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ESGは不動産において核心的要素となりつつあり、国内機関投資家のグローバル化する不動産投資においても最重要要素の一つとなっています。日本でも個々の物件レベルでのESG導入事例はありますが、投資家にとっての資産運用的観点からのESG事例は乏しい状況です。

当ニュースレターではESG不動産運用におけるグローバルリーダー達の取り組みや事例、ニュースをご紹介いたします。

 

パリ協定 – 国連環境計画・金融イニシアティブ

今回は、ESG不動産およびResponsible Property Investment(責任ある不動産投資)などのキートピックと、関連する国際的な取り組みについてご案内します。

パリ協定と不動産セクター(Paris Agreement and Real Estate Sector)

2015年12月12日に採択されたパリ協定によって、各国政府が世界レベルでの温室効果ガスの排出削減と吸収の対策を行う事となりましたが、不動産セクターは最大の地球温暖化ガス排出セクターの1つです。地球全体の地球温暖化ガス排出量の約1/3はビルや建物からの発生によるものであり、またこれらの不動産は地球全体で消費されるエネルギーの40%を消費しています。パリ協定で定められた目標では、不動産セクターからの二酸化炭素排出量をを2050年までに今日のレベルから77%削減する事となっており、不動産投資・運用におけるESGの意義と効果は世界的に推進される事項となっています。

 

国連環境計画・金融イニシアティブについて(UNEP FI)

国連環境計画(UNEP)は、1972年ストックホルム国連人間環境会議で採択された「人間環境宣言」および「環境国際行動計画」の実行機関として同年の国連総会決議に基づき設立された国連の補助機関です。UNEP FIはUNEPとおよそ200以上*の世界各地の銀行・保険・証券会社等と広範で緊密なパートナーシップです。1992年の設立以来、金融機関、政策者、規制当局と協調し、経済的発展とESG(環境・社会・ガバナンス)への配慮を統合した金融システムへの転換を進めています。

UNEP FI署名機関には、業務に直結する専門的な調査、環境に配慮したビジネスモデルの提案、情報交換などを提供しています。また、専門家研修プログラムの運営、環境配慮行動を指向するためのレポート発表、世界中の専門家を一堂に集めた国際会議の開催などを主な活動としており、国連環境計画・金融イニシアティブにおける不動産投資における取り組みは、不動産作業部会=Property Working Group (PWG)により執り行われています

 

責任ある不動産投資 (Responsible Property Investment)

PWGの取り組みの核として、責任ある不動産投資 = RPI(Responsible Property Investment)が挙げられます。PWGでは、関連情報や成功事例の利用を促進し、不動産投資家や専門家がESG基準に組織的に適合し投資や融資決済に取込まれるような必須ツールを共同開発することで、責任ある不動産投資 (RPI)の革新を促進しています。具体的には以下の取り組みを通じて、RPIの各政府・企業や投資家レベルでの導入を促進しています。

・         環境や社会的に有害なインパクトを削減しつつ、ビルのライフサイクルを通じてどのようにパフォーマンスの維持向上を図るかを示すべく実績の収集と提供

・         RPIの実践を推進すべく、適切な施策や規制の枠組みの立案や制定において、政策立案者や不動産投資グループと協業

Berlin[4]

 

PWGメンバー企業

PWG(不動産作業部会)メンバーには以下のグローバル企業が参加しており、日本からも三菱UFJ信託銀行、野村不動産投資顧問、三井住友信託銀行が参加しています。

 

・         Allianz Real Estate (Allianz SE), Germany

・         Aviva Investors (Aviva plc), UK

・         Axa Real Estate Managers (Axa Group Management Services), France

・         Bentall Kennedy, USA & Canada

・         BNP Paribas Real Estate Investment Services (BNP Paribas Fortis), France

・         British Columbia Investment Management

・         Caisse des Depots et Consignations, France

・         City Development Limited, Singapore

・         Citibank, USA

・         Colonial First State Global Asset Management (Commonwealth Bank of Australia), Australia

