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日本の機関投資家からのグローバルな不動産投資への需要が大きく成長するなか、世界経済の牽引役である米国市場への注目と投資資金が集まるとともに、他の先進国に先駆けて好況を享受した経済・不動産市場の動向については注目が集まっています。
弊社がコンサルタントを務めます不動産運用会社のベントール・ケネディ社は、北米を代表するESG不動産投資分野のリーダーとして、様々な市場に関するレポートやESGに対する取り組みを公表しております。本メールにて、 2018年米国不動産市場の見通しについてのレポート日本語版をご案内させていただきます。

2018年 米国不動産市場の見通し / Bentall Kennedy – Perspective 2018 US (当レポートは以下のリンクよりダウンロードいただけます。)
https://japanplacementagent.com/wp-content/uploads/2018/03/BentallKennedy_Perspective2018-US.pdf


【抜粋・要約】

米国経済:進む拡大化
米国では、ほとんどの指標が経済拡大の継続を示唆しています。雇用創出は、失業率が約4.0%にまで下がったことで若干減速しているものの、健全な状態です。売り手市場の労働市場や、記録的水準にある株価および住宅評価額がもたらす資産効果により、米国の消費者たちが今後とも消費を続け経済活動を牽引してゆく環境が維持されるものと思われます。好況により人々の移動が促進されるだろうと思われますが、興味深いことに、米国では移動人口の割合は年々低下しています。この傾向を促進する要因は、数多くあります。しかし当社では、雇用主は仕事がある場所に人材を移動させるのではなく、優れた人々が住む場所として選んだ、住居、仕事、遊びが一体化された活気のあるノードとなるロケーションで人材を探す必要があり、この逆ではないという考え方をしており、この傾向は、その考え方をさらに裏付けるものであるとも捉えています。米国には、成長を維持するうえでの好条件が揃っています。しかし同時に、新しい税務政策(短期的には良いが、長期的には悪い結果をもたらす可能性がある)、ヘルスケア関連の法律、貿易協定の再交渉などがもたらす結果をうまく舵取りしてゆかねばなりません。向こう一年、米国は驚きに事欠かないでしょう。

 

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資本市場:リターンは高くないものの、投資家の関心は高水準を維持
四半期の売上高の傾向に関する短期的展望は近年の高水準を下回るものの、過去1年間の活動は、過去の動向と比較して堅調に推移しました。最近そして予測されるトータルリターンは、明らかに低下しています。しかし、海外および国内の投資家たちはいずれも、他のアセットクラスに比べて利回りが良いということで米国の商業不動産を投資対象としています。産業用施設セクターは群を抜いて最高のパフォーマンスを示しているため、当然ながら、このセクターに対する投資家たちの期待感は引き続き高いものとなっています。貸し手は融資基準を若干厳格化しながらも、引き続き高質の貸付機会を狙っています。現サイクルおける商業不動産のピークは過ぎたかもしれませんが、リスク調整がなされた魅力的なリターンを実現できる機会は残っています。特に金利がゆっくり上昇しキャップレートが横這いとなる環境の中でパフォーマンスを上げるには、アセットの選定と管理に鋭意注力してゆくことが非常に重要になります。

賃貸住宅:新たな供給による動向
多くの新規建設が完了したことで賃貸住宅の空室率が若干上昇し、有効賃料の上昇ペースは鈍化しています。しかし、より深刻な供給過多が明らかになっているロケーションも見られます。仕事があるだけでなく、若干とは言え賃金が上昇し、今後さらに上昇する可能性があるという状況のアメリカ人が増加している中で、賃貸住宅需要は引き続き高水準を維持しています。この状況は、2018年も続くものと見られます。融資基準が厳しくなると共に建設コストが上昇している中でデベロッパーの意欲が低下していることから、現サイクルにおける供給は、ほぼピークに達したのではないかと思われます。都市中心部における買収価格が高くなっているため、より魅力的なリターンを実現する機会は、むしろ都市中心部と同じようなアメニティを提供する周辺の近郊にある可能性があります。

オフィス:ファンダメンタルズは安定しているが、供給過多のロケーションもある
多くのロケーションでは、労働面での制約やスペース使用に見られるトレンドにより需要の伸びが抑制されているものの、オフィスのファンダメンタルズは安定しています。昨年の空室状況には、ほどんど変化が見られませんでした。シアトルやオースティンなど一部の二次テクノロジー市場や、シャーロットやタンパなど回復が遅れたサンベルトの主要都市に牽引され、賃料はインフレ率をやや先行する形で上昇しています。今後の四半期では、建設が全米の賃料上昇を圧迫することになるでしょう。高価格と、場所によっては大量の新規供給が、都市中心部における不動産投資のアップサイドを制限しています。

メディカル・オフィス:健全なバイタルサインと良好な見通し
メディカル・オフィスのファンダメンタルズは、人口動態および業界特有の様々なトレンドが需要の上昇を促進する中、堅調でさらに改善されつつあります。これらの建物は需要の増加に対応できない状態であるため、施設構外への不動産投資が新たな機会となっています。しかし、将来的に新しい税法が保険加入者数に影響を与える可能性があるため、政策関連リスクを考慮する必要があります。

小売り店舗・施設:構造的シフトがセクター全体に及ぼす「揺れ」が続く
過去のサイクルにおける同じ時点と比較すると、小売り店舗・施設セクターの空室レベルは高く、近い将来さらに上昇することが見込まれます。しかし、最高のロケーションでは需要が徐々に高まっています。開発は限られており、多くの市場におけるプロジェクトは従来型のフォーマットやテナントの顔ぶれに基づくものではなく、むしろ独特の体験志向型オファーへとシフトしています。このセクターにおける賃料は上昇していますが、成功している小売センターと苦戦しているセンターの間に見られる差は歴然としています。オンライン小売業者が実店舗の需要を大きく牽引するまでには至っていませんが、近年、これら小売業者が物理的スペースへと進出していることは、長期的に小売り施設が必要であることを裏付けるものと言えるでしょう。

産業用施設:近隣にやって来る?
産業用施設セクターの空室レベルは30四半期連続で横這いまたは低下傾向にあり、他の主要不動産セクターを上回るパフォーマンスを示しています。従来型の需要牽引力と電子商取引サプライチェーンへの投資を強化することで、実実質賃貸契約増加面積は引き続き堅調に推移しています。供給はスペースに対するテナントの欲求を圧倒するようなものではなく、むしろそれを加速させており、現サイクルのどの時点よりも需要とよく一致したものとなっています。賃料の上昇ペースは現サイクルですでに最も強力な水準に達しており、この時点から先は低下する可能性があります。テナントは明らかに顧客により近いロケーションに関心を示していますが、空室率が限られているため、いわゆる「最後の1マイル」の傾向を阻む問題を生んでいます。

上記の各セクターについての詳細な見通しやデータは、日本語レポート本文をご照覧ください。

当レポートは以下のリンクよりダウンロードいただけます。
2018年 米国不動産市場の見通し / Bentall Kennedy – Perspective 2018 US (以下のリンクよりダウンロードいただけます。)
https://japanplacementagent.com/wp-content/uploads/2018/03/BentallKennedy_Perspective2018-US.pdf

 

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*月刊プロパティマネジメント誌の201712月号にてベントール・ケネディ社の「ESG不動産投資」について、20183月号にて「都市化 = Urbanization」をテーマとした不動産投資についての取り組みに関する記事が掲載されております。

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