株式会社ベアロジの設立者、代表取締役である。彼は日本レップ(現グッドマンジャパン株式会社)投資開発部門のヴァイスプレジデントとして1997年に来日以来、インフラ、レジャー、住宅及び産業プロジェクトに関する15年の不動産業界経験をもつ。中でも設計デザイン、開発及び物件取得に強みを発揮し、顧客の要望にフォーカスしたデザインに基づき、類稀な成果を達成することに精力してきた。数多くの政府・公的機関及び都市計画パネルによるプロジェクトに従事。オーストラリアのニューイングランド大学卒業、都市計画を専攻。
ロバート・ザルコスキ ローレシア・キャピタルマネジメント 会長兼CEO
1985年以来アジアを中心にAsia Cleantech Capital, Annex Power, Greenlots, Oakwood Asia Pacific and ExportNowt といった企業の創業に携わり延べ40億米ドル以上の資金を運用。1993年よりGEキャピタルにてアジア不動産関連部門の立ち上げを経て、コロニーキャピタル・アジアパシフィック(CCAP)の設立者兼CEOとしてたった1人からはじめたCCAPを150人のスタッフと20億米ドルの運用資産を持つプレーヤーへと成長させる。その後パンゲア(Pangaea)・キャピタルマネージメントを設立し会長兼CEOとして5つのアジア拠点を持つ運用資産20億米ドル規模の投資会社へと成長させた後、2007年にOaktree Capital Management(OCM)へ売却。OCMではマネージングディレクターおよびアジア不動産投資関連責任者として80億米ドル規模のファンドビジネスを指揮。現在はローレシア・キャピタルマネジメントの会長兼CEOとして、新たな挑戦を続ける。
フレッド・賣間 (賣間 正人) タッチストーン・キャピタルマネジメント 代表取締役社長
KPMG・ピート・マーウィックのロサンジェルス事務所でキャリアをスタートさせ、M&A ・不動産コンサルティング業務に従事。その後、日本とアメリカのクライアント向け国際不動産コンサルティングサービス会社・MTM コンサルティングを創設。その後、セキュアード・キャピタル・コーポレーションに入社。1997年にセキュアード・キャピタル・ジャパン(東京証券取引所上場)を設立し、初代の代表取締役社長を務める。2002年にタッチストーン・インベストメント・マネジメントを創設し、2006 年にタッチストーン・キャピタル証券の代表取締役に就任。現在は海外から日本への国際不動産投資運用に注力している。現在までに総額120 億ドル以上の不動産取引に携わる。ULIジャパンのエグゼクティブ・コミッティーのメンバーであり、また日本証券業協会の証券化・オルタナティブビジネス評議会の議長を3期連続で務めている(現任)。大学での客員講師、国際会議での講演といった数多くの講演経験を持つ。米国ローマ・リンダ大学会計学部・ファイナンス学部卒業。
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A | ||||
Aetos Capital Asia AISIN Employees' Pension Fund AMP Capital AON Japan Aozora Bank |
APREA Asahi Kasei Pension Fund Asterisk Realty & Placement Agent Aviva Investors Asia |
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B | ||||
Bear Logi | Blackstone | |||
C | ||||
CBRE Center Point Development China Development Asset Management |
Clarion Partners Clifford Chance CPPIB Asia |
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D | ||||
Daiwa Real Estate Asset Management DBJ Asset Management Dekabank Deka Real Estate Lending K.K. |
Deloitte Tohmatsu Financial Advisory Deutsche Securities Development Bank of Japan Diamond Realty Management (DREAM) |
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E | ||||
Eastdil Secured | Ernst & Young ShinNihon LLC | |||
F | ||||
First State Investments (Japan) Fortress Real Estate (Asia) GK |
Fukoku Mututal Life Insurance | |||
G | ||||
Genkai Capital Management GIC Real Estate International Japan K.K. |
GLP Japan Goodman Japan |
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Halifax Asset Management Henderson Global Investors HKR International |
Hoshino Resort HTL Capital Advisors |
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IDERA Capital Management InfraRed Capital Partners |
Invesco Real Estate | |||
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Jones Lang LaSalle | ||||
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Kajima Corporation Kanto IT Software |
Kenedix | |||
L | ||||
Laurasia Capital Management | Lend Lease | |||
M | ||||
Meiji Yasuda Life Insurance MetLife Alico Japan Metropolitan Real Estate Asia MGPA Mitsubishi Corporation Mitsubishi Estate Company Mistui & Company |
Mizuho Bank Mizuho Securities Mizuho Trust & Banking Morgan Stanley Real Estate Investment (MSREI) Mori Building Investment Management Morrison & Foerster LLP |
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N | ||||
Nikkei Business Publications Nikkei Pension Fund |
Nomura Real Estate Asset Management Norinchukin Bank |
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P | ||||
PFA PGGM Prologis |
The Prudential Life Insurance PWC |
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Reed Midem Research Institute for Policies on Pension & Aging |
Resona Bank Rockspring |
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S | ||||
Savills Japan Samsung SRA Asset Management SC Capital Partners Secom Pension Fund |
Secured Capital Investment Management Shinsei Bank Sogo Unicom Sumitomo Life Insurance |
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T | ||||
Thomson Reuters Tokio Marine Property Investment Management Tokyo Oil Industry Employees' Pension Fund The Tokyo Star Bank |
Touchstone Capital Management Tosei Asset Advisors Tosei Corporation The Trust Company |
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U | ||||
ULI Japan | ||||
W | ||||
Waseda University | ||||
X, Y, Z |
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Xander Investment Management | Yardi Systems |
全世界の上場株式の1%相当を保有するノルウェーのオイルファンドGovernment Pension Fund Global、豊富な原油を原資に60兆円を超える資産を運用するアブダビ投資庁、世界一の外貨準備を原資とする中国SAFEとCIC、、、、この10年間にグローバル投資市場にて急激にその存在感を増し、2013年には約5兆6000億ドル(約560兆円) の資産規模に達すると予測されるSWF (Sovereign Wealth Fund=国富ファンド)
各国とも永続的な国際競争力への投資や、国富の保全に運用している。
日本は巨大な外貨準備と公的年金基金を抱えながらも、保守的ともいえる従来の運用方針からその潜在能力を活かしきれず、長く低迷した経済成長、高齢化といった状況のなか、 多くの機会損失を続けているとも言える。
今後の日本が国際競争を勝ち抜き、安定した福祉を国民に還元する上で、
これからの日本の外貨準備や一部の公的基金のSWFとしての以下のような有効活用は、取り組まなければいけなくなる議題であろう。
・国内インフラへの投資(国内成長の促進)
・国内の国際競争分野への投資(国際競争力の育成)
・金融・経済市場への流動性提供(自国の経済安定性の確保)
・国家戦略としての海外への投資(資源や技術権益の確保など)
・海外資産への投資(通貨、インフレに対してのヘッジ)
日本のSWFの創設は目先に迫る必要議題であり、各国のSWF運用事例を学ぶ事はその第一歩であり必須といえます。
各国SWFの実態、バックグラウンドと成り立ち、市場に与える影響力、その運用方針、トレンドについて英国の調査会社TheCityUKの最新のレポートを基に解説します。
SWF(Sovereign Wealth Fund=国富ファンド)は国家のマクロ経済政策をもとに、経済的目的達成の為に国内外の金融資産へ投資する運用機能を持ったファンド(スキーム)であると定義される。運用資産の基となるのは貿易収支余剰資金、公的運用外貨資金、国有企業の売却および民営化による余剰資金、資源輸出による受取資金など。
各国のSWFはその原資の属性をもとに大きく二つのタイプに分類することできます。 コモディティ型SWFは、主に湾岸諸国、ノルウェー、ロシア、アゼルバイジャン、ナイジェリア、ベネズエラ、インドネシア、ブルネイといった産油国に見られる、石油輸出収入から得られる原資をもとにしたオイルファンドといえます。オイル以外にも天然ガスやその他の天然資源も含まれる。(資源ファンド型) 資源ファンド型SWFの主な目的は、資源価格の変動による自国経済への影響に対するリスクヘッジ、将来起こりえる長期にわたる資源輸出収入の減少の際の安定的なキャッシュフローの確保である。
一方の非コモディティ型SWFでは主に各国の外貨準備や、社会保障基金などの公的基金が原資となっている投資機関で、シンガポールGICや、中国のCIC、SAFEといった機関が代表的なケースです。(外貨準備/公的基金型) 貿易輸出国であるアジアに多く、中国を筆頭にシンガポール、香港、台湾、インド、韓国などに見られる。
本レポートでは、両者を資源ファンド型と外貨準備/公的年金型といった表記にいたします。
以下は2012年末時点の主要SWFについての所属国、運用資産と原資のリストです。
主要SWFの運用資産と原資 名称 国 運用資産/10億ドル
名称 | 国 | 運用資産/10億ドル | 原資 | 設立 |
Government Pension Fund – Global | ノルウェー | 664 | 資源 | 1990 |
Abu Dhabi Investment Authority | UAE-アブダビ | 627 | 資源 | 1976 |
SAFE Investment Company | 中国 | 568 | 外貨準備/公的年金 | 1997 |
SAMA Foreign Holdings | サウジアラビア | 533 | 資源 | n/a |
China Investment Corporation | 中国 | 482 | 外貨準備/公的年金 | 2007 |
Hong Kong Monetary Authority Investment Port. | 香港 | 299 | 外貨準備/公的年金 | 1993 |
Kuwait Investment Authority | クェート | 296 | 資源 | 1953 |
Government of Singapore Investment Corporation | シンガポール | 248 | 外貨準備/公的年金 | 1981 |
Temasek Holdings | シンガポール | 158 | 外貨準備/公的年金 | 1974 |
National Welfare Fund | ロシア | 150 | 資源 | 2008 |
National Social Security Fund | 中国 | 135 | 外貨準備/公的年金 | 2000 |
Qatar Investment Authority | カタール | 115 | 資源 | 2005 |
Australian Future Fund | オーストラリア | 83 | 外貨準備/公的年金 | 2006 |
Investment Corporation of Dubai | UAE-ドバイ | 70 | 資源 | 2006 |
International Petroleum Investment Company | UAE-アブダビ | 65 | 資源 | 1984 |
Others | リビア等 | 707 | 資源 | |
合計 | 5200 |
(Source: SWF Institute, TheCityUK)
*Government Pension Fund – Global(ノルウェー)、SAFE(中国)に関しての個別レポートは弊社ウェブサイトにてご参照いただけます。 弊社ウェブサイト: https://japanplacementagent.com
外貨準備や公的基金を原資とする非コモディティ型SWFは、貿易収支の構成を反映してアジアの国に多く見られます。
エリア別SWFの資産シェア エリア 資産(10億ドル)
エリア別SWFのシェア | ||
エリア | 資産(10億ドル) | % |
アジア | 2,003 | 39 |
中東 | 1,797 | 35 |
ヨーロッパ | 955 | 18 |
アフリカ | 197 | 4 |
アメリカ | 157 | 3 |
他 | 91 | 2 |
合計 | 5,200 | 100 |
(Source: SWF Institute, TheCityUK)
上テーブルはエリア別の資産規模の構成で、 ヨーロッパ(主にノルウェーとロシア)、中東、アフリカのSWF資産の大部分が資源ファンド型、アジアのSWF資産の大部分は外貨準備/公的基金型と言えます。
特殊なケースとしては、オーストラリアのフューチャー・ファンドは2006年に財政の余剰資金を原資に公務員年金の積立不足へ充当する目的で設立されたSWFで、2008年からはオーストラリア国内のインフラストラクチャー、教育、ヘルスケアといった分野への投資も行っている。
TheCityUKの最新のレポートによると、世界規模でのSWFの運用資産は2012年には前年より約8%上昇し5兆2000億ドル規模へ達しており、2013年末の資産総額は5兆6000億ドルに達すると見られている。
過去10年間の資産規模の推移を見ると、2009年の3%程度の資産規模減少を除き、毎年着実に資産規模は増加しており、
2002年の資産規模の約1兆2400億ドルからは、10年間で4倍以上へ増加している。
SWFの運用資産推移 (単位: 10億ドル) |
|||
外貨準備/公的年金型 |
資源ファンド型 |
合計 |
|
