カナダ公的年金積立金運用"CPPIB"

CPPIBはCanada Pension Plan Investment Boardの略で、日本語ではカナダ年金基金投資委員会の意味を持つ1600億カナダドル(約12兆8000億円)の資産を運用する巨大公的年金運用機関。1997年の設立当初は運用資産は全て国債へ投資していたが、基金の存続可能な持続的な目標リターンの達成と資産の分散化を図るために投資対象の資産クラス、投資対象国を大幅に拡大。

2012年現在の資産クラス別の投資比率は、上場株式が34.1%、債券などの確定利付資産が33.2%、インフレ感応資産(不動産やインフラ)が16.4%、プライベートエクイティが16.3%とダイナミックな投資アロケーションになっている。投資対象エリアも世界中様々である。

最も投資アロケーションの多い上場株式投資では実に世界中の3000近い企業へ投資している。

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CPPIBの運用手法

CPPIBは基金の恒久的な存続に必要な長期の年間リターンを定め、そのターゲットとなるリターンに沿って運用戦略を決定する。現在の2020年までの目標リターンは4.1%ながら、プライベートエクイティやインフレ感応資産(不動産やインフラ)などの投資先からの好調なリターンから、2010年は+14.9%、2011年は+11.9%、2012年は+6.6%と目標を大幅に上回る運用成績を達成している。

投資に際しては複数の優良運用マネージャーへ投資委託/共同投資をする手法をとっている。

プライベートエクイティの投資事例としては運用会社と共同投資したSkypeが有名で、CPPIBは後にSkypeの保有持ち分をMicrosoftへ売却し、19億ドルの取得価格に対して2年間で350%近いプレミアムを上乗せした価格で売却した事例が挙げられる。

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CPPIBの不動産投資事例

CPPIBはアジアや南米にも及ぶ世界各地で不動産投資や開発を行っており、インフレ感応資産への投資+エマージングマーケットを含む投資地域の分散化という基金持続への重要要素であることから、不動産投資へは非常に積極的。 2012年7月時点での直近の投資事例としては以下が挙げられる。
弊社グローバル不動産マーケットニュースレターより抜粋)

2012年

■CPPIBがシドニーの大型不動産開発へ投資

CPPIBはシドニー中心部の2棟の大型複合施設型オフィスビル開発プロジェクトへ10億ドル(約800億円)を投資する。

■CPPIBが豪Goodmanとの北米JVへ8億ドル投資へ

CPPIBは工業不動産運用/開発大手の豪Goodmanと15億ドル(約1200億円)規模の北米の工業不動産投資/開発JVへ8億ドル(約640億円)を投資する。

■カナダ公共年金勢がショッピングセンター投資攻勢

ケベック州の公共年金運用基金のケベック貯蓄投資公庫は、傘下の不動産投資ファンドを通じてブラジルのショッピングセンターへ総額3億ドル(約247億円)を投資する。また、CPPIBは18億ドル(約1500億円)を投資し、豪Westfieldと共同でアメリカのショッピングセンターの取得および再開発を行う。CPPIBとケベック貯蓄投資公庫は共同でブラジルの他ショッピングセンターへの投資も行っている。CPPIBの年金基金の払い戻し年金率は2021年までには運用利益率を超過すると見られており、海外市場でも積極的な運用方針を打ち出している。

2011年

■CPPIBとグロブナーがロンドンでオフィス投資へ

カナダ年金基金CPPIBと英グロブナーはジョイントベンチャーを組成し、今後2年間で最大2億英ポンド(約260億円)をロンドン中心部とウェストエンド地区のオフィスビルへ投資する

■カナダCPPIBが香港進出。GOODMANのロジスティック開発プロジェクトへ投資

カナダ年金系SWFのCPPIBは、豪GOODMANが香港で開発する大型物流施設”インター・リンク”の開発権益の50%を取得。CPPIBは取得金額の2億8500万ドル(約228億円を)うち約164億円を現金で支払い、約64億円を借り入れると見られる。今回の投資はCPPIBにとって初めての香港での投資となる。GOODMANとCPPIBはすでに、中国の物流施設へのJV投資も行っている。

カナダCPPIBがドイツと米北東部のショッピングセンターの持分取得

カナダ年金系SWFのCPPIBはドイツ・オーバーハウゼンのショッピングセンターJVの持分50%を約300億円、また主にアメリカ北東部で構成される13のショッピングセンターの37%の権益を約280億円で取得。

■オランダ年金、カナダ年金、中国SWFの連合がオーストラリア上場インダストリアルファンドを取得へ

INGが運用するオーストラリア証券取引所上場のインダストリアルファンド(運用資産25億オーストラリアドル規模)がオーストラリアのグッドマングループ率いるコンソーシアムへ売却。コンソーシアムはオランダ年金運用大手APG、カナダ年金基金CPPIB、中国投資公社CICなどのメンバーで構成されています。

2010年

■CPPIBとAPGがロンドン・オリンピック場隣接の商業施設へ投資

カナダの年金基金CPPIBとオランダの年金基金運用会社APGは、2012年ロンドンオリンピック場隣接の延べ床約17万平米の大型商業施設(現在建設中)の50%を8億7,150万ポンド(約1,140億円)で取得する見込み。

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ケベック州貯蓄投資公庫のオルタナティブ投資
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SWFレポート2013 / Sovereign Wealth Fund Report 2013
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米イェール大学の基金運用事例
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グローバル市場での不動産とは? 世界のトップ30の年金基金・SWFの投資動向
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【PEI : Global Alternative Investment Forum Japan】
アジア最大級のオルタナティブ投資カンファレンス (2013年4月17日 マンダリン オリエンタル ホテル 東京
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