・         Deutsche Bank, Germany & USA

・         F&C REIT Asset Management, UK

・         Hermes Investment Management, UK

・         Inflection Point Capital Management (UK) Co., Ltd

・         Infrastructure Leasing & Financial Services, India

・         La Francaise Group, France

・         Le Groupe QUARTUS, France

・         Lend Lease, Australia

・         M&G Real Estate, UK

・         三菱UFJ信託銀行, Japan

・         野村不動産投資顧問, Japan

・         RobecoSAM, Switzerland

・         The Link REIT, Hong Kong

・         三井住友信託銀行, Japan

・         Thomas Lloyd, UK

・         Trillium Asset Management, UK & USA

・         UBS Global Real Estate (UBS AG), Switzerland

PWG議長

・         Tatiana Bosteels, Director RPI & Sustainability, Hermes Investment Management (2014-2018)

・         Anna Murray, Vice President, Sustainability, Bentall Kennedy (2018-2020)

*UNEP FI 参照

以上の取り組みや枠組みが今後のグローバルな不動産投資運用へのESG導入において、日本の機関投資家の指針および参考となると言えます。弊社ESG不動産ニュースレターでは今後、上記のESGおよびRPI分野のグローバルリーダー達の取り組みや具体的な事例を中心にご紹介いたします。

 

関連ニュース

UNEP FI ・PWG(国連環境計画金融イニティアティブ・プロパティ作業部会)の共同議長にベントール・ケネディ社アンナ・マレー氏を任命

グローバルな商業不動産におけるサステナビリティを推進へ

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カナダ|トロント (2018年1月29) ベントールケネディ社サステナビリティ部門ヴァイスプレジデントのアンナ・マレー氏が、国連環境計画・金融イニシアティブ(以下、「UNEP FI」) 投資委員会に選出されました。同氏はベントールケネディ社の代表として、不動産投資・プロパティマネジメント分野でのサステナビリティ採択を推進させるグローバル規模の任務にあたるべく、UNEP FIプロパティ作業部会の共同議長を務めることとなりました。UNEP FIは、1992年に開催された地球サミット後に設立され、銀行・保険・機関投資家といった200を超える世界の金融機関とのパートナーシップから構成されています。

同氏は投資委員会メンバーの一員として、投資業界におけるUNEP FIサステナビリティ戦略の推進や進捗管理を行い、主要なグローバル投資家達と連携し、差し迫るサステナビリティ問題の解決に取り組むこととなります。
アンナ・マレー氏は「地球温暖化ガス排出量の約1/3はビルや建物からの発生によるものであり、これらの不動産は地球全体で消費されるエネルギーの40%を消費しています。不動産業界全体の環境フットプリントを削減する上で又とない機会であり、ベントールケネディ社の代表として、長期的価値や競争力のある商業不動産の創造を高めるサステナビリティ・気候変動防止活動・環境問題への対応において、世界的動向をリードする一助となれることは喜ばしいことです」としています。
UNEP FIは、金融専門家・監督者・規制方針に携わる政策立案者らによる国家レベルの対話に加え、金融セクターが地球温暖化交渉プロセスにおいて、国際レベルで関与できるよう推進するといった点も重視しています。

UNEP FIのエリック・アッシャー氏は「ビルや建物の分野だけを取っても、パリ協定の会議では、エネルギー効率改善において、2020年までに毎年およそ3,000億米ドル規模のファイナンスが必要となる、UNEP FIプロパティ作業部会では、サステナブルな不動産投資分野の最も差し迫った課題に対処し解決しようと努力しています。また、ベントール・ケネディは長年に渡り、私たちの構想において、そのイノベーションの過程を導いてもらいました。私たちはアンナ・マレーが当委員会の一員となってくれたことを歓迎し、北米におけるサステナブル(持続可能)な不動産投資を発展させてくれると期待している」としています。


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ESG不動産投資 北米の事例と最前線 当レポートは以下のリンクよりダウンロードいただけます。http://japanplacementagent.com/wp-content/uploads/2018/01/ESG-Real-Estate-Casestudy_North-America_Asterisk_2018-January.pdf

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*月刊プロパティマネジメント誌の2017年12月号にて、ベントール・ケネディ社のESG不動産投資について取り組みに関する記事が掲載されております。

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