2002 |
371 |
867 |
1,238 |
2003 |
498 |
969 |
1,467 |
2004 |
650 |
1,224 |
1,874 |
2005 |
776 |
1,530 |
2,306 |
2006 |
948 |
2,040 |
2,988 |
2007 |
1,173 |
2,086 |
3,259 |
2008 |
1,656 |
2,484 |
4,140 |
2009 |
1,609 |
2,413 |
4,022 |
2010 |
1,848 |
2,552 |
4,400 |
2011 |
2,130 |
2,670 |
4,800 |
2012 |
2,200 |
3,000 |
5,200 |
2013 |
2,400 |
3,200 |
5,600 |
(Source: SWF Institute, TheCityUK)
また、注目すべきは資源ファンド型SWFと外貨準備/公的基金型SWFの資産規模の割合が、2002年は77:23という割合だったのに対し、新規の外貨準備/公的基金型SWFの発足などにともない年々外貨準備/公的基金型SWFの割合が増加し、2012年では58:42と外貨準備/公的基金型SWFの割合増加が見られる。この間に資源ファンド型SWFの資産規模は約3.5倍に増加したのに対し、外貨準備/公的基金型SWFの資産規模は約6倍に増加したと見込まれている。
2013年末の、全SWF合計の予想資産規模の5兆6000億ドルは、OECD加盟国34カ国の総公的年金積立金額(2010年末時点)の5兆4200億ドルを上回っており、SWFの存在感と規模の台頭を表している。
OECD加盟国の公的年金基金
公的年金・基金 |
国籍 |
基金規模(10億ドル) |
Social Security Trust Fund |
米国 |
2,609 |
Government Pension Invest. Fund |
日本 |
1,313 |
General Org. for Social Insurance |
サウジアラビア |
400 |
National Social Security Fund |
中国 |
127 |
National Pension Fund |
韓国 |
280 |
Canadian Pension Fund |
カナダ |
125 |
National Pension Funds |
スウェ−デン |
85 |
Social Security Reserve Fund |
スペイン |
72 |
Sustainability Guarantee Fund |
アルゼンチン |
46 |
その他 |
|
363 |
合計 |
5,420 |
(Source: OECD)
1.投資主体として
近年の新規SWFの発足と運用資産の増加に伴いグローバル金融市場でのSWFの存在感は高まっており、
プライベートエクイティやヘッジファンドを超える運用資産をもつ投資主体となっている。
以下の表は2012年末時点での、グローバル市場での主要投資主体別の運用資産を試算したものである。
年金基金(公的・企業)を筆頭に保険会社や投資信託といった層が大きな存在感を持っているが、この10年間で前述のように運用資産を4倍以上に増加させているSWF の影響力が大きくなっていることがうかがえる。
グローバル市場での属性別運用資産 |
|
年金基金 |
33.9兆ドル |
保険会社 |
26.5兆ドル |
投資信託 |
26.1兆ドル |
SWF |
5.2兆ドル |
プライベート・エクイティ・ファンド |
3兆ドル |
ヘッジファンド |
2兆ドル |
(Source: TheCityUK)
2.公的投資運用機関として
SWF以外の主な公的投資運用機関としてはGPIF(日本)やSocial Security Trust Fund(米国)のような公的年金などの運用機関と、日本の外貨準備のようにSWFとして運用されていない外貨準備基金などが挙げられる。
近年のグローバル企業への投資や、各国の最高不動産への投資といった話題性のある投資事例からSWFに注目が集まりがちではあるが、他の公的運用機関はSWFを上回るペースでその運用資産を増加させている。(下テーブル参照)
言い換えれば、グローバルな公的資産の増加がSWFの台頭を生み出していると言える。
世界の公的基金の資産規模 (単位: 兆ドル)
SWF |
他の公的投資機関 |
各国中央銀行の外貨準備(SWF外) |
|||
資源型 |
外貨準備/公的年金型 |
合計 |
|||
2008年 |
2.5 |
1.6 |
4.2 |
6.2 |
5.7 |
2009年 |
2.4 |
1.6 |
4.0 |
6.5 |
6.6 |
2010年 |
2.6 |
1.8 |
4.4 |
6.8 |
7.4 |
2011年 |
2.7 |
2.1 |
4.8 |
7.2 |
8.1 |
2012年 |
3 |
2.2 |
5.2 |
7.7 |
8.4 |
(TheCityUK, OECD, IMF)
3.外貨準備運用機関として
IMFの試算によると、2011年末時点での世界全体の公的外貨準備金額は10.2兆ドルと見積もられている。
TheCityUKの推定によると、その内の約20%にあたる2.1兆ドルがSWFによって保有・運用さていると見られる。
日本はSWFとして外貨準備を運用していないが、日本の持つ外貨準備金額は全世界の12%に相当し中国に次ぐ規模を持つ事から、日本の外貨準備を原資としたSWFの創設の可能性とその影響力について海外からの注目は高まっている。
2007年のリーマンショック以降、SWFの国内・国際経済での安定剤としての役割にも大きな注目が集まるようになった。 特に経済が流動性危機に陥った際の、自国金融機関の国有化、不動産購入、財政予算の補填、景気刺激政策を行えるカードとしての認識が広まったとも言える。
代表的な例としては、ロシアのSWFであるReserve Fundは近年、 ロシア連邦政府の財政予算への補填に資産を充てられており、結果としてその資産を半分の250億ドルまで減少させている。
TheCityUKの調査によると、2012年末時点でトップ50のSWFの約60%が2000年以降に設立されている。1990年代に設立されたSWFは15%、1990年以前に設立されたSWFは26%となっている。
直近の2011年から2012年にかけても多くの新規SWFが発足しており、ナイジェリアの原油を原資とした財政赤字の穴埋め・国内インフラストラクチャーへの投資を目的としたNigerian Sovereign Investment Authorityや、イタリアの国内企業の戦略的成長促進を目的としたItalian Strategic Fund、パプアニューギニアSWF、モンゴルFiscal Stability Fund、アンゴラの原油ファンドのAngolan Fundo Soberano de Angola、オーストラリアのWestern Australian Future Fund、パナマのFondo de Ahorro de Panamaなどの設立が見られた。
今後、新規SWFの組成が予想される国としては、ボリビア、カナダ、インド、台湾、タイなどと共に日本が挙げられている。
ノルウェーのオイルファンドであるGovernment Pension Fund GlobalやアジアのSWFなど、公共機関としての意識とともにガバナンスや運用について透明性の高い情報開示を行っているSWFがある一方、情報開示について積極的ではないと言えるSWFは多い。
金融市場にSWFがもたらす流動性や新たな資金提供者としてのメリットがある一方、国家戦略の影響するSWF資金に対しての被投資国の抱く警戒感やSWFの巨大投資家としての市場影響力などに対する懸念は、2000年以降の新規SWFの設立増加に伴い課題として浮上し始めた。 このような流れを受けて、2008年にIMFの支援のもとSWFの自主的な行動規範・慣行の作成を行うインターナショナル・ワーキング・グループが創設され、SWFの適切な投資慣行、およびガバナンスと説明責任の取り決めの指針となる自主的な24の規範をまとめたサンティアゴ・プリンシパル(規範)が設定された。
インターナショナル・ワーキング・グループは、2009年にはサンティアゴ・プリンシパルを実行していくための各国SWFが自主的に協力する機関としてSWF国際フォーラムを設立している。 こういった枠組みのもと、各国のSWFに関する情報開示もより開かれた方向性に向かっている。
例えば、アブダビ投資庁は世界第2位の資産規模を持つSWFではあるが、1976年の設立以来、情報開示は非常に限定的であったが、2010年にはじめて年次リポートを発行するなど、情報開示の姿勢を見せ始めている。
SWFから投資を受ける投資先国の間でも、国際的な規範や枠組みを確立する動きは見られている。OECD(経済協力開発機構 )による、SWFによる被投資国による海外SWFからの投資に体する不平等な規制や差別の撤廃、透明性の高い投資スキームの提供といったガイドラインを定めるなどの動きがある。
SWFの投資戦略はそのSWFの存在目的や原資によって様々である。 基本的には 低いレバレッジでの長期での効果的な投資運用を行うSWFが主である。経済市場への流動性確保を目的としたSWFの場合は、有事の資金需要に応えられるように短期の投資サイクルを持つ資産を対象とした運用を行っている。 SWF の原資によって投資戦略も大まかに分けられる。
一般的に、コモディティ型SWF(資源型ファンド)は長期でのエクイティや実物資産などのオルタナティブ投資を好む傾向が見られる。産油国のSWFの約80%が海外資産への投資を行っており、その投資の大半はエクイティ投資である。 カタール投資庁(Qatar Investment Authority)は特徴的な投資をするコモディティ型SWF(資源型ファンド)で、実に資産の約40%を不動産投資に向けている。
参照:弊社記事『グローバル市場での不動産とは? 世界のトップ30の年金基金・SWFの投資動向』
非コモディティ型SWF(外貨準備/公的基金型)はグローバル金融市場の流動性供給者として重要な役割を担っていると言える。投資対象は米国債を筆頭に米国資産への投資が多くみられる。
SWFはその巨大な運用資産規模から、多くの投資運用を外部のファンドマネージャーなどに委託するケースや間接投資が多く、その全容を掴む事は非常に難しい。
しかしながら、一部、企業の株式取得や不動産や実物資産の取得と言った直接投資を行うのもSWFの特徴でもあり、これらの取引は把握する事が可能です。
また直接投資は、その投資にかかる意思決定プロセスの重要性から、SWFの投資運用の全体像とアロケーション・バランスを推測する重要な鍵といえます。
SWF調査機関のSWF Instituteデータによると、SWFの行った2012年の直接投資は約570億ドルにのぼると見られている。
直接投資に含まれる資産は不動産、上場株式、非上場株式、インフラストラクチャーなど。
SWFの直接投資のピークを記録した2009年以降は、各国内から資産を海外よりも金融危機の影響を受けた国内の市場安定化へ向けるべきとの意見があがった事などもあり直接投資の規模は減少し、2012年にはピークレベルの約半分程のレベルとなったが、2012年の4Qからは減少傾向から反転して直接投資が増加傾向にある。
セクター別: SWFの直接投資額 (2005-2012) |
|
金融サービス |
140 |
不動産 |
61 |
エネルギー |
57 |
インフラストラクチャー |
52 |
工業 |
34 |
原材料 |
32 |
通信 |
23 |
合計 |
399 |
(Source : TheCityUK / SWF Institute)
投資先のセクター別に見ると、金融サービス分野が全体の3分の1を超え最大の投資先セクターとなっている。
金融サービス分野への投資としては、グローバル金融機関や投資ファンドの株式取得が主となっており、多くの金融機関が危機に陥った2007年から2008年には湾岸諸国やアジアのSWFにより多くの投資がなされ、シティ・グループ、UBS、メリル・リンチ、モルガン・スタンレーやバークレイズといった多くの金融機関へSWFの資金が投資された。
エネルギーおよびインフラストラクチャーもSWFの主要直接投資先セクターであり、合わせると全体の4分の1に及ぶ。
主な投資事例としては中国CICによる英国の水道事業会社テムズ・ウォーターのホールディング会社の株式9%の取得などが見られる。
近年、増加傾向にある注目の投資先セクターとしては不動産が挙げられる。
背景としては、先進国の国債の低い利率、株式市場の変動を理由とした、不動産への投資転換が増えた事による。ボッコーニ大学(ミラノ)Sovereign Investment Labの調査によると2012年には約100億ドルのSWFによる不動産投資が行われたと見られている。
不動産投資先においては、欧米先進国の中心都市のプライム不動産が投資対象となっており、特にロンドンへは多くのSWF からの不動産投資が行われており、カタール投資庁による高級デパート・Harrodsの取得や中国CICによるドイツ銀行本部ビルの取得など大型投資が続いている。
不動産へは、直接投資だけでなく不動産投資運用会社を通じての間接投資も多く、中国国家外貨管理局のSAFEがブラックストーンの不動産ファンドへ5億ドルを投資するなどしている。
グローバル不動産投資の主なSWFプレーヤーとしてはノルウェーGovernment Pension Fund: Global、中国CIC、韓国NPS、シンガポールGIC、アゼルバイジャンSOFAZ、カタール投資庁、ブルネイ投資庁、アブダビ投資庁などが挙げられる。
各国SWFによる不動産投資については以下の弊社ウェブサイト記事にて詳しくご覧になれます。
『海外年金基金とSWFのオルタナティブ投資News-Vol.1』
『海外年金基金とSWFのオルタナティブ投資News-Vol.2』
『海外年金基金とSWFのオルタナティブ投資News-Vol.3』
『グローバル市場での不動産とは? 世界のトップ30の年金基金・SWFの投資動向』
『ノルウェーSWF “オイルファンド” Government Pension Fund Global』
直接投資の被投資先国としては、2005年以降、米国が全体の約5分の1に当たる投資先国となっている。次いで英国が全体の約6分の1と、発達した金融市場と経済基盤のある国への投資が主である。他の主な投資先国としては、中国、フランス、スイス、ドイツ、カタールなどが挙げられるが、自国SWFの投資も含まれる為、海外投資先としては欧米の先進国が主と言える。
また新しい傾向として、BRICs諸国への投資も増加傾向にあり、今後の各国の市場整備とあわせて主な投資先国として台頭してくると予想されている。
人口減少、国際競争の激化、、等といった多くの将来不安を抱える日本ですが、 現状の国家のも持つ資産としては、技術競争力、市場インフラ、GPIFなどが抱える巨額の資金や外貨準備といった最大限に有効活用されていない資産が多数あります。 将来へ投資できる現状の資産としては世界有数の規模であることは言うまでもありません、しかし有効活用しなければ、国際競争とマクロ変動により、国家の衰退とともに資産も活かされる事なく消えて行く事になります。 日本も今後、SWFを活用しての国際競争力を磨くためのインフラなどの国内への投資、海外成長市場への投資といった選択肢を検討する必要性に迫られると思われます。
ソース: TheCityUK、IMF、SWF Institute、OECD、ADIA、Government Pension Fund: Global
Edited & written by Yukihiko Ito (伊藤 幸彦)
本レポートはTheCityUKの協力のもと、TheCityUKのレポートをAsterisk Realty & Placement Agencyが編集したものです。本レポートの複製および転載についてはAsterisk Realty & Placement Agencyを参照元として明記する事を条件に許可いたします。
SWFについての考察・研究は今後さらに発展する要素と大きな必要性をもったトピックであり、弊社では率先して他機関との連携や協力をおこなって行きたいと考えております。情報提供やお問い合わ等、ご遠慮なくお問い合わせください。
お問い合わせ: info@japanplacementagent.com
ノルウェーの”オイルファンド”として知られるSWF、Government Pension Fund Global (GPFG)は、
1990年にPetroleum Fundとして設立され、2006年に現在のGovernment Pension Fund Globalへ名称変更された。
2013年3月15日時点で、約4兆1600億クローネ(約69兆円)の資産をもつ世界最大級の投資機関。
運用はノルウェー中央銀行の資産管理部門であるNorges Bank Investment Management(NBIM)が行っている。
GPFGは、将来予測される高齢化による経済減退や石油・天然ガス収入の枯渇時のノルウェー国民の年金資金等に備えるため、 ノルウェー大陸棚の石油・ガス事業からの国の収入を積み立てている基金である。長期の運用を原則としている。
約4兆1600億クローネ(約69兆円)の資産は、約500万人の人口を有するノルウェーの国民一人当たりで約83万クローネ(約1380万円)の積立に相当する。
GPFGの資産は2001年より毎年平均で約3000億クローネ(約5兆円)ずつ増加しており、2013年度の予算によると運用資産は2020年には6兆2623億クローネ(約104兆円)に達する見通し。
年金支払いがない?
Government Pension Fund Globalの名から、pension fund(年金基金)= 定期的な年金の受給者への支払いを行う公的年金基金といった属性が想像されるが、GPFGには通常の公共年金基金とは異なり、年金支払い機能(債務)がない。
言い換えると、基金の目的である将来の経済衰退時への備えという目的から、定期的な年金支払い機能を有していない。
代わりに年初残高の 4%相当額を目途に、当該年の政府予算に繰入れるとのガイドラインに基づき、毎年政府予算への支払いを行っている。この特徴は、基金がより効率的に長期運用で利益を最大限にあげるための大きな要因となっていると言える。
投資方針
原則として、 ノルウェーの企業・政府関連の資産やノルウェークローネ建ての資産には投資を行わず、海外のノルウェー関連外の資産への投資に特化している。 投資方針の特徴としては、長期の運用、積極的な運用を通じたリターンの最大化が掲げられている。 基本的に資産の所有権・コントロールを自ら確保する方針をもとに投資を行うが、4−5%程度の資金は外部の運用会社への運用委託を行っている。また環境関連への投資も大事な投資方針の1つと位置づけられている。 投資対象外と規定している主な資産として、ノルウェー政府と租税条約を結んでいない(または税制情報開示が困難な)国の未公開株式または投資ファンド、インフラストラクチャー資産(道路、鉄道、港、空港)などが含まれている 。 内部統制や意思決定においては、投資リスク、投資分野、不動産、ビジネスリスク、資産評価、報償の6つの委員会を設定している。
投資運用実績
GPFGは1998年から2012年までの投資運用実績を公表しており、平均すると毎年5%の運用リターンを記録している。(運営管理費およびインフレ調整後のリターンは平均3%)。過去最高のリターンを上げた年は2009年の+25.62%で、最低は2008年の-23.30%。2012年は+13.42%のリターンを記録した。
投資運用リターン(%) |
相対リターン* |
|
1999 | 12.44 | 1.23 |
2000 | 2.49 | 0.27 |
2001 | -2.47 | 0.15 |
2002 | -4.74 | 0.30 |
2003 | 12.59 | 0.55 |
2004 | 8.94 | 0.54 |
2005 | 11.09 | 1.06 |
2006 | 7.92 | 0.14 |
2007 | 4.26 | -0.24 |
2008 | -23.30 | -3.37 |
2009 | 25.62 | 4.13 |
2010 | 9.62 | 1.06 |
2011 | -2.54 | -0,13 |
2012 | 13.42 | 0.21 |
*不動産は含まれない |
GPFGの投資ポートフォリオは、株式、債券、不動産の3つに分類される。 戦略上の投資配分は株式に60%、債券に35%、不動産に5% を目標値として定めている。 特筆すべきは、株式の構成比が高い事、そしてなによりも3つの基本アセットクラスのうちの1つに不動産が組み込まれている点である。このことから自国外での運用に特化しているGPFGが、海外市場での長期の運用に不可欠である資産として不動産を評価していることがうかがえる。ポートフォリオ全体の投資対象地域別の投資比率は、資産によりヨーロッパに50-60%、北米に35%、その他(アジア&オセアニア)に5-15%と配分し計35種類の通貨建てになっている。
株式GPFGは世界中の8000社を超える企業の株式を保有しており、驚く事に平均すると世界中の上場株式の1%相当を保有している。 6番目の株式投資先国である日本でも幅広く上場株式への投資を行っており、2012年末時点で実に1200社を超える企業の株式を保有している。1社あたりの株式保有比率の上限を議決権付き株式の10%以内に定めている。 ベンチマークにはFTSE Global All Cap Indexを採用している。 2012年は+18.06%のリターンを達成している。
債券
債券投資に関しては国債70%、社債30%という投資比率を定めており、 国債のベンチマークにはBarclays Global Inflation-Linked IndexとBarclays Global Treasury GDP Weighted by Country Indexを 、社債のベンチマークにはBarclays Global Aggregate Indexを採用している。 2012年は+6.68%のリターンを達成している。
不動産 GPFGは長らく株式、債券のみの運用を行っていたが、長期で海外資産へ投資・運用する原則から、長期運用とインフレ感応といった要素が好合致する不動産は2010年より新規投資対象資産と定めている。 投資方針として投資先市場の大型プレーヤーとの共同投資を行うケースが多い。投資方針として投資先地域とスキームの幅広い分散化を定めている。 投資対象は不動産市場が発展し整備されている市場のオフィスや商業施設。2010年より着実に投資先地域を拡大させ、英国、フランス、スイスでの不動産投資を行っており、英国では王室の不動産資産管理会社のクラウン・エステートとパートナーを組み、ロンドン最大の商業エリアのリージェントストリートの権益の25%を保有、また英国最大の不動産会社ブリティッシュ・ランドとは50/50のJV投資を行っている。 GPFGが現在までに不動産投資で最も力を入れている地域はフランスで、AXAとは50/50のJV投資スキームを通じて、10案件、約61億クローネ(約1000億円)相当の不動産資産を保有している。2013年からは米TIAA-CREFとのJVを通じてアメリカへの不動産投資を開始した。 運用のベンチマークにはIPD(Investment Property Databank)のGlobal Property Benchmarkからノルウェーを除外した物を適用し、最低達成リターンに定めている。2012年は+5.77%のリターンを達成している。
以下は、GPFGが行った主な不動産投資事例、保有不動産および関連ニュースです。(弊社のニュースコンテンツ『Global Real Estate News』の過去記事抜粋)
アメリカの不動産へ投資(2013年)
■ノルウェーSWF・Government Pension Fund Globalは米国の教職員保険・年金およびカレッジ教職者年金を運用するTIAA-CREFとのJVを組成しの米国の不動産市場への投資を開始した。今回のJVを通じての投資は12億ドル(約1140億円)規模とみられており、投資対象はニューヨーク、ボストン、ワシントンDCのハイグレード・オフィスビルへ投資する。JVの持ち分は501:499で、TIAA-CREFが過半数を保持する。両者とも基金の属性から、長期での運用を投資方針として掲げており、お互いに共通の戦略を持つパートナーとしている。Government Pension Fund Globalは2010年より不動産投資を進めており、イギリス、フランス、ドイツ、スイスのヨーロッパへの投資に続いて、今回のJVを皮切りに米国の不動産市場への投資を開始した。
ヨーロッパでの不動産投資(2010-2012年)
■ ノルウェーSWFとイタリア保険大手がパリで共同投資へ(2012年)
ノルウェーのSWF・Government Pension Fund Globalとイタリア保険大手のGeneraliはJV形式でパリのコア不動産へ共同投資へ。投資スキームは、現在Generaliが保有するパリのオフィス・リテール不動産5物件を計5億5000万ユーロ相当(約550億円)でJVが取得する形式となる。JVの持分は50/50。Government Pension Fund Globalはフランス保険・運用大手のAXAとも同様のスキームでパリの不動産投資を数回に渡り行っており、ここ2年の間に計10億ユーロ近い共同投資を行っている。
■AXAとノルウェーSWFがパリのオフィスビルへ共同投資(2011年 )
仏・保険会社大手AXAとノルウェーの政府系SWFのGovernment Pension Fund Globalは、JVによる共同投資でパリ中心部のオフィスビル計3棟を2億9000万ユーロ(約300億円)で取得へ。両者は2011年7月にも約7億ユーロ(当時約820億円)の大型JV投資を行っている。
■ノルウェーSWFがAXAからパリの不動産ポートフォリオの持分取得・共同投資(2011年)
ノルウェーSWFのGovernment Pension Fund Globalは、仏・保険会社大手のAXAから、AXAがパリ市内外で保有する主にオフィスビルで構成されるポートフォリオを保有するAXAとの新規JVの持分50%を取得。取得価格は約7億ユーロ(約820億円)でポートフォリオ全体の延べ床面積は15万6000平米。
■ロンドン・リージェントストリートの権益取得(2010年)
ノルウェーSWFのGovernment Pension Fund Globalが約4億5千万ポンド(約590億円)でロンドンのリージェント・ストリートの150年間の賃貸権益の25%取得。
Source : Norges Bank Investment Management / 在ノルウェー日本国大使館
Edited & written by Yukihiko Ito (伊藤 幸彦)
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過去の記事ではイェール大学、カナダ国民年金基金運用(CPPIB)や中国SWFのオルタナティブ投資事例、インフラストラクチャーファンド事例も取り上げております、ご興味がございます場合はお問い合わせください。
オランダの福祉産業職員の年金基金であり同国最大級の公的年金基金・Pensioenfonds Zorg en Welzijn(PFZW)は、2012年の私募不動産ファンド投資からのリターンが14.7%に達したと発表。PFZWは1290億ユーロの基金を運用しており、うち不動産へは私募ファンドへの投資を通じて150億ユーロ(基金の資産の約8.6%)を投資している。
PFZWは88を超える不動産私募ファンドに投資しており、 AREA property partnersやAXAなどが運用するグローバルファンドが含まれている。以上の数字から、PFZWが投資する88超の不動産私募ファンド一件あたりの平均アセットアロケーションは全資産の約0.1%を充てていると言える。
同じくオランダの大型年金基金であるABPの2012年の不動産投資からのリターンは16.2%を記録している。
しかしながら、こういった不動産投資などからの高い収益にもかかわらず、高齢化と拡大する基金全体の支出は依然収入を上回っている。今後、オランダだけでなく欧州先進国の年金基金からは、不動産をはじめとするオルタナティブ資産への投資をさらに拡大する傾向が続くと見られる。
(当記事は弊社が提携する機関投資家向けメディアPEREの記事を編集したものです)
私募不動産ファンド投資持分の2次売買市場(セカンダリー)投資運用会社のLandmarkは、 2012年の不動産ファンド持分のセカンダリー市場全体の取引が確認できる限りでも26億米ドル(約2500億円)と前年の2011年の推定22億米ドルから20%以上増えた発表。
通常、セカンダリーの取引は、売手や買手の事情から公にされないケースがほとんどのため、確認されている取引は氷山の一角と見られる。
センカンダリー市場の売手にはリーマンショックや金融危機により価値が下がりながらも非流動性の制約があった私募不動産ファンド持ち分をセカンダリー市場で売却する事によって、手元に現金を戻し新たな投資ポジションを取れるといった動機がある。
買手にとっては、不動産という実物資産に担保された投資持分を、市場サイクルの中で有利な時期に、適正価格で取得できるというメリットがある。
Landmarkによると、2011-2012年の主な売手である銀行、年金基金、保険会社などの背景として、銀行や金融機関などは規制当局からの要求によるバランスシートのスリム化といった要因があり、年金基金や保険会社などにはアセットアロケーションの再調整という動機が見られる。
その中でも2011年と2012年の売買傾向には変化が見られ、
2011年は売買の41%が米国、32%がアジア、25%がヨーロッパの不動産ファンド持分といった構成であったが、
2012年は売買の37%が米国、40%がヨーロッパ、18%がアジア、5%がグローバル不動産ファンド持分といった構成となり、
欧州危機の影響からヨーロッパの投資ファンド持ち分の2次市場での流動化が進んだことが見られる。
Landmarkは、今後の世界経済の変動に伴い、過去のリーマンショックや金融危機以前に投資して損失をかかえた投資ポジションから、より最近の経済情勢に則した投資戦略に切り替えるため、投資家からはそういった新しい戦略に転換できる自由な資金を求めセカンダリー市場での売買の動きが益々加速すると思われるとしている。
運用会社大手のPartners GroupもLandmarkと同様のレポートを発表しており、3年前に比べ年金基金や信託財団といった長期運用基金のセカンダリー市場での売買がより活発化しているとしている。
(当記事は弊社が提携する機関投資家向けメディアPEREの記事を編集したものです)
*不動産ファンド投資の持分の2次売買(セカンダリー取引・市場)に関しては、下記リンクから弊社ウェブサイトの解説ページをご覧下さい。
『投資ファンド持ち分の流動化・2次売買』
https://japanplacementagent.com/blog/alternative-investments/secondaries/
本記事は弊社と英国の機関投資家向けメディアのPEREの共同記事です。
世界のSWFや公的年金のアセットアロケーションや運用手法の解説に加え、 アセットクラスとしての不動産へ焦点を当てた内容になります。
日本では20年前のバブル崩壊以来長期にわたり不動産の資産クラスとしての地位は失墜してきました。 2007年にピークを迎えたプチ・バブル期では、90年代からのバブル崩壊後の長く続いた低空飛行からの反動による短期的な高騰と、その後の世界経済の信用収縮からの『第2の教訓』を日本の年金基金をはじめとした機関投資家に与えました。
しかしながら、過去の記事でとりあげた20年間にわたり平均14%を超える収益を上げる米イェール大学が、不動産へ20%のアセットアロケーションをおこなっていることにも反映されるようにグローバル市場での地位は大きく異なります。 (参考記事 : 米イェール大学の基金運用事例)
不動産は他のアセットクラスにくらべ、流動性、投資先地域毎の法令や費用、資産価値の評価、市場サイクルなどといった固有要素が多く含まれるアセットクラスですが、 天然資源、インフラと並ぶ有限固定資産であり、最大の魅力はインフレーションに強い『インフレ感応資産』である点です。
『インフレ感応資産』は日本市場とは真逆に成長するグローバル経済、人口増、アジアの発展といった要素を長期的に、そして最大限に享受できる資産クラスです。 また不動産特有の利点としては、資産の活用をする事により定期的に安定したインカムフローを生み出せる点もあります。
もちろんバブル期の日本市場での例もあるように一つの市場への一極集中は、非流動性資産固有のリスクをともないます。 しかしながら、グローバル市場での複数の特性を持つ市場への分散投資を行う事によっては不動産が持つ最大の魅力であるインフレ成長と着実なインカムフローを享受する事が可能です。
参考として、世界規模で運用する各国のSWF、年金基金、保険会社などの運用状況を以下に挙げます。
世界のTOP30年金基金、SWF、保険会社の不動産投資 以下は弊社が提携する英国の機関投資家向けオルタナティブ市場メディアのPEREがまとめたリサーチです。
不動産への投資額順に世界のTOP30年金基金、SWF、保険会社をリストアップしてあります。
不動産への投資額、、、名称 / 拠点国 / 属性 / 運用額 / 不動産へのアセットアロケーション(%)を表記しております。
(1) 338億ドル、、、アブダビ投資庁 / アラブ首長国連邦 / SWF / 6,270億ドル / 5.4%
(2) 335億ドル、、、カタール投資庁 / カタール / SWF / 850億ドル / 39.4%
(3) 257億ドル、、、カリフォルニア州公職員退職年金基金(CalPERS) / 米国 / 公的年金 / 2,426億ドル / 8.9%
(4) 248億ドル、、、GIC / シンガポール / SWF / 2,475億ドル / 10%
(5) 240億ドル、、、Allianz / ドイツ / 保険会社 / 6,690億ユーロ / 2.8%
(6) 229億ドル、、、カリフォルニア州教職員退職年金基金(CalSTRS) / 米国 / 公的年金 / 1,525億ドル / 14.2%
(7) 213億ドル、、、ニューヨーク州公共退職者年金 / 米国 / 公的年金 / 1,506億ドル / 6.7%
(8) 210億ドル、、、ケベック州公共年金基金 / カナダ / 公的年金 / 1,590億カナダドル / 11.5%
(9) 192億ドル、、、ABP / オランダ / 公的年金 / 2,610億ユーロ / 5.7%(目標値9%)
(10) 180億ドル、、、カナダ公共年金基金(CPPIB) / カナダ / 公的年金 / 1,658億カナダドル / 10.7%
(11) 171億ドル、、、テマセック / シンガポール / SWF / 1,980億シンガポールドル / 10.6% 、 、
(15) 158億ドル、、、第一生命 / 日本 / 保険会社 / 約30兆円 / 4.1% 、 、
(18) 141億ドル、、、AXA / フランス / 保険会社 / 1兆640億ユーロ / 1.5% 、
(20) 133億ドル、、、オンタリオ州公務員年金(OMERS) / カナダ / 公的年金 / 557億カナダドル / 23% 、
(23) 124億ドル、、、明治安田生命 / 日本 / 保険会社 / 約30兆円 / 3.3%
(24) 114億ドル、、、住友生命 / 日本 / 保険会社 / 約21兆円 / 4.3%
(25) 110億ドル、、、クウェート投資庁 / クウェート / SWF / 2,960億ドル / 3.7%
(26) 110億ドル、、、PFZW / オランダ / 公的年金 / 1,180億ユーロ / 12.7% 、 、
(30) 82億ドル、、、NPS / 韓国 / 公的年金 / 367兆ウォン / 2.48%
*投資額は不動産への直接投資、投資ファンドを通じての投資、JV投資の合計額です。 REITや不動産会社の株式への投資、その他不動産関連債権への投資等は含まれていません。
属性別の機関投資家は以下です
SWF(計5) アブダビ投資庁、カタール投資庁、GIC、テマセック、クウェート投資庁
年金基金(計17) CalPERS、CalSTRS、ニューヨーク州公共退職者年金、ケベック州公共年金基金、ABP、カナダ公共年金基金(CPPIB)、ワシントン州公共年金、ペンシルバニア州教職員年金、テキサス州教職員年金、オンタリオ州教職員年金(カナダ)、ブリティッシュコロンビア州公共年金基金(カナダ)、オンタリオ州公務員年金(カナダ)、米国カレッジ退職者年金(TIAA-CREF)、PFZW(オランダ)、ニューヨーク州教職員年金、オレゴン州公務員年金、韓国NPS
保険会社(計8) アリアンツ、ジェネラリ(イタリア)、第一生命、AXA、CNP(フランス)、明治安田生命、住友生命、メットライフ
上記の結果から、
世界のTOP30機関投資家の不動産へのアセットアロケーションの平均値は9.1%となり、
機関投資家の属性別では、
SWF(5)の不動産へのアセットアロケーションの平均値は13.8%
保険会社(8)の不動産へのアセットアロケーションの平均値は3.0%
公的年金基金(17)の不動産へのアセットアロケーションの平均値は10.9% となります。
長期的な資産成長やグローバルな分散投資を必要とする中東やアジアのSWF、欧米の先進国の公的年金基金といった、計画的に長期間での運用が可能な投資家からは平均で10%以上のアセットアロケーションがなされている。
一方、他投資家からの資金を預かり区切りをもって運用する保険会社からは不動産に対して全体的に低いアセットアロケーションがなされている事が見てとれます。 同時に保険会社からは今回の統計に含まれず、不動産や不動産私募ファンドよりも比較的流動性の高い不動産関連債権といったアセットクラスには大きなアセットアロケーションがあると思われます。
不動産のアセットクラスとしての利点である『長期でのインフレ感応性』、また特性である『非流動性』が現れた内容であると言えます。
また不動産は『時間を味方にする資産』とも言えます。 欧米の公的・企業年金基金の不動産投資に対する傾向として、独自もしくは運用会社との個別アカウントを通じて給付資金の支払い時期に合わせた超長期の(時には40年といった)投資期間を設定して投資を行っている特徴が見られます。この背景には不動産資産が生み出す家賃収入といった他資産よりも高く定期的なインカムフローを享受しつつも、インフレーションと連動しながらサイクルを持って資産価値自体の上昇(キャピタル・リターン)が見込める各不動産資産に長期にわたり投資できることが年金基金の特性と好合致するという点があります。
SWFにおいても、CIC(中国投資公社)などに見られるように不動産資産に対しての投資期間を10年へ引き上げるなど、不動産資産の特性と利点を十分に享受できるように長期の投資期間を設定する動きが見られる。
日本の機関投資家からは、長らく日本の不動産市場への投資ファンドへの投資が主流でしたが、 インフレよりもデフレ度合いの強い日本での不動産資産はアセットクラスとしての特性を全く活かしておらず、グローバル経済の流れと逆行した投資といえます。 アジアや欧米のSWFや年金基金は積極的に、自国以外のヨーロッパや米国、アジア、南米といった地域へ積極的な不動産投資を進めています。 不動産はグローバル市場で運用する事によって、21世紀の世界経済成長を着実に長期に享受することのできる『インフレ感応資産』として大きな価値のあるアセットクラスです。
弊社では、グローバル市場をメインとした不動産を中心にインフラ、PEファンドの情報発信、リサーチ、投資の取扱いを行っております。 数多くの着実なグローバル運用マネージャーよりファンドの窓口業務を依頼されておりますので、市場・運用会社の比較や情報収集、運用会社への質問等、ご遠慮なくお問い合わせください。 お問い合わせ先: info@japanplacementagent.com 、 、 、 、 その他の海外年金基金・SWFに関してのリサーチなどは弊社のWebサイト www.japanplacementagent.com にて閲覧可能です。
弊社では各国の年金基金やSWF、関係メディアと運用事例や戦略に関して幅広く情報交換を行っております。
Edited & written by Yukihiko Ito (伊藤 幸彦)
Source : PERE 『Global Top 30 investors』
本記事に関しましてのご質問またはお問い合わせはinfo@japanplacementagent.comまでお願いいたします。
過去の記事ではイェール大学、カナダ国民年金基金運用(CPPIB)や中国SWFのオルタナティブ投資事例、インフラストラクチャーファンド事例も取り上げております、ご興味がございます場合はお問い合わせください。
アジア最大級のオルタナティブ投資カンファレンス (東京)
『PEI : Global Alternative Investment Forum Japan』
弊社と提携するグローバル機関投資家向けメディアのPEIは、4月17日にマンダリン オリエンタル ホテル 東京にてGlobal Alternative Investment Forum : Japanを開催します。
本カンファレンスはPE(プライベート・エクイティ)・不動産・インフラストラクチャー関連投資に関しての国際的なカンファレンスで、アジアでは最大級の機関投資家向けオルタナティブ投資カンファレンスとなります。
アジア、ヨーロッパ、米国を中心とした世界中の年金基金、SWF、オルタナティブ関連運用会社のトップが集結し、オルタナティブ投資へのアセットアロケーション、投資戦略といった最も注目を集めるトピックについて生の意見をぶつけ合います。また世界の機関投資家のトップ達とのネットワーキングには絶好の機会でもあります。
参加申し込み・プログラムやスポンサーシップ等に関してのお問い合わせは弊社までご連絡ください。
アスタリスク(e-mail) : info@japanplacementagent.com
アスタリスク(tel) : 03-3263-9909
カンファレンスプログラムは以下になります。*適宜、講演者、参加者及びプログラム内容はアップデートさせていただきます。
Global Alternative Investment Forum: Japan 2013
2013年4月17日 マンダリン オリエンタル ホテル 東京
*各セッションの題目/スケジュールは暫定です。講演者様等のご都合や属性により変更の可能性がございます。
4月16日(火曜日) |
1900 VIPディナー&カクテル(招待制)
4月17日(水曜日 |
*全てのプログラムにて、英語と日本語の同時通訳が提供されます。
0815 受付開始 & コーヒータイム
0900 開会基調講演:
講演者:
クリストファー・ピーターセン (PEI Asia マネージング・ディレクター)
0915 パネル: プライベートエクイティ
グローバル市場での投資機会 – 欧州・米国市場の混迷は日本の投資家にとってどのような意味をもたらすか? アジア市場での投資に目を向けるべきか? 成熟市場からエマージング市場への投資とは?
モデレーター:
クリストファー・R・ハンター (Cambridge Associates マネージング・ディレクター)
講演者: ジェームズ・アーン (Clayton, Dubilier & Rice マネージング・ディレクター)
アージュン・バワ (PineBridge Investments プライベート・ファンズ・グループ バイス・プレジデント)
村形 誠治 (日本政策投資銀行 資金運用グループ調査役)
ラジェッシュ・シンハル (タタ・キャピタル・オポ−チュニティファンド パートナー)
1005 プレゼンテーション: フォーカス・オン・ASEAN
講演者:
ケニー・キム (CIMB Group CFO兼戦略投資部門ヘッド)
1035 コーヒータイム & ネットワーキング
1105 パネル: インフラストラクチャー
インフラストラクチャー投資と他アセットクラスとの違いと位置づけとは? インフラストラクチャー投資への配分は?
モデレーター: 川口 有一郎 (早稲田大学 大学院ファイナンス研究科 教授)
講演者: コリン・アトキン (Hastings Funds Management インフラストラクチャー部門エグゼクティブ・ディレクター)
近藤 英雄 (DIC企業年金基金 運用執行理事)
クレイグ・マーチン (CapAsia マネージング・ディレクター)
デイビッド・スケイズブルック (キャピタル・ダイナミクス マネージング・ディレクター兼クリーンエナジー&インフラストラクチャー部門ヘッド)
1155 パネル: 私募不動産
欧州市場と米国市場での不動産投資戦略の違いは? 欧州市場での保守的なコア投資の集中は、米国市場でのメザニンファイナンス、バリューアッド、スペシャルシチュエーションなどのより高いリスク/リターン投資を加速させる要因となるか? 長期投資を行ううえでの通貨リスクにはどう対応できるか?
モデレーター:
クリストファー・バラス (M3 Capital Partners マネージング・ディレクター)
講演者: キャサリーン・ホン (モルガンスタンレー・オルタナティブインベストメントパートナーズ ポートフォリオ・マネージャー)
甲斐 泰正 (三井住友銀行 不動産ファイナンス営業部 部長)
川野 真治 (東京海上不動産投資顧問 海外投資運用部長)
アラン・ミヤザキ (ブラックストーン シニア・マネージング・ディレクター)
1245 昼食
1400 パネル: 債権投資 – 新しい資産クラスか?
現在200近い債権投資ファンドに計11兆円を超える資金が集まっているなか、機関投資家からの反応は? 機関投資家は債権投資の将来性を認識しているか? 債権投資は高い利回りと価値の上昇期待ができ、エクイティよりも変動性の低い資産か?
モデレーター: コナー・マクナマラ (Adamas Asset Management パートナー)
講演者: クリストファー・ボッツフォード (ADM Capital CEO・共同創業者) デヴィッド・クレイトン (Cordiant CEO)
増田 徹 (三井住友信託銀行 投資開発金融部長兼PEチーム長)
武部 真樹 (新生銀行 国際投資部 部長代理)
1445 ステージインタビュー: プライベートエクイティの運用と成功
インタビュアー:
久保 達哉 (HarbourVest Partners マネージング・ディレクター)
講演者: デヴィッド・ワッサーマン (Clayton, Dubilier & Rice パートナー)
1515 コーヒータイム & ネットワーキング
1545 パネル: 天然資源 – 森林資源、農作物とコモディティへの投資
最高のリターンを期待できる天然資源資産は? 実物資産はいかにインフレに対してのヘッジになるか?
モデレーター:
エリック・ベテル (SinoLatin Capital マネージング・パートナー)
講演者: 木口 愛友 (岡山県機械金属工業厚生年金基金 運用執行理事) 森田 隆大 (ワールド・ゴールド・カウンシル 日本代表) 森本 紀行 (HCアセットマネジメント 代表取締役社長)
1615 パネル: 海外パートナーとの投資
グローバルな投資家からの資金調達における文化・言語面の障壁をどう克服するか? 日本の投資家はいかに海外の運用会社との間に生まれる認識の相違を解決するべきか?
モデレーター:
大井 幸子 (SAIL 代表取締役社長)
講演者: グラント・ドーリー (Hastings Funds Management アジア共同ヘッド)
秦 由佳 (野村プラーベート・エクイティ・キャピタル 運用調査部ディレクター)
児島 力 (三菱商事 企業金融ユニットマネージャー・部長)
竹内 丈二 (ブライトラストPEジャパン 代表取締役)
1700 閉会
カンファレンス閉会後には全ての参加者、スピーカー、スポンサー様向けのカクテル・パーティーがございます。
三菱商事株式会社
児島 力 産業金融事業本部 企業金融部長
1986年に三菱商事入社、鉄鋼輸出部に配属。1996年に、ヤング・プロフェッショナル・プログラムを通じて世界銀行グループに入行、中国・モンゴル局農業分野エコノミストを経て、国際金融公社(IFC)では中国・ブラジル・中央アジア諸国の途上国民営化及び、投融資を担当。2001からはGE Capitalにて日本におけるM&A担当ビジネスデベロップメントディレクター、GE Plasticsに異動後はアジアパシフィック地域マーケテイング本部長としてコンシューマーエレクトロニクス分野の顧客に対する製品・用途開発を統括。 2007年にはロンドンに本拠を置くプライベートエクイティファンドであるBridgepoint Capitalにディレクターとして就任し、欧州地域によるバイアウト案件を担当。2009年からは三菱商事にてグローバルなプライベートエクイティ事業を統括している。1986年 慶應義塾大学経済学部卒 1992年 カリフォルニア大学ロサンゼルス校 MBA
SAIL
大井 幸子 代表取締役社長
1983年、同大学院経済学研究科修士課程終了後、フルブライト奨学生としてスミス・カレッジ、ジョンズ・ホプキンズ大学院高等国際問題研究所(SAIS)に留学。1987年、慶応大学大学院経済学研究科博士課程終了後、明治生命保険国際投資部にて M&A業務に携わる。1989年よりムーディーズ(ニューヨーク本社)ストラクチャード・ファイナンス部門アナリスト、リーマン・ブラザーズ(ニューヨーク本社)債券調査部、キダー・ピーボディ債券営業を経て、2001年Strategic Alternative Investment Logistics (SAIL),LLCをニューヨークに設立。ヘッジファンドを中心としたオルタナティブ投資に関し日本の機関投資家向けに情報提供を行う。2007年よりスイス大手プライベート・バンクUnion Bancaire Privee (UBP)東京支店、営業戦略取締役としてファンド・オブ・ヘッジファンズの営業を担当。2009年より株式会社SAIL代表取締役。主な著書に『ウォール街のマネー・エリートたち』『ヘッジファンドで増やす時代』『お金の正しい守り方』『国富倍増・日本国富ファンド』等がある。
キャピタル・ダイナミクス
デビッド・スケイズブルック マネージングディレクター兼クリーンエナジー&インフラストラクチャー部門ヘッド
20年以上に渡るオーストラリア、欧州、アメリカでのクリーンエネルギー関連インフラストラクチャー投資の経験を持つ。英国エネルギー大臣への再生可能エネルギー諮問機関のアドバイザーを歴任。キャピタル・ダイナミクスは昨年、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のオルタナティブ投資のフィージビリティアドバイザーに選定されている
タタ・キャピタル・オポ−チュニティファンド
ラジェッシュ・シンハル パートナー
インド大手銀行ICICIにてプロジェクト・コーポレートファイナンス、債務リストラ業務に従事し、その後インテル・キャピタル(インド)にて20件を超えるプライベートエクイティ投資を担当。以後Milestone Religare Private Equityを創業しヘルスケア・教育関連企業への投資を指揮。13年間に及ぶPE投資を含む18年以上に渡る投資業界での経験を持つ。現在はインド・最大手財閥のタタ・グループの投資部門タタ・キャピタルの共同経営者としてオポチュニスティックファンドを率いる。
ブラックストーン (Blackstone)
アラン・ミヤザキ シニア・マネージングディレクター
ブラックストーン・グループの日本の不動産投資部門の代表を務める。米国にて、総額280 億ドル以上の小売、ホテルセクター案件を手掛ける。日本における代表案件は、総額11億ドルの不動産担保ローンの購入やアジア地域のメリルリンチの不動産ファンドの運用の承継等がある。ペンシルバニア大学ウォートン校にて経済学学位取得。スターウッド・キャピタルでアクイジションを担当した後、2001 年にブラックストーンに入社。
キャピタル・イノベーションズ(Capital Innovations)
マイケル・アンダーヒル 最高投資責任者
天然資源や農産物などの実物資産への投資業界のオピニオンリーダーとして、マイケル・アンダーヒルの投資手法はPension and Investments、NYタイムス、ブルームバーグ、CNBC、ファイナンシャルタイムス、エコノミト誌、、、といった多くのメディアで取り上げらるとともに、数多くの投資業界機関誌・関連白書での執筆を行っている。実物資産投資に特化した運用・リサーチ会社キャピタル・インオベーションを2007年に設立。現在まで23年間のグローバル運用会社での責任者としての経験を持つ。
モルガンスタンレー・オルタナティブ・インベストメント・パートナーズ
キャサリーン・ホン ポートフォリオマネージャー
ロンドンを拠点に2008年よりモルガンスタンレーの不動産ファンド・オブ・ファンズ部門、オルタナティブインベストメントパートナーズ(AIP)にてポートフォリオ・マネージャーを務める。以前はニューヨークを拠点に、メリル・リンチでの不動産ファイナンス、グローバル自己勘定投資のアナリストを経て、シティグループ・プロパティ・インベスターズにてシティグループ企業年金及びシティグループの外部向けの運用部門のグローバル不動産ファンド投資の評価を担当。以後モルガンスタンレーにてヨーロッパ私募不動産ファンドの組成を経て現在の職務に就く。
岡山県機械金属工業厚生年金基金 木口 愛友 運用執行理事
1988年住友生命保険入社、株式運用部門、米国投資顧問出向を経て、企画部門 1998年フランク・ラッセル(現ラッセル・インベストメント)入社、資産運用コンサルティング部長、執行役企画本部長などを経て、2008年ISCアドバイザーズ設立、代表に就任。社会貢献活動および関連コンサルティング。バイオマスエネルギー、森林再生、社会教育活動などを支援。2009年より岡山県機械金属工業厚生年金基金にて運用執行理事を兼任。
DIC 企業年金基金
近藤 英雄 運用執行理事
早稲田大学を卒業後、日本長期信用銀行(The Long-Term Credit Bank of Japan、Ltd.)に入社。銀行勘定での外国債券、
米国株式運用に係わるポートフォリオ・マネジャーを経験後、ニューヨークでバンクローンのシンジ ケート業務を担当。帰国後、アジア資本市場での業務を担当。1999年、日本長期信用銀行を退職し、DIC(旧 大日本インキ化学工業)に入社。入社後、 DIC厚生年金基金の運用管理部長に就任、2003年、運用執行理事に就任。2004年、年金制度を変更し、DIC企業年金基金となる。20
日本政策投資銀行
村形 誠治 資金運用グループ 調査役
1999年東京大学法学部卒業、2008年ニューヨーク大学経営大学院卒業1999年日本開発銀行(現(株)日本政策投資銀行)入行。主に企業融資、債権管理業務を経て、2008年より現職。国内・欧米のプライベート・エクィティ投資に従事。
クレイトン・ドゥブリエ・アンド・ライス(Clayton, Dubilier & Rice)
ジェームズ・アーン マネージング・ディレクター
Clayton, Dubilier & Riceのマネージングディレクターとして150億ドルのプライベート・エクイティ投資資産を運用する。
グローバル・コンサルティング会社マッキンゼーのパートナー兼アジアM&A部門ヘッドとして、アジアを拠点とするクロスボーダービジネスに携わる。スタンフォード大学にて経済学・産業エンジニアリングの修士号を取得。ハバード大学法科学院にて法務博士号を取得。
三井住友銀行
甲斐 泰正 不動産ファイナンス営業部 部長
1999年より、大和証券SMBCストラクチャード・ファイナス部にて不動産証券化及びJ-REITの引受・アドヴァイザリー業務を推進。2010年に大和証券SMBCプリンシパル・ファイナンスの取締役に就任し不動産投資を担当。2011年、三井住友銀行投資営業部に移りグローバルプライベートエクイティ投資に従事。2012年に同行不動産ファイナンス営業部に移り、エクイティ投資及びクロスボーダービジネスを所管。
コーディアント(Cordiant)
デヴィッド・クレイトン CEO
ニューヨーク、ロンドン、アジアにて30年以上に渡る国際キャピタルマーケットでの経験を持つ。1999年にモントリオールにて、新興国の未上場企業投資に特化した投資会社Cordiantを設立。投資・運用コミッティーの議長として、現在まで55以上の新興国にて200件以上の投資取引に携わる。CordiantとAC Water Canadaにて業務執行に携わる他、BCS基金の理事長を務め、過去にはカナダ・南アフリカ会議所の会長を務める。王室地理協会特別会員をはじめ多くの国際的団体の資金集めや発展に寄与している。頻繁に世界中を飛び回っている。ゲルフ大学にて農業経済、企業統治研究所での修学を通じ名誉学位を取得。
ハーバーベスト・パートナーズ(日本)
久保 達哉 マネージング・ディレクター
2010年ハーバーベスト・パートナーズにマネージング・ディレクターとして入社。以後、日本国内の機関投資家やジェネラルパートナーとの関係を築きあげる。ハーバーベスト・パートナーズ入社以前は、フォートレス・インベストメント・グループのマネージング・ディレクター兼ビジネスデベロップメントのヘッドとして日本を拠点とするビジネスの創設を行う。20年間にわたり農林中央金庫にてオルタナティブ資産投資の構築・および資産管理に携わる。1988年早稲田大学政治経済学部卒、1994年米国デューク大学経営大学院にてMBA取得。日本語と英語に堪能。
ヘイスティングス・ファンドマネジメント(Hastings Fund Management)
グラント・ドーリー アジア共同ヘッド
在中国・広州オーストラリア総領事を経て2012年よりHastingsにアジア共同ヘッドとして加わる。元在中国・広州オーストラリア総領事として、オーストラリアと中国間の政治関係、経済交流、投資促進に貢献し、120を超える団体、中国の中央・地方政府関係者、企業経営者との幅広い交流を持つ。中国語(普通語)に堪能で、アジアの機関投資家へ、Hastingsが培ってきた洗練された国際的なインフラストラクチャー投資機会を提供している。在中国・広州オーストラリア総領事就任以前は、キャンベラ所在のオーストラリア政府が運営する中国貿易・経済地域の現地責任者としてオーストラリアと中国間の貿易・投資関係を指揮。 オーストラリア国立大学にて、中国普通語・アジア歴史を専攻しアジア研究の学士号、また国際関係の修士号を取得。
ケンブリッジ・アソシエイツ・インベストメント・コンサルタンシー(北京)
クリストファー・R・ハンター マネージング・ディレクター
2000年に投資コンサルティング会社・ケンブリッジ・アソシエイツに加わり、ロンドンオフィスにて6年間、ボストンオフィスにて4年間の勤務を経て、2011年から北京オフィスにてマネージング・ディレクターを務める。中国、米国、英国、中東の機関投資家向けに5億から250億ドル規模の投資案件のコンサルティング業務に従事。ケンブリッジ・アソシエイツ以前は、飲料関連企業へのコンサルティングに特化したEndeavor Corporation にて企業戦略、顧客契約、ビジネスデベロップメントを担当。またErnst & YoungやPeterson Consultingといったコンサルティング会社にて経済訴訟や企業倒産ケースのコンサルティングおよび評価を担当し、環境被害計量といったスペシャルプロジェクトを指揮した経験も持つ。ノートルダム大学にてTuck奨学生として経営学士号を取得し、ダートマス・カレッジのTuckビジネス・スクールにてMBAを取得。米国公認証券アナリスト。
東京海上不動産投資顧問 川野 真治 海外投資運用部長
東京海上火災保険(現東京海上日動火災保険)にて、1998年以降、不動産証券化投資業務に従事する一方、ニューヨーク州子会社を通じて投資した米不動産ファンドの管理、ロンドン・シティ所在の英国支店ビルの運営、海外遊休資産の売却に携わる。また、日本初の不動産投資信託(ジャパンリアルエステイト投資法人)の設立にスポンサーサイドで関与。2003年の当社設立に参画し、以後は国内年金基金及び金融機関向け不動産ファンド組成(総額1,110億円)及びファンドマネジメント業務に従事。2008年より海外アセットマネジメント会社との業務提携、新規事業開発、マーケットリサーチ業務に従事。2011年より当社運用受託物件のアセットマネジメント全般を統括。2012年3月より現職にて、国内年金基金及び金融機関向け海外不動産投資プラットフォームの設立に携わる。東京大学工学部卒。ビジネス・ブレークスルー大学大学院経営管理専攻修了。
アダマス・アセット・マネジメント(Adamas Asset Management)
バリー・ラウ マネージング・ディレクター
Adamas Asset Managementの共同創業者およびマネージング・パートナー。創業以前は、ABN AMROのアジア・ファンド・デリバティブ部門の責任者としてヘッジファンドへのストラクチャード・ファイナンスを担当、その後、BNPパリバのアジア・ファンド・デリバティブ部門の責任者を務め、ヘッジファンドへのストラクチャード・ファイナンスを担当し約10億米ドルにのぼる案件を手掛ける。また、国際弁護士事務所Clifford Chanceのロンドン事務所にて弁護士としてプライベートエクイティ、ヘッジファンドの設立・投資関連業務に携わった経験を持つ。中国でのベンチャーキャピタル投資に関しての多数の記事執筆や、英国ベンチャーキャピタル協会のガイドブックの共同執筆も行っている。
キャップ・アジア (CapAsia)
クレイグ・マーチン マネージング・ディレクター
2010年よりCapAsiaに加わり、マネージング・パートナー兼South East Asian Strategic Assets Fund (SEASAF)とCapAsia ASEAN Infrastructure Fund III (CAIF III)の両ファンドの責任者および投資委員会メンバーを務める。20年以上に渡り東南アジアを拠点としており、過去12年間は機関投資家向けプライベートエクイティ投資案件のアレンジや、ファンド向けのファンド・レイズを数多く手掛けている。以前は、スタンダード・チャータード銀行グループのプライベートエクイティ会社にてアソシエイト・ディレクターとして勤め、その後5年間にわたるプルデンシャル・アセット・マネジメント (現在のEastspring Investments)のベトナムファンド部門にてインベストメント・ディレクターを経てCapAsiaへ加わる。シンガポールの企業経営者・幹部協会(Singapore Institute of Directors)のメンバーを務め、複数のCapAsiaの委員会メンバーであると同時に、複数の企業の社外取締役も努める。INSEADにてMBAを取得。英・ヨーク大学にて電子工学の修士号を取得。
HCアセットマネジメント株式会社
森本紀行 代表取締役社長
三井生命のファンドマネジャーを経て、1990 年1 月ワイアット株式会社(現タワーズワトソン株式会社)に入社。日本初の事業として、年金基金等の機関投資家向け投資コンサルティング事業を立ち上げる。2002年11 月、HC アセットマネジメントを設立、全世界の投資機会を発掘し、専門家に運用委託するという、新しいタイプの資産運用事業を始める。東京大学文学部哲学科卒。
ブライトラストPEジャパン
竹内丈二 代表取締役
1983年に海外経済協力基金(現国際協力機構)に入社し開発援助に携わる。その後大手米銀を経て、1991年、米国最大手再保険会社ジェネラル・リの金融子会社ジェネラル・リ・ファイナンシャル・プロダクツ東京支店を立ち上げる。1995年に東京支店長、1996年より香港支店長兼務、グローバル・トレーディング共同責任者、グローバル経営委員会メンバー。2003年より株式会社許斐にてプライベート・エクイティー業務ならびにM&Aアドバイザリー業務に従事。2007年3月、ブライトラストPEジャパン株式会社を設立し代表取締役就任。広い金融商品知識、長年にわたる市場リスク・マネジメント経験、海外ファンド・投資家とのネットワーク、国内およびクロスボーダーM&A実施経験に照らしてプライベート・エクイティ・ファンドを分析。東京大学卒(国際関係論)、シドニー大学院政治学部修士。
M3キャピタル・パートナーズ
クリストファー・バラス マネージング・ディレクター
シカゴ、ニューヨーク、ロンドン、香港、サン・パウロを拠点にグローバル不動産投資およびアドバイザリーを行うM3キャピタル・パートナーズの創業メンバー。M3キャピタル・パートナーズのシカゴオフィスでの北米アドバイザリー部門責任者を経て、同社のアジア業務の統括責任者となる。
同社の取締役会およびグローバル投資委員会のメンバーを務め、またM3キャピタル・パートナーズの投資部門であるEvergreen Real Estate Partnersに代わり、北米、アジアの優良不動産企業の取締役会メンバーも務める。ULI、ICSC、NAREITなどの多くの不動産業界団体のメンバーでもある。ノートルダム大学卒業、ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院にてMBAを取得。
クレイトン・ドゥブィリエ・アンド・ライス(Clayton, Dubilier & Rice)
デヴィッド・ワッサーマン シニア・パートナー
Clayton, Dubilier & Riceにて14年間に渡りHertz、Univar、ServiceMaster、Culliganといった投資案件を指揮、またClayton, Dubilier & Riceの投資案件であるヨーロッパの中古自動車販売大手のBCAのインドJVの設立、取締役として大きな成功を収めたKinko’sのFedExへの企業売却へ貢献。現在はClayton, Dubilier & Riceの投資・運営委員会のメンバーを務め、Hertz、Univar、ServiceMasterといった企業の取締役も務める。ゴールドマン・サックスにてプリンシパル・インベストメント業務、Monitor Companyでの経営コンサルタントなどを経てClayton, Dubilier & Riceへ加わる。アマースト大学卒業、ハーバード・ビジネススクールにてMBAを取得。
早稲田大学大学院
川口 有一郎 ファイナンス研究科 教授
東京大学にて工学博士の学位取得。2004年早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授。日本不動産金融工学学会会長。早稲田大学国際不動産研究所所長。アジア不動産学会会長。財務省財政制度等審議会国有財産分科会臨時委員、不動産・インフラ投資市場活性化方策に関する有識者会議座長(内閣府)等を務める。主な著書に『不動産金融工学』(清文社、2001年)、『不動産エコノミクス~資産価格の7つの謎と住宅価格指数』(清文社、2013年2月)。
パインブリッジ・インベストメンツ
アージュン・バワ プライベート・ファンズ・グループ バイス・プレジデント
2006年にニューヨークのパインブリッジ・インベストメンツ本社へ入社、多くのアジア投資案件を手掛け、2012年よりシンガポールオフィス勤務。パインブリッジの運用するファンドのグローバル投資案件の意思決定に深く携わるとともに、アジアでのプライベートエクイティ投資案件の発掘責任者および投資、モニタリング業務を担当。パインブリッジ入社以前は、ドイツ保険大手のアリアンツのミュンヘン、ニューヨークオフィスにて勤務、またドイツ銀行にてシンガポールおよび東南アジアでの勤務経験を持つ。
プライベート・エクイティ・インターナショナル(PEI)・アジア
クリストファー・ピーターセン マネージング・ディレクター
10年以上にわたる米国、ヨーロッパ、アジアでの金融関連メディアおよびカンファレンス業界での経験を持つ。2000年から2006年まで米国のB to Bカンファレンス企画会社Strategic Research Instituteのエグゼクティブ・バイス・プレジデントとしてオルタナティブ投資グループを担当。2007より生活拠点を香港へ移し、Haymarket Mediaにて金融関連カンファレンス部門の発展に大きく貢献。AsianInvestorやFinanceAsiaといったタイトルのカンファレンスを年間3件だった2007年から2010年までの間に年間17件まで増やし、世界中から延べ3000人以上の参加者、60組以上のスポンサーが参加する一大ビジネスへと成長させる。2011年よりPEIメディアのアジア責任者兼マネージング・ディレクターとして、PEIの香港オフィスを開設。以来、香港からPEIおよびPEREのアジア業務全般の企画やビジネスデベロップメントを担当する。 アリゾナ大学卒業後、カリフォルニア大学にて政治経済学の修士号取得。
ヘイスティングス・ファンドマネジメント(Hastings Fund Management)
リチャード・ホスキンズ インフラストラクチャー エグゼクティブ・ディレクター
20年以上のファイナンス業界で経験を持ち、2006年よりHastingsに加わる。投資委員会メンバー兼オーストラリア・インフラストラクチャー投資および運用チームの責任者を務める。オーストラリアUTA (Utilities Trust of Australia)のCEOも務め、またHastingsを代表しパース空港社、Epic Energy社、Interlink道路社、Statewide道路社、ポートランド港社などの経営役員も務める。同時に、Hastingsの代表的な大型複合案件であるSouth East Water、パース・メルボルン空港、Freeport LNGの運用を担当している。Hastings入社以前は、オーストラリアの大手法律事務所Mallesons Stephen Jacquesのパートナーとしてインフラストラクチャーおよびプロジェクトファイナンスを専門に担当し、Hastings入社までの6年間にはHastings関連の案件を多く手掛けた。メルボルン大学より商学士号および名誉法学士号を取得。
*適宜、講演者、参加者及びプログラム内容はアップデートさせていただきます。
*以下参考情報です
PEIが2013年2月27-28にかけて香港にて開催するPERE Summit Asiaには25カ国以上のから総勢約450名のグローバールプレーヤーたちが参加予定です。
注目の参加者(PERE Summit Asia)
アブダビ投資庁、APG(オランダ)、オーストラリアンスーパーファンド(年金)、ケンブリッジ・アソシエイツ、CPPIB(カナダ 公的年金運用)、聖職者年金基金、建設業共済基金(韓国)、テキサス州公務員退職者年金、AP1(スウェーデン公的年金)、HSBC、ロッキード・マーチン企業年金、PGGM(オランダ)、サムソン火災海上保険、、、他多数
2012年9月に東京にて弊社とPEIが開催したPERE Forum Japan: 2012には以下のグローバールプレーヤーたちが参加しました。
CPPIB (カナダ公的年金運用)、日本政策投資銀行、DIC 企業年金基金、富国生命、GICリアルエステート(シンガポール)、メットライフ・アリコ、日本生命、ニッセイ・アセットマネジメント、岡山県機械金属工業厚生年金基金、大阪府病院厚生年金基金、りそな銀行、損保ジャパン、住友林業企業年金基金、三井住友銀行、ワシントン州公的年金運用、、、他多数
Global Alternative Investment Forum: Japanの参加料金は以下になります。
下記は2013年3月6日までの早期登録割引料金です。料金は米ドル($)表記となっております。
通常価格 |
早期割引額 |
早期割引適用後参加料 |
|
1名様でのご登録 | $2,895.00 | $500.00 | $2,395.00 |
2名様でのご登録 | $5,500.00 | $950.00 | $4,550.00 |
3名様でのご登録 | $7,815.00 | $1,350.00 | $6,465.00 |
参加登録申し込み・プログラムやスポンサーシップ等に関しては弊社までご連絡ください。
アスタリスク (e-mail) : info@japanplacementagent.com (tel) : 03-3263-9909
米名門大学のYale University (イェール大学)のEndowment Fund(大学基金)はこれまでの20年間に実に年平均+14.2%のリターンを挙げ、基金の規模を7倍に拡大させており、米国の大学基金に限らず世界中の機関投資家や年金基金から注目を集めている。
イェール大学基金の2011年度の運用リターンは+21.9%で、2011年度末時点での運用資産は194億ドル(約1兆5500億円)、直近の10年間では基金の資産総額は107億ドルから194億ドルまで拡大している。
一方の気になる支出においては、2011年度は投資収益の36.1%にあたる9.87億ドルを計上している。 支出面も資金の好調な運用資産の拡大に伴い、過去10年間で3.38億ドルから9.87億ドル・対収益比率では25%から36%へと推移している。 10年間で支出は3倍となるなか、運用資産は約2倍に増加しており、また支出は運用収益の36%という水準を保っている。
この理想的に見えるイェール大学基金の10年間の運用結果においても、リーマンショック後の2008 - 2010年の3年間は年間で+4.5%、-24.6%、+8.9%と金融危機の影響からの運用成績の一時的に大きな落ち込みを経験しているが、2009年の-24.6%以降はいち早くプラス収益に転じている。(前年の2007年度は+28%の運用収益を記録)
このイェール大学の、長期間にわたり好成績を挙げつつ、苦しい経済市況化でも損失を低く抑えまたは運用益をあげる基金の運用手法を以下に記します。
まず以下が政策アセットミックスです。 イェール大学基金のアセットアロケーション(政策アセットミックス)
(*天然資源はオイル、ガス、金属、ミネラルなど)
政策アセットミックスにおいての注目点は、 プライベートエクイティと不動産の非流動性資産が過半数を占めています。 またインフレーションに対してのヘッジが期待できる実物資産(不動産と天然資源)には全体の約30%の資産を配分しており、伝統的な投資対象である国内外の株式・債券は合わせても20%弱となっている。 イェール大学基金は過去20年間において積極的に米国内の株式・債券といったアセットクラスから、プライベートエクイティ・不動産や天然資源といったアセットクラスへの比重を拡大させており、1991年時に53%の資産配分をされていた米国内の株式・債券は2011年時では11%となっている。 代替資産と呼ばれる"オルタナティブ資産"においては全体の80%に達しており、もはや代替資産ではなく主力資産といえる。
このような政策アセットミックスを実現している理由として、イェール大学基金の方針としての"長期にわたる持続的な基金の存続"という大命題を達成するための科学的・学術的なアプローチにある。 長期間の持続的な基金存続に必要な条件として、"インフレーションへのヘッジ"と"市場平均よりも高いリターン"が大前提になっており、その為に株式や債券市場などの"流動性は高いが短期の市況に左右され大きな利益を上げる機会の少ないアセットクラス"よりも、"流動性が低くとも経済サイクルや市場の非効率性を捉え、積極的な投資運用による利益の最大化が可能なアセットクラス"が適しているという考えがもとになっている。 こういった基金の性格から、プライベート・エクイティや不動産といった長期の投資サイクルを必要とし流動性は低いが優れた運用会社を通じることで高いリターンを期待できる非流動性資産と、天然資源や不動産といったインフレーション感応型の資産が60%を超える政策アセットミックスとなっている。
さらに詳しく踏み込んで、 イェール大学基金が分類する7つのアセットクラスと、各アセットクラスに対するイェール大学基金の考察は以下になります(以下英語アルファベット順)
1.絶対収益 (Absolute Return) - 政策アセットミックス 17% いまでこそ市場に浸透しているヘッジファンドやマーケットニュートラルといった絶対収益戦略とは、そもそもイェール大学が1990年に機関投資家として初めて採用したことことから知られるようになった運用手法(資産クラス)です。 1990年当初は15%の運用資産を絶対収益クラスに配分し、2011年では17%となっている。(注目としては2011年時点での他の大学などの教育基金の絶対収益クラスへの平均資産配分は23.7%) この資産クラスにおいては市場の非効率性を投資機会として長期的に高いリターンを上げることを目標としており、投資の半分は"イベント・ドリブン型"の企業の合併、スピンオフ、破産・更正といった市場イベントを活かしてから利益を上げる戦略へ、もう半分は"バリュー・ドリブン型"の本来の価値から乖離してい資産の価格を利用した戦略へ振り分けている。各戦略ともに外部の運用会社を通じて投資している。 各戦略ともに期待利益は6.0%、変動リスクはイベント・ドリブン型は10.0%・バリュー・ドリブン型は15.0%を見込んでいる。
2.米国内株式 (Domestic Equity) - 政策アセットミックス 7% 他の米大学などの米教育基金の米国内株式への平均資産配分は18.0%だが、イェール大学基金はわずか7.0%を米国内株式へ配分している。イェール大学基金の米国内株式への期待利益は6.0%、変動は±20%を想定している。 運用手法としては、広くブルーチップと呼ばれる優良株式にバスケット投資するのではなく、企業価値よりも割安な株価の企業への投資をすることに長けている運用会社などを好む。
3.債券および現金 (Fixed Income) - 政策アセットミックス 4% 米国債などの国債については、突然の経済市場におけるアクシデントやデフレーションといった事態においては有効な投資対象と評価しながらも、イェール大学はほとんど興味を示していない。資産配分は現金とあわせても全体の僅か4.0%となっている。(他の米教育基金は平均12.4%) 期待利益は2.0%、変動リスクはは10.0%を見込んでおり、ベンチマークにはバークレイズ・キャピタル米国債1-5年インデックスを採用している。
4.外国株式 (Foreign Equity) - 政策アセットミックス 9% 全体の9%が配分されている外国株式の内、4.0%が先進国株式、2.5%が新興国(エマージング)株式、2.5%が中国・インドを中心とした長期間の株式の集中保有によって利益を期待できる海外のオポーチュニスティな株式、といった配分になっている。 他の米教育基金の外国株式への政策アセットミックスは平均19.5%。 先進国株式の期待利益は6.0%で変動リスクはは20.0%、新興国(エマージング)株式の期待利益は7.0%で変動リスクはは22.5%、ベンチマークにはモルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)の各市場のインデックスを採用している。
5.天然資源 (Natural Resource) - 政策アセットミックス 9% イェール大学基金の分類する天然資源資産とは、石油、ガス、森林木材、金属、鉱物といった資産。 インフレーションに対して有効なインフレ感応資産、実需にもとづいた高いキャッシュフロー、多様性といった特徴を高く評価している。 基金の資産の9%を天然資源に充てており、期待利益は6.0%で変動リスクは13.6%と評価している。 また優れた運用マネージャーを通じることによって、長期の市場サイクルの中の価格の非効率性から大きな利益をあげられる資産クラスとしている。
6.プライベートエクイティ (Private Equity) - 政策アセットミックス 34% 政策アセットミックスのうち最大の34%を占めるプライベート・エクイティに対しては、『基金にとって最も必要な、長期のリスクを調整し利益を上げる事のできる究極に魅力的な投資対象』と評しており、1991年の投資開始以来の平均投資リターンは年間30.3%を記録しているイェール大学基金の政策アセットミックスの柱。 ゆえにイェール大学基金のプライベートエクイティ投資は最高の実績をもつ機関投資家向けPE投資モデルとして、ハーバード大学をはじめとした数多くの機関投資家向けの研究ケーススタディに引用されるなどしている。 プライベート・エクイティ投資に対しての期待利益は10.5%で変動リスクは27.7%と評価しており、プライベートエクイティにはベンチャーキャピタルファンド、バイアウトファンドなども含まれる。 投資手法としては、パートナーシップ型のファンドへ出資を行う形態によって投資しており、長期的に投資先企業と信頼関係を築き企業価値を上昇させることのできるバリューアッド型の運用ファンドを採用している。 運用会社選定の特徴としては、利益の相反と人員の不定着性への懸念から金融機関がスポンサーをしている運用会社のファンドへの投資は行っていない。
7.不動産 (Real Estate) - 政策アセットミックス 20% プライベートエクイティに次ぐ20%を投資配分する不動産はイェール大学の目指す長期の基金運用には不可欠のアセットクラス。 長期間に渡って安定したインカム(賃料収入)と、インフレーションをヘッジしながらも将来的な値上がり益を享受できる利点がイェール大学基金の長期運用戦略をプライベートエクイティ・天然資源と補完し合い支えている。 規則的な市場サイクルを持った資産であり、優れた運用マネージャーを通じて各市場・各サイクルの決定機を捉えバリューアップすることにより多大な付加価値を加えることが可能ながらも、安定した固定収入も期待することが可能な資産として、長期運用においては大きな意味を持つ資産クラスとしている。 不動産へは1978年の投資開始以来、年平均12%のリターンを記録している。期待利益は6.0%で変動リスクは17.5%と評価している。 他資産と比べて不動産の取引には、長い期間、コスト、専門的知識といった固有の要因があるため、優れた経験と能力を持つ運用会社を選定することが鍵としている。
各アセットクラスに対するイェール大学基金の考察は以下になります。 全体の特徴としては、長期運用に特化したアクティブなポートフォリオといえる 従来の伝統的資産である米国債や現金といった資産には手元流動性資金程度の配分(4%)しか行っておらず、 国内外の株式へは市場の非効率性を捉える投資運用(16%)、 市況に関係なく収益を目指す絶対収益資産には(17%)、 残りの(63%)をプライベートエクイティ、不動産、天然資源といった、『インフレーション感応型』、『市場サイクル型』、『長期運用型』といった3つの要素を各資産クラスが補完しあうように配分しており、 『インフレーション』、『市場サイクル』、『長期運用』といった3大元素が、恒久的な基金の存続を目指すイェール大学基金の運用戦略を構成している。
Source / 情報提供 : イェール大学基金
Edited & written by Yukihiko Ito (伊藤 幸彦)
本記事は弊社ニュースレター『海外年金 & SWFのオルタナティブ投資News』2012年10月2日版のものです。 本記事に関しましてのご質問またはお問い合わせはinfo@japanplacementagent.comまでお願いいたします。
過去の記事ではカナダ国民年金基金運用(CPPIB)や中国SWFのオルタナティブ投資事例、インフラストラクチャーファンド事例も取り上げております、ご興味がございます場合はお問い合わせください。
CPPIBはCanada Pension Plan Investment Boardの略で、
2012年現在の資産クラス別の投資比率は、上場株式が34.
最も投資アロケーションの多い上場株式投資では実に世界中の30
CPPIBは基金の恒久的な存続に必要な長期の年間リターンを定
投資に際しては複数の優良運用マネージャーへ投資委託/
プライベートエクイティの投資事例としては運用会社と共同投資し
CPPIBはアジアや南米にも及ぶ世界各地で不動産投資や開発を行っており、
(
2012年
■CPPIBがシドニーの大型不動産開発へ投資
CPPIBはシドニー中心部の2棟の大型複合施設型オフィスビル
■CPPIBが豪Goodmanとの北米JVへ8億ドル投資へ
CPPIBは工業不動産運用/
■カナダ公共年金勢がショッピングセンター投資攻勢
ケベック州の公共年金運用基金のケベック貯蓄投資公庫は、
2011年
■CPPIBとグロブナーがロンドンでオフィス投資へ
カナダ年金基金CPPIBと英グロブナーはジョイントベンチャー
■カナダCPPIBが香港進出。
カナダ年金系SWFのCPPIBは、
■
カナダ年金系SWFのCPPIBはドイツ・
■オランダ年金、カナダ年金、
INGが運用するオーストラリア証券取引所上場のインダストリア
2010年
■CPPIBとAPGがロンドン・
カナダの年金基金CPPIBとオランダの年金基金運用会社APG
当記事に関連した弊社レポートは以下からご覧になれます
ケベック州貯蓄投資公庫のオルタナティブ投資
http://japanplacementagent.
SWFレポート2013 / Sovereign Wealth Fund Report 2013
http://japanplacementagent.
ノルウェーSWF “オイルファンド” Government Pension Fund Global
http://japanplacementagent.
米イェール大学の基金運用事例
http://japanplacementagent.
グローバル市場での不動産とは? 世界のトップ30の年金基金・SWFの投資動向
http://japanplacementagent.
関連イベント
【PERE Forum: Japan 2013】 2013年9月18日 マンダリン オリエンタル ホテル 東京グローバル不動産投資・
https://japanplacementagent.com/blog/global-pension-fund/pere-forum-japan-2013/
【PEI : Global Alternative Investment Forum Japan】
アジア最大級のオルタナティブ投資カンファレンス (2013年4月17日 マンダリン オリエンタル ホテル 東京)
https://japanplacementagent.com/blog/alternative-investments/pei-global-alternative-investment-forum-japan/
安定した需要が見込めながらも、有形資産(施設としての不動産など)を有しており尚且つ投資先市場の経済全体との相関関係が高いことから、インフレリスクに強い或いはインフレを享受できる資産としての位置づけが強い。このような特徴から、経済成長著しいインドをはじめとした東南アジア関連のインフラストラクチャーファンドへも欧米の投資家からは注目が集まっている。
インフラストラクチャーファンド関連では以下のような投資事例が挙げられる
プライベートファンド(私募)型ファンドの投資事例:
・私募ファンドによる英・ロンドンヒースロー空港、英・ブリストル空港、ベルギー・ブリュッセル空港への出資および取得。
・私募ファンドによるヨーロッパ最大級のバラ積み船港湾事業会社Europortsへの出資。
・私募ファンドによる8,900 kmの敷設パイプラインを持つ原油パイプライン会社の米Colonial Pipelineへの出資、テキサス州ガスパイプライン会社Regency Intrastate Gas Systemへの出資。
上場型ファンドの投資先企業の投資事例:
・リライアンス・インダストリーズ(インド) は10億ドル(約800億円)を投じて航空機輸送事業を開始する。また同じく10億ドル相当を費やしサムソンから4G通信サービス基盤を取得、インド国内での唯一の4G通信サービスプロバイダーとして運営を開始する。
・長江インフラストラクチャー(香港)がイギリス・水インフラ企業Northumbrian Water Groupを買収。長江インフラストラクチャーは複数の英国のガス、電力、水インフラ企業の買収に関わっている。
※上記の内容等や具体的なファンド等の情報に関しましては弊社までお問い合わせ下さい。
今後益々の需要と成長が見込まれるエマージング・マーケット関連のInflation Sensitive Asset(インフレーション感応資産)として、恒久的な存続のための運用持続が可能なリターンを求められる欧米の年金基金や、グローバルマクロと連動したリターンを求める海外SWFからのニーズが急拡大すると見られる。注目の動きとしては、香港や中国、マレーシアなどのアジアの新興国の大手機関投資家・政府系ファンド・年金基金が欧米のインフラストラクチャーへの投資を活発化させているケースが多く見られる。
シンガポールの政府投資公社GICは、ロンドン証券取引所に上場するインドの再生可能エネルギー会社Greenkoの子会社へ1億英ポンド(約140億円)を出資。
Greenkoはインドにて風力発電や河川からの水力発電事業を手掛けている。
GICはインフラストラクチャー投資の方針として、発電所、変電所、上下水道事業、空港や道路といったインフラストラクチャー会社へ、マイノリティー株主として投資する形をとっている。
投資運用大手のブラックロックはスイスのプライベートエクイティ・ファンドのSRPEP(Swiss Re Private Equity Partners)を買収、自身のFOFユニットに加える。 SRPEPはインフラストラクチャー投資に強く、
(弊社グローバル不動産マーケットニュースレター2012年7月号より)
中国国家外貨管理局 “SAFE”は、2012年7月に米GM(ゼネラル・モーターズ)の企
*関連記事『中国国家外貨管理局”SAFE”の投資事例』
https://japanplacementagent.com/blog/alternative-investments/china-safe-swf-investment/
私募不動産ファンド投資持分の2次売買市場(セカンダリー)投資運用会社のLandmarkは、 2012年の不動産ファンド持分のセカンダリー市場全体の取引が確認できる限りでも26億米ドル(約2500億円)と前年の2011年の推定22億米ドルから20%以上増えた発表。
通常、セカンダリーの取引は、売手や買手の事情から公にされないケースがほとんどのため、確認されている取引は氷山の一角と見られる、、、、(全文は下記リンクからご覧になれます)
*関連記事『グローバル年金基金の私募不動産ファンド持分の2次売買が増加。2012年は20%以上の大幅増』
シンガポール政府投資公社GIC傘下の物流不動産投資会社のGLP(GLプロパティーズ)は、計14億米ドル(約1150億円)をブラジルを中心とした南米の物流不動産へ投資する計画を発表。GLPはカナダの公共年金基金運用CPPIBと中国政府投資公社のCIC、GLPの株式の過半数を保有するシンガポール政府投資公社のGICとの共同投資を行う。南米市場向け投資として複数のポートフォリオの既存施設を取得する見込みで、すでにブラジルのプライベートエクイティ会社と物流不動産ポートフォリオの売買契約を結んだと見られる。投資予定不動産の大半はブラジル国内でサン・パウロとリオ・デ・ジャネイロに集中する見込み。GLPは2011年のシンガポール株式市場上場以来、日本・中国の物流不動産へアジアの政府系投資会社などとの共同大規模投資を続け急成長しており、12月21には日本でのREIT上場も予定している。(本稿作成時) (弊社記事『Global Money Flow』より*月刊プロパティマネジメント誌2012年12月号掲載)
米不動産ファンド運用大手のTishman Speyerの組成するブラジル投資ファンドが、当初予定の5億ドル(約400億円)を上回る5億4千万米ドルを機関投資家から集める。当ブラジルファンドへは、国外での高く持続的な成長ストーリーを求める米国の年金基金などから多くの資金が投資させていることに加え、韓国NPSが2億ドルを投資するなど海外のSWFからも高い関心を集めている。Tishman Speyerは1990年代よりブラジルの不動産市場への投資を始め、現在までオフィスのバリューアップや住居の開発などを主にサンパウロ、リオデジャネイロ等で行っており今回のブラジルファンドは第3号ファンド。米国では国内での長期成長と同時に高いリターンが見込める投資案件が枯渇してきていることから、ブラジルなどの不動産市場へ機関投資家からの需要が高まっており、他運用会社が組成するブラジルファンドへも米国の機関投資家から多くの資金が流れ込んでいる。
(弊社記事『Global Money Flow』より*月刊プロパティマネジメント誌2012年9月号掲載)
好況に沸くラテンアメリカ地域では、ブラジルやコロンビア、チリをはじめとするラテン・アメリカ地域でのショッピングセンターへはカナダの公共年金基金であるCPPIBやケベック州公民年金基金をはじめ、北米の大型投資家からのショッピングセンターへの投資が続いている。ラテン・アメリカ地域では今後の2年で実に200以上の新規ショッピングモールの完成オープンが見込まれている。
(弊社グローバル不動産マーケットニュースレター2012年5月号より)
ラテン・アメリカ市場に特化した米・不動産投資運用会社Paladinは、ブラジルの低中間層向けの住宅を開発する建設会社への4000万ドル(約32億円)の投資を発表。Paladinは今までにもラテン・アメリカへ投資するファンドを複数成功させており、運用成績への旺盛な期待から米国の年金基金などから多くの投資資金の獲得に成功している。今回はそのうちの投資案件の一つとなるが、経済が成長中のブラジルでは政策の後押しもあり低~中間層向け住宅への需要が急激に上昇してい中、開発する建設会社へのファイナンスが大きく不足しており、Paladinは銀行などに代ってそういった資金ニーズに対して投資する。市場間関係者によると、この手の資金の貸し手へのリターンは15-25%に上るとの事。同様の投資チャンスには伝説的な投資家のサム・ゼルが率いるEquity Internationalなども興味を示し参入を表明している。
(弊社グローバル不動産マーケットニュースレター2012年5月号